NETFLIX『サンクチュアリ-聖域-』のラインプロデューサーの【現場からは以上です】

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『動物界』使い古された物語のフォーマット

どこのどこの、 どこの誰から頼まれた♪ 命をかける価値もない、 これほど汚れたニッポンの、 ひとの心が生み出したー・・♪ 川内康範の、子供向け変身ヒーロー作品、 「正義のシンボル コンドールマン」を、 例に挙げるまでもなく、 本作は、 古今東西の、 ヴァンパイア、ゾンビ、 ビースト、モンスター、 DCEU、マーベルといった、 無数に存在する物語フォーマットに則っている。 同種のフォーマットであっても、 観客の記憶から速やかに消え去る作品と、 半世紀を経ても人々の心を

    • 『リトル・ワンダーズ』16ミリのフィルムカメラを使いこなすには技術が必要だ

      本作の映像表現は、レトロな世界観と、 雄大な自然を対比させながら、独特の雰囲気を醸し出している。 しかし、その表現には、意図的なのか否か、 いくつかの疑問が残る。 特に印象的なのは、雄大な山々や森といった自然描写だ。 深い緑と青を基調とした色彩は、 クレジットのフォントの色もグリーンで、 懐かしいAGFAフィルムのようなB/Gの発色を、 KODAKで反映させているのだろう。 しかし、これらの自然が、 ほとんどのシーンでピンボケ気味に描かれている点が特徴的である。

      • 『戦と乱』韓国映画の現場で生で見た高技術、メイクアップアーティスト編

        韓国で時代劇の撮影を行った時に、 メイクチームの付け髭技術に深く感銘を受けた。 数本程度のフェイクの髭を小さな束にして、 順番に貼り重ねるという繊細な作業は、 まるで本当に生えているようなリアルな髭を生み出していた。 ハリウッドや英国からも引く手あまたの、 韓国のメイクアップアーティストたちの、 技術力の高さに、改めて驚かされた。 本作はメイクだけでなく、 シナリオ、芝居、アクション、VFX、 カット割り、音楽に至るまで、 細部にわたって作り込まれたエンターテインメン

        • 『アウトサイド』渡る世間はゾンビばかり

          「渡る世間はゾンビばかり」 描写は細かい。 動かないゾンビの在り方、 母親ゾンビ、 銃とロレックスを奪う表情、 (後に誰かわかる) 井戸水を毒見しないとけいない、 サトウキビをかじらないとイケナイ飲食事情、 ラジオ放送、電波状況には期待してない世間の状況、 夫婦の間でも何かが起きた、 子どもたちも理解している、 壁の落書き、 神への感謝。 北へ行け。 建物、車、美術、 エイジング(汚し)の技術も高い。 最低限のセリフでの状況説明で、 描写を積み重ねていく表現力は高い

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        • プロデューサーOの独り言 映画製作の現場日記と映画レビュー
          49本

        記事

          【マイク・タイソンVSジェイク・ポール】まるでマンガのようだった

          58歳の老ボクサーリングにあがる。 マンガのようだ。 しかもマイク・タイソン。 左右に体を振って、 左フック一閃、 一発だったけどそれだけで十分だった。 満員のダラス・カウボーイズ・スタジアムの歓声、 NFL、MBAのトップスターの観戦、 長い長いリングアナのコール。 ボクシングのリングで、 互いに礼! 初めて観た。 ビジョンに何度も大写しされていた、 「コブラ会」(「The Karate Kid」)の師範のふたり、 の影響が少なからずあったのかもしれない。 ボ

          【マイク・タイソンVSジェイク・ポール】まるでマンガのようだった

          『リトル・ワンダーズ』リトル・ランボーズとは違った・・・

          本作の映像表現は、レトロな世界観と、 雄大な自然を対比させながら、独特の雰囲気を醸し出している。 しかし、その表現には、意図的なのか否か、 いくつかの疑問が残る。 特に印象的なのは、雄大な山々や森といった自然描写だ。 深い緑と青を基調とした色彩は、 クレジットのフォントの色もグリーンで、 懐かしいAGFAフィルムのようなB/Gの発色を、 KODAKで反映させているのだろう。 しかし、これらの自然が、 ほとんどのシーンでピンボケ気味に描かれている点が特徴的である。

          『リトル・ワンダーズ』リトル・ランボーズとは違った・・・

          『ロボット・ドリームズ』ボーヴォワールの回想録のようなストーリーテリング

          実に巧みな技術によって観客を魅了するアニメーション作品である。 その巧みさの要因のひとつは、 リアリティラインの引き方にある。 サッカーのオフサイドラインを、 状況に応じてチームで上げ下げするように、 本作では、それぞれのシーンにおいて、 リアリティのラインが緻密に調整されている。 どういうことか。 キャラクターの芝居、表情、動き、 そして美術、小道具、音楽に至るまで、 あらゆる要素がリアリティラインを形成する。 例えば、 ドッグや他の動物の眉骨や、 ロボットの

          『ロボット・ドリームズ』ボーヴォワールの回想録のようなストーリーテリング

          『ドント・ムーブ』緑の中を走り抜けてく真っ赤なポルシェ・・・ではなく

          OPの断崖を走るプリウス、 森、岩、絶景の切り取り方、 魅せ方に引き込まれる。 雄大な自然の中でのサスペンス。 サイコ野郎との闘い、 自然との闘い、 演出も芝居も技術は高い、 中盤から事態は急転する。 ありがとう

          『ドント・ムーブ』緑の中を走り抜けてく真っ赤なポルシェ・・・ではなく

          『トラップ』シャマランが細かいサスペンス手法を・・・

          『シックス・センス』を鑑賞した際は、 吉祥寺の映画館で高イビキをかいている人がいて、 周囲は失笑していて、 あまり良い思い出がない。 そのためか偶然か、 それ以降も、 シャマラン作品に対してはどこか構えてしまうところがあったが、 本作は楽しめた。 こんなサスペンスの王道のストーリーでも、 やはり〈THAT〉が出てくるのか、 〈IT〉は出てこないのか、 ハラハラしていると、 シャマラン本人が登場するという、 お約束ではあるが、 もはや、 最終兵器のような展開にそれはそれ

          『マンガー・ブラザーズ』企画ピッチは、ジョシュ・ブローリンで「ビッグ・リボウスキ」をやりたい、ではなかったか・・・

          ディベロップメントピッチを想像すると・・・ ジェフ・ブリッジスの「ビッグ・リボウスキ」のような、 ハードボイルドのつもりのグダグダの探偵コメディ作品、 もちろん周りは怪演、奇演の名優で固めた。 のような、 ジョシュ・ブローリンが、 生まれてくる赤ちゃんのために、 ファーストフード店でマジメに働くが、 犯罪歴でクビ・・・ グダグダのクライムコメディ作品、 もちろん、周りは変優、オランウータンでユルめる・・固める。 ゴルフ場は、 スナッチみ、 パミョみあり、 のろすぎるデ

          『マンガー・ブラザーズ』企画ピッチは、ジョシュ・ブローリンで「ビッグ・リボウスキ」をやりたい、ではなかったか・・・

          『ブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンド:Road Diary』Make America Great Again

          リハーサルの風景を撮影をしつつ、 Eストリートバンドのメンバーのインタビューという構成。 セットリストを最初に発表するボス、 新しいアルバムからは少ないようだ。 1985年ジャパンツアーの最終日 (だったような・・バース掛布岡田バックスクリーン3連発の翌週)、 大阪城ホールでボスを見た。 OPで「BORN IN THE U.S.A.」 アンコールにデトロイト・メドレー、 ツイスト&シャウトだったか・・・ 終了の場内の照明が点いても、 スタオベは止まらない・・・ 出口に

          『ブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンド:Road Diary』Make America Great Again

          『パンプキン』B級ゴアテイストの中に洗練された映像美を見出す。

          汚染物質に侵された村を舞台にしたスラッシャー映画。 冒頭から緻密な描写が積み重ねられ、 村のイベントにおけるルネサンス「ベイウォッチ」風の演出や、 照明・スモークの巧みな使い方は、 B級ゴアテイストの中に洗練された映像美を見出す。 シナリオ、演出、芝居、いずれも高い技術が光る。 特に、スラッシュシーンは丁寧に作り込まれており、 その臭いも漂ってきそうなグロテスクな描写は、 マニアの評価も低くはないだろう。 しかし、その丁寧さが裏目に出たのか、 物語の展開はやや遅く感

          『パンプキン』B級ゴアテイストの中に洗練された映像美を見出す。

          【諸橋近代美術館】ダリはここにいる。

          ダリはここにいる。 フィゲラスのダリ美術館に続いて、 裏磐梯の諸橋近代美術館。 まるでダリが、時空を超えてここにもいるような感覚だ。 5度目だが、 毎回新たな発見がある、 今回は無かったが、 「アンダルシアの犬」の上映もあった。 展示の仕方を少しずつ変え、 来館者に飽きさせない工夫をしているのだろう。 学芸員の皆さんの【DALImo】というパンフは、 皆さんそれぞれの推し作品の紹介、 絵画技法の調査、修復のレポート等、 充実していてユニークでおもしろい。 更に、

          『私にふさわしいホテル』のんさんが売れない作家の役

          のんさんが売れない作家を演じる。 才能があっても売れない、 ではない、 才能はなくても?絶対売れてやる! どころか、 暴言はくはく、悪態つくつく、、、 文学界をぶっ壊す! 文学賞は出来レース! 悪態つきまくり・・・ そうは言っても、 のんだから、 かわいいんでしょ? かわいいカッコわるいでしょ? いえ、 かっこわるいカッコわるいフルスロットル。 悪童的な諧謔、辛辣な皮肉を織り交ぜた芝居と、 滑稽なコメディエンヌの絶妙なバランスは、 まさに高難易度の綱渡り。 観客に

          『アイズ・オン・ユー』インファナル・アフェア等、アジア映画のリメイク

          プロダクションのヴァーティゴ・エンターテインメントは、  「呪怨」 や「仄暗い水の底から」などの、 邦画のハリウッドリメイクも製作しつつ、 スコセッシ監督、ディカプリオ主演の「ディパーテッド」等 ヒット作も製作しているプロダクションだ。 私もハリウッドのスターやスタッフと一緒に仕事をした時の、 エピソード等はyoutubeでも話しているのでここでは触れない。 グレタ・ガーウィグ、 エリザベス・バンクス、 そしてアナ。 名優と監督の二刀流、 演出の技術も高い。 エンター

          『アイズ・オン・ユー』インファナル・アフェア等、アジア映画のリメイク

          『ルー・ガルー:人狼を探せ!』「レオン」のジャン・レノ効果

          人狼ゲームとタイムスリップ、 フェイクメタフィクションゲームからのタイムスリップ、 禁断の手法に近い。 不思議とノレるのは、 ジャン・レノのおかげかもしれない。 「グレート・ブルー」「レオン」、 この人でなければ、 これだけヒットしただろうか。 その理由のひとつは、この人の、 人間離れしたキャラクター、 それでいて優しさが滲み出ている、 ではないだろうか。 いや、 ジャン・レノが出演してなければ、 多分、観なかった本作。 衣装含めたプロダクションデザインの見応え充分

          『ルー・ガルー:人狼を探せ!』「レオン」のジャン・レノ効果