NETFLIX『サンクチュアリ-聖域-』のラインプロデューサーの【現場からは以上です】

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NETFLIX『サンクチュアリ-聖域-』のラインプロデューサーの【現場からは以上です】

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最近の記事

『極悪女王』バカヤロー!格闘技を見に来てんじゃねーんだヨー!

子どもの頃以来、 プロレスや格闘技とは縁遠いと思っていた私が、 10年以上前に両国国技館「ジ・アウトサイダー」で聞いた、 観客の叫び声。 「ばかやろー、格闘技を見に来てんじゃねーんだよー!」 その言葉は、私の心に深く刻み込まれた。 「極悪女王」を観ている間、 何度もあの叫び声が頭をよぎった。 ゆりやんか、ダンプか、香か、それとも全く別の何かを観ているのか。 それはもはやフィクションかドキュメンタリーかという枠組みを超え、 シナリオやドラマ、プロレスそのもの・・・四角

    • 『リトル・ダンサー』デジタルリマスター版のプロモーションの物量に驚く

      新宿ピカデリーの、 「リトルダンサー」デジタルリマスター上映のプロモーションのポスターの巨大さ、デジタルサイネージの物量に驚く。 ケン・ローチ作品でおなじみの、 ゲイリー・ルイスが演じるガンコ親父と、 主人公の兄貴のストライキのシークエンスは、 単なる感情の揺れを追うだけではなく、 物語の必然的な流れとシンクロしながら描かれていく。 自分が参加した作品のシナリオ会議で、 このシークエンスの親子の関係、仕事仲間との連帯感と対立、個の葛藤、 価値観の衝突、それぞれの

      • 『レベル・リッジ』知的に闘うBlack Lives Matter作品

        本作は、単なるアクション映画の枠を超え、 知略と戦略が織りなすスリリングなドラマだ。 パワーや火力を前面に出すのではなく、 Jiu-Jitsuなどの格闘技を巧みに取り入れ、 〈精神こそ最大の武器〉 と戦略的な側面を際立たせている。 これは、単なる武術の披露でもなく、 限られた状況下でいかに生き延びるか、 人間の知恵と工夫とサバイバルを描き出している。 パワーや火力に頼ったアクション映画とは対照的に、 静かな緊張感で観客を魅了する。 主人公のクレバーな戦術、 そし

        • 『対峙』高度な演技技術の追求は、表現の幅を広げる一方で、メンタルのリスクに要注意

          本作は、深刻な事象に光を当て、 登場人物たちの心の奥底を克明に描き出す、 心理劇の傑作である。 オープニングシーンから、 机の配置、イスの角度、ティッシュの置き場所、 といった細部の描写が観客の注意を一点に集める。 これは、単なる写実的な描写にとどまらず、 これから始まる緊迫した状況への予兆として機能している。 カメラは、登場人物たちの表情をクローズアップで捉え、 彼らの心の揺れ動きを正確に映し出す。 眼球の動きや目線の交差といった、 微細な表情の変化は、 言葉を

        『極悪女王』バカヤロー!格闘技を見に来てんじゃねーんだヨー!

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        • プロデューサーOの独り言 映画製作の現場日記と映画レビュー
          49本

        記事

          『SHOGUN 将軍』実は日本国内もロケハンしてました。

          日本の太平洋側の津々浦々を、 ディズニーFXのプロデューサーチームとロケハンしました。 日本各地の城や合戦シーンの撮影可能な広大な場所もロケハンしました。 様々な湾、浜での網代の街のセット構築のシミュレーション、 日本での史実であるリーフデ号の遭難、 愛の不時着のようなお話しのリアリティに関して、 ロケーション撮影時の注意事項、 三浦按針の三浦半島も周りました。 和歌山に1980年版で実際に網代の街のオープンセットを建てて、 撮影した場所にも行きました。 長期間一緒にい

          『火の華』「機動警察パトレイバー2 the movie」を想起させる実写作品

          2016年、南スーダンにおける自衛隊のPKO活動において、 [非]戦闘地域で起きた、 いまだ記憶に新しい事件をモチーフとした本作は、 組織や国家の優先順位が、 個人を圧倒する現代社会における、 構造的な問題を鋭くえぐり出しつつ、 戦争の惨禍と人間の心の深淵を、 大空高く打ち上げる花火によって克明に描き出す。 特に、本作における、 事なかれ主義や有事における指揮系統の脆弱性といった、 組織的な問題意識は、「機動警察パトレイバー2 the movie」を想起させる。 自

          『火の華』「機動警察パトレイバー2 the movie」を想起させる実写作品

          『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』あの兄弟のスピンオフは中止のようです。

          「レザボア・ドッグス」のブラウンと、「パルプ・フィクション」のヴィンセント・ベガは兄弟という設定。 この兄弟のスピンオフ作品は、結局は製作されないようだ。 Tシャツも買ったのに、、、 youtubeで着用して話しています。

          『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』あの兄弟のスピンオフは中止のようです。

          『侍タイムスリッパー』笑える笑えるワッハッハな映画

          画作りについて は、 緻密なレイヤー分けをしているのかのように、 時代と現代がフレーム内で鮮やかに対比されていて、 それらを真剣に・・真剣でコネクトする。 例えば、伝統的な建物のフレームの中に、 ピンクや緑の公衆電話が置かれたり、 時代劇の街並みで殺陣師のジーパンが唯一の現代の物、 かと思えば、 現代の家の食卓ではちょんまげが唯一の時代の物、 両側に建物、建具を配置するのは小津安二郎のフレーミングのようでもある。 手前に格子、 全体にグリッド線の意識、 パースの構成、

          『ザ・ユニオン』プロデューサーのマーク・ウォルバーグが問題

          本作は、豪華キャストとスケールの大きなアクションシーンを期待させてくれる作品だ。 しかし、蓋を開けてみると、 そのポテンシャルの高さとは裏腹に、 どこか物足りなさを感じてしまう。 まず、各シーンの演出が緩慢で、 キレがない点が挙げられる。 特に、アクションシーンは、 編集でカット尻だけでも整理すれば、 多少は緊迫感は出せたはずだ。 良いキャストが集結しているにも関わらず、 ダラダラとカメラを回しているようなシーンも多い、 カッコ悪い役を、 カッコ悪いまま撮るのと、

          『ザ・ユニオン』プロデューサーのマーク・ウォルバーグが問題

          『エイリアン:ロムルス』登場人物の精神的ロジックと物理的ロジックは不可欠のレジェンドシリーズ

          レイン、アンディ、 ケイ、ケイのお腹、 4人(2人、1機械、1ゼノモーフ? 感情のフックの設定の難易度は高くない) だけでも精神的ロジックを、 序破急の計3カット、を4人分、 強調しておけば、 見違える作品になっていただろう、 もちろん、うまくいくかどうかは、 やってみないとわからない。 シナリオには書いてあるようなので、 強調の描写が足りない、 1カットでいいのに。 あまりに物理的ロジックだけで進行するので、 あの人(想定内の役割・・めちゃくちゃもったいない

          『エイリアン:ロムルス』登場人物の精神的ロジックと物理的ロジックは不可欠のレジェンドシリーズ

          『モンキーマン』「スラムドッグ$ミリオネア」の教訓

          大珍品だった。 どこが大珍品なのか? 本作は、前半と後半でまるで異なる映画を観ているかのような、 極端な作風の違いが特徴的だ。 何が違うのか? 演出、編集、撮影、照明、アクションなど、 映画制作に関わるあらゆる要素において、 前半と後半で大きな変化が見られる。 特にアクションシーンは、 後半になるにつれてそのクオリティが飛躍的に向上する。 なぜこのような違いが生じたのか? 前半の演出がちぐはぐに感じられるのは、 主人公の成長過程を描く上で意図的な演出という解釈は

          『キラー・ナマケモノ』ナマケモノがGoogleマップを使うんかーい

          『アニマルハウス』 『アタック・オブ・ザ・キラートマト』 など、 コメディというより、 おバカエッセンスが多い作品。 ファースト犠牲者あるあるも、 踏襲。 おもしろいB級映画は、 高い技術が必要、 ヒットするかどうかは時の運。 つまらないB級映画は、 技術が低いが、 やっぱりヒットするかどうかは時の運。 本作は撮影美術の技術は高い、 が、 シナリオと演出とナマケモノのマッチングが無理ゲーと、 評価の低い人もいるだろう。 ただし、 ナマケモノをグレムリンのギズモ、 や

          『キラー・ナマケモノ』ナマケモノがGoogleマップを使うんかーい

          『ブルービートル』ジェームズ・ガンが監督していたら・・・

          CGと美術は神がかってるけど、 脚本は…スーパーヒーロー映画の王道を行き過ぎじゃない? スーザン・サランドンが「よくできた動画でしょ」と絶賛するCG動画。 確かに、ブルービートルのデザインや変身シーンは圧巻! 実写セットの作り込みも、まるでコミックから飛び出したよう。 しかし、その素晴らしい素材を活かす演出やアイデアが、ちょっと平凡すぎる。 主人公ハイメの問題が「家賃滞納」って、 スーパーヒーロー映画の主人公にしてはスケールが小さすぎない? ゴッサムシティのダーク

          『ブルービートル』ジェームズ・ガンが監督していたら・・・

          『新翔 春秋会』澤瀉屋の伝統と革新

          5人体制の大向こうさんの渋い掛け声、 特に「若澤瀉屋!」という言葉が会場に響き渡った瞬間、 過去に観た歌舞伎の世界とは違うものを感じて圧倒された。 その声は単なる呼びかけではなく、長きに渡る歌舞伎の歴史と、 そこに息づく人々の情熱を物語っているように感じた。 市川團子の立ち居振る舞いは、若き才能ならではの躍動感、 確かな伝統芸能への敬意が感じられた。 「新翔 春秋会」という題名にも、多くの想いが込められているのだろう。 「新翔」という言葉からは、若き市川團子の未来への

          『教えて?イヌのココロ』同時上映・・教えて?ネコのココロ

          パグもフレンチブルドッグも、トイプードルも、愛らしい姿は様々ですが、 実はDNAの99.9%はオオカミ(カニス・ルプス)と同じだといいます。 この驚くべき事実から始まるドキュメンタリー作品「教えて? イヌのココロ」は、 犬の心を探求する科学者たちの情熱と、最新研究成果を鮮やかに描き出します。 花と犬、種を超えた共存 種の保存のため、他の種と共存してきたのは、花と犬だけだといいます。 犬が人間と深い絆を築き、家族の一員として受け入れられているのは、 長い進化の歴史

          『教えて?イヌのココロ』同時上映・・教えて?ネコのココロ

          『浮世絵お化け屋敷』キモかわいい、ゆるキャラは江戸時代から始まる

          ■歌川国芳 原宿の太田記念美術館で本日9月6日から後期の開催が始まる「浮世絵お化け屋敷」展。 後期も、 歌川国芳や月岡芳年を始めとした、 江戸時代の巨匠たちの作品を通して、 妖怪や幽霊の世界を鮮やかに楽しむ事ができる。 前期分から全取っ替えだそうだが、本当に楽しみだ。 特に、国芳のユーモラスな妖怪画の源泉は、 また、 奇怪な幽霊のイメージは、 どのようにして出来上がったのか摩訶不思議である。 国芳の妖怪画が、 単なる恐怖を超えてユーモアを醸し出すのを、

          『浮世絵お化け屋敷』キモかわいい、ゆるキャラは江戸時代から始まる