NZ日記🇳🇿｜32世帯が暮らすエコビレッジ滞在記

2024年7月25日 18:40

こんにちは。
ニュージーランドで夫婦ワーホリ中のゆうかです🇳🇿

"エコビレッジ"
"パーマカルチャー"

聞いたことありますか？
私はそれぞれなんとなくイメージはあるけど、
ちゃんとした定義とか、具体的なイメージとかは、
よくわかっていない状態でした。

そんな私が、夫と共に、
ニュージーランドで20年以上の歴史を持つ、
32世帯が暮らすエコビレッジに、
10日間滞在してきました🌳

日本人も7人お住まいです🇯🇵
日本語でも詳細を聞くことができたので、
解像度が上がってとても面白かった！

そんな私たちの、エコビレッジ滞在記をお届けします。

エコビレッジとは

エコビレッジとは何か？
をきちんと定めている団体もありますが、
簡単に言うと、

環境に配慮しながら、
住民が互いに支え合う仕組みのもとで、
持続可能な暮らしを目指す、
コミュニティのこと。

です。

環境問題への意識の高まり、
現代社会での孤独や人間関係の希薄化に対する課題感等を背景に、世界中に広がっています。

エコビレッジと密接に結びつくのが、
パーマカルチャーの概念です。

パーマカルチャーとは、

「Permanent (永続的)」
「Agriculture (農業)」
「Culture (文化)」

を組み合わせた言葉です。

Earth care：地球への配慮🌏
People care：人々への配慮👥
Fare share：資源の分かち合い🌱

の3つの倫理に基づいています。

人と自然が共存する、持続的な社会をデザインする手法として、パーマカルチャーを学ぶコースができたりなど、広がりを見せています。

私たちが滞在したエコビレッジのこと

ニュージーランドの最大都市、
オークランドの郊外にある、
Earthsongというエコビレッジに滞在しました。

ここは1995年に構想が始まり、2000年に建設に着手したコミュニティ。
ニュージーランドでは先駆的存在で、エコビレッジのモデルになっています。

一軒家と、1階2階が別世帯のアパートスタイルが混ざっており、32世帯が暮らしています🏠

共有の"コモンハウス"という建物があり、
"コモンガーデン" (共有の畑)で野菜や果物を育てていて、
敷地内には子供が遊べるコモンスペースもあります。

家を買って所有してる人もいれば、
オーナーに賃料を払って賃貸で住んでいる人もいます。
人は少しずつ入れ替わりますが、創設メンバーも数人残っています。

創設メンバーを中心に、退職後のご高齢の方が多いですが、子育て世代もいて、
ティーンの子たちがみんなで遊んでいたり、
3歳の子がみんなに可愛がられている様子も見られます。

コモンミールと、コモンミーティング

このコミュニティでの特徴的な取り組みを2つご紹介。

◼︎コモンミール

週に2回、みんなでコモンハウスで夕飯を食べる日があります。

クッキングチームが8チームあり、順番に全員分(大体参加するのは30〜40人程度)のご飯を作るのです。
食材購入は、クッキングチームのカンパ制。
1度作れば、7回は作ってもらったご飯が食べられるというシステムです🍽️

強制参加ではなく、子供がいて生活リズムが合わない、食生活に制限がある(ヴィーガンは対応しているが、それ以上に限られる場合)などの理由で、
参加していない人もいます。

どこのクッキングチームにも属していない人は、決まった額を支払って食べることもできます💸
みんなでわいわいご飯を食べて、交流が生まれる場になっています。

◼︎コモンミーティング

コミュニティ運営においては、日々決め事がたくさんあります。
全て全員で話し合うのは大変なので、「コモンハウス」「パーマカルチャー」など、テーマごとに少人数のグループも組織されており、それぞれのスモールグループでミーティングも開催されます。

月に１度、スモールグループから議題を上げて、みんなで話し合うのがコモンミーティング。

事前にメールでアジェンダがまわり、参加できない人は言伝をすることもできます。
ミーティング後には議事録がメールで共有され、参加しなくてもキャッチアップできるようになっています。

私たちもオブザーバーとして参加させていただきました。

ミーティングの最初はチェックイン、近況報告から。
全員が話し合えるには1時間以上かかりましたが、それでも良い、大事な時間とのこと。
月に1度はみんなが顔を合わせ、お互いの状況を知ろうという試みです。

そして、コモンミーティングで特徴的なのが、カラーカードの使用。

議論の時には、自分が今から意見を言おうとしているのか、質問をしようとしているのか等、挙手に意味づけをする役割。

意思決定の時には、賛成・反対の2つだけではなく、「少し気になることはあるけど、大枠賛成」
「引っかかるけど、みんな賛成ならそれを止めるほどではない」
など、意思をグラデーションで示す役割を果たします。

実際にどのようにカードが使われているのかを、
議論の中で見ることができたのはとても良かったです。

カラーカードシステムをニュージーランドで取り入れたのは、Earthsongが初めて。
Earthsongをモデルとして、ほかのコミュニティで使われているところもあります。

私たち夫婦も、仲間たちと小さなコミュニティを作って子育てをみんなでしたいと思っており、
カラーカードは取り入れても良さそうだね、と夫と話していました。

コモンミーティングに、手作りお菓子を持ってきてくれる人も。
途中の休憩タイムにいただきました。

私たちwwooferの受け入れ体制

私たちはEarthsongを、WWOOFサイトを通して見つけました。

【WWOOFとは】
World Wide Opportunities on Organic Farms
「世界に広がる有機農場での機会」
主に有機農業を営む農家さんのお家にホームステイさせていただき、決まった時間働いて、宿と食事を提供してもらうエクスチェンジサービス。

【私たち夫婦のWWOOFの目的】
ニュージーランドでいろんな暮らし・家族の形に触れて、自分たちの未来を考えること。
また、帰国後に取り組みたい農業を、実体験を通して学ぶこと🧑‍🌾

そんな私たちwwooferの受け入れには、担当がいます。
事前にメールでやり取りをしてくれていて、
滞在期間中、誰と仕事をして、夕飯はどの家で食べて、というスケジュールを組んでくれました。

担当者がコミュニティ全体に連絡をして、一緒に働く人、夕飯をご馳走してくれる人を募っているようです。

ついてくれる人の得意分野によって、仕事は様々。
フィジョアの木の剪定、鶏小屋の掃除、伐採した枝を砕いてマルチ材を作る作業など、色々なことをしました。
雨の日には、コモンハウスの椅子の修理🪑

仕事を見てくれる人が、11時頃のモーニングティーを用意してくれます🫖

夕飯も、コモンミールがある日以外は、色々なご家庭でご馳走になりました。
コミュニティ内でも造りが違う家を色々見られたり、コミュニティで暮らす色々な家族のお話を伺えたりと、とても楽しみな時間でした。

滞在はコモンハウスのゲストルームが中心ですが、私たちは最初はあるご家族のお家に滞在させてもらい、最後の4泊は日本人の子がハウスシッティング(旅行中の家族の留守番)をしているお家でシェアハウスをしました。

コミュニティとしてやらなければならない農作業等をお手伝いし、コミュニティでの暮らしを体験させてもらう、wwoofer受け入れシステムも、きちんと整えて運用されているなぁという印象でした。
担当してくれた方にはとても感謝です！

Earthsongと日本の繋がり

私たちがWWOOFサイト経由で連絡をしたところ、担当者の他に、2人からメールが来ました。

1人はワーホリ中の日本人。先ほど書いた、同時期にハウスシッティングをしていて、シェアハウスをした子です。
既にWWOOFで2週間、ハウスシッティングで1ヶ月滞在したことがあり、私たちの滞在期間にもいるよ！ということや、
Earthsongの事前知識を教えてくれました。
たまたま私の大学の同級生だったのは、すごいご縁！
お互い知らなかったし、共通の友達もほとんどいないのですが笑

2人目は、Earthsongの創設メンバーの1人。
「日本で講演をするから、日本の友人にこのポスターをぜひシェアして欲しい」とのこと。
日本で講演！？と驚きました。

先述したように、Earthsongには日本人の方もお住まいです🇯🇵
長くお住まいの日本人の方が、ロビンさんと一緒に、日本向けのオンラインセミナーをやってみたところ、反響が良かったとのこと。
参加した方たちが「実際に行ってみよう！」とEarthsongにやってきて、その方たちが今回の来日講演の実行委員会を務めたとのことです。

私たちもセミナーにオンラインで参加。
事前に知識をインプットしてから訪れることができたので、よりコミュニティ理解が深まりました。

今Earthsongに住んでいる日本人は、2家族と、男の子1人。その子はEarthsongで育ち、一度ご家族と一緒に日本に帰りましたが、やはりEarthsongに戻りたい、と1人戻ってきて、他の家族とルームシェアで暮らしているそうです。

日本で育ってニュージーランドに移住し、Earthsongで暮らしている方のお話を聞けたことは、とても良い機会でした☺️

いかにも日本！な空間で、鍋・揚げ出し豆腐・ひじきの煮物・手羽先をご馳走になりました。落ち着く…☺️🇯🇵

滞在してみての感想

"コミュニティで暮らす"
"コミュニティで子育てをする"
"コミュニティで野菜や果物を育てる"
というのがどういうことなのか、
実際に体験できたことがとても良かったです。

朝家を出て、朝ごはんに使う野菜を摘みに行くと、
誰かと出会って挨拶をする。

ちょっとコモンハウスに洗濯をしに行くだけのはずが、誰かと会って長話。なかなか帰ってこられない。笑

天気が良い日に、コモンハウスの外のテーブルでモーニングティーをとっていると、通りがかりの人に声をかけ、どんどん人が増えていく。

「今日はsleepoverしてくるね！」と中学生くらいの子たちが集まって、コモンハウスのティーンルームでお泊まり会をしてる。

いろんな瞬間を垣間見ることができました。

畑仕事のやり方が人によって全然違って、前の人がやったことに文句を言っていたり、
なかなかやるべき畑仕事が進まずに溜まっていたり、
大変な部分も見えました。

それでもやっぱり、コミュニティで暮らすというのは本当に素敵だなと思います🤝

人と関わりながら暮らした方がやっぱり楽しい。

帰国後に仲間たちと、私たちが作りたいコミュニティの形を、
たくさん話し合って、試行錯誤して、形にしていくのがとても楽しみです。

あたたかく受け入れてくださったEarthsongの皆さん、本当にありがとうございました！

▼Earthsong滞在を振り返った夫婦のpodcast🎙️
一緒に滞在していた日本人のワーホリの子に、ゲスト出演してもらいました！

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