仲間と共に地方移住 "co-family":選べる時代の新しい家族の形
ニュージーランドで夫婦でワーキングホリデー中の私たちは、帰国後に友人夫婦と一緒に地方へ移住することを決めました🌱
結婚相手は選ぶけれど、隣人を選ぶことはあまり意識しないかもしれません。でも、「遠くの親戚より近くの知人」という言葉があるように、生活において近くにいる人たちは重要です。
それなら、気の合う仲間たちと近くに住んで、一緒に人生を歩むのも素敵だと思いませんか?
私たちの考えは、家族と他人の間にもうひとつ「拡張した家族」のような層を設けるというものです。この考え方を “co-family” と名付けました。
"co" には、「共に」という意味があります。「共に生きる家族」として、家族の枠を広げるのが、"co-family"の考え方です。
石山アンジュさんが提唱する『拡張家族』のように、知らない人同士がシェアハウスで暮らし、家族のように支え合う考え方があります。
概念は近いのですが、私たちは心許せる大事な仲間と一緒に(元々知っている仲間同士が起点)、暮らす場所をみんなで選ぼう、と考えています。
「好きな仲間と一緒に暮らしたい」という願いは、実は多くの人が持つものかもしれません。でも、それを実現している人は、少ないのではないでしょうか?
どうしてそれが難しいのか、にも触れながら、私たちの描く “co-family” の暮らしについて書いていきます✏️
心許せる仲間たち
この生き方を考えたのは、共に人生を歩みたいと思える仲間たちがいたからです。
私たち夫婦は、友人が始めたゲストハウスで出会いました。そこを訪れる人たちが、ゆるやかにつながるコミュニティを築いていました。
オーナーの人柄のおかげか、本当に素敵な人が集まっていました。そして、そのゲストハウスで一緒に夜を過ごすと、なんだかすごく仲良くなるのです。私はこの仲間たちといると、ありのままの自分でいられました。
仲間たちと旅をしたり、東京で集まったりする中で、今のパートナー(当時は片想いの相手)と突然結婚が決まりました!いわゆる「ゼロ日婚」です💍
共通の友人が多いので、結婚後も仲間との時間を大切にしています。新居でホームパーティを開き、ゲストハウスの近くで手作り結婚式をあげました。
1年間ワーホリでニュージーランド生活🇳🇿という選択をしましたが、帰ってからも変わらずに会いたい人たちです。
ゲストハウスに集っているときのような、自然の中で大好きなみんなと過ごす生活がしたい。それを叶えてくれるのが、"みんなで移住" ・ "co-familyの暮らし"です。
私たちが描くco-familyの暮らし
まずは夫婦二組、四人での共同生活からスタートします。信頼できて尊敬できて、一緒に暮らしたら絶対に楽しい夫婦との暮らしです。古民家を共同購入しました。
みんなで食卓を囲み、季節のイベントをする。DIYをしたり、畑を始めてみたり、味噌を作ったり、やりたいことは盛りだくさんです。楽しみだなぁ。
将来的に、子育ても協力し合う話をしています。
子供にとっても、身近な大人が多いことが良い刺激になるはずです。家族以外の大人が近くにいることで、新しい価値観や趣味を身につけられるかもしれません。
学校とは違う「もう一つの居場所」としての役割を果たしてくれるでしょう。
「人生のフェーズ」という壁を超えて
大人になると、結婚や子育て、仕事などで友人と過ごす時間が少なくなりがちです。仲の良かった友人と会えなくなる「人生のフェーズ」の壁に直面しやすくなります。
でも、せっかく気の合う仲間たちと出会えたのなら、その後の人生も共に歩んでいきたい。結婚や子育てのフェーズに入っても一緒に過ごす"co-family" の暮らし方は、大事な仲間と共に人生を歩むことを、諦めなくても良い選択になるのでは?と思うのです。
とはいえ私たちも、「みんなで移住したい」という想いはありつつ、現実的には二夫婦で始めることになりました。まだパートナーが定まっていない人や、仕事の都合上東京にいなければならない人が多いのです。
でも、人生はまだまだ長いので、私たちが始めたこの形に乗っかって、引っ越してきてくれる友人たちがこれから出てくるはず!と思っています。待ってるよ、みんな!
理想の暮らしから、人生をデザインする
「地方に移住したい」と話すと、「仕事はどうするの?」とよく聞かれますが、私たちは「フルリモートで働ける職場を見つける」ことで解決しようとしています。
コロナも落ち着いてきて、出社推奨に戻している会社が多く、それほど選択肢は多くないかもしれません。
それでも、自分たちの理想の暮らしを諦めたくないから、それを叶えられる仕事を探そうと思っています。
幸せな人生を歩むための要素・人生における選択は、いろいろとあります。
・仕事
・家族(結婚/子供)
・居住地
・家
・趣味
・隣人/地域コミュニティ
幸せに生きるために、この中の何が大事なのかは、人によって違うでしょう。
日本では、仕事が中心で、それに合わせて他の要素をアレンジする人が多いと思います。職場に通える範囲で居住地を選び、たまたま近くに住んでいた人が隣人となる。趣味は仕事のない土日に楽しめる中で探す。
でも、これからはもっと、人生のいろんな要素を自分で選べる時代だと思うのです。
テクノロジーの発展のおかげで、どこでも仕事ができる職種が増えました。「最先端に触れるには東京にいないと」というような、居住地による情報格差もインターネットの普及によってなくなってきています。
co-familyは、"家族" の次に "隣人" を選んで、一緒に "居住地" を決めるという考え方です。それを叶えられる選択肢の中から、"仕事" については考えます。
何年後かに、こんな考え方が当たり前になってたらいいな。
ニュージーランドで出会った人の生き方
ニュージーランドで出会った人たちの生き方からも、感じることがたくさんありました。
自分の描きたい人生があって、その中で仕事を位置付けている人にたくさん出会いました。
「仕事に本気じゃない」という見方もできるかもしれません。そういう人もいるかもしれませんが、仕事について楽しそうに語ってくれる人もたくさんいました。かけた時間=本気度ではないと思います。
自分の生きたい人生の中で、やりがいを持って楽しく働ける仕事を選ぶ。仕事は決まった時間にガッと集中して取り組み、それ以外の時間は家族との時間やガーデニングなど、やりたいことに使う。きっとこの方が、仕事自体も楽しみながら全力で向き合えるはず。このようにして、全部の時間を充実させる。
これが私のありたい姿だな〜と思いました。
エコビレッジから学ぶ
ニュージーランドでは、エコビレッジ(環境にも人にも持続可能な暮らしを目指し、共同で生活するコミュニティ)にも滞在しました。
コミュニティで暮らすということを実体験できて、そこで子育てをした人や、育った子供から話を聞ける機会は貴重でした。
やはり人が集まれば、問題も起きます。それでも仲良く続いていくには、仕組みが大事だと感じました。
滞在したエコビレッジには、毎月のミーティング・部門ごとの取り組み・定期的にみんなでご飯を食べる機会など、うまく機能している仕組みがたくさんありました。
議論や意思決定の際に用いているカラーカードシステム(色のついたカードを使って、挙手の意図や、意思のグラデーションを表す)など、真似できるところは真似させていただきます。四人という少人数でのスタートでも、仕組みをしっかり作っていきたいです。
家選びの難しさ
目指す暮らしを実現しようとした時、ハード面の壁も感じました。
理想は、大きな土地の中に、複数の家があること。ニュージーランドで見てきたエコビレッジのような形です。
でも、土地を買って、そこに家を建てるのは、初期投資がとても膨らみます。そして、これから一緒に暮らす家族が増えるかもしれない、という変化にも対応しづらいです。
その地域に溶け込めるかどうか?を確かめる期間として、賃貸で始めることも考えました。しかし、自然の中の一軒家、かつ畑ができるような賃貸はあまり見つかりません。好きなようにDIYをしたいと考えると、購入の方が良いという話にもなりました。
購入という選択肢になったときにも、隣接する二軒がちょうど空き家になっていて、どちらも素敵な家。
…という理想的な状況には、なかなか巡り会えず。
最終的に、一軒の大きな家を共同購入して、一緒に暮らすことにしました。"はなれ"があり、お互いのプライベートも確保できる環境です。友人夫婦が1,500件にも及ぶ、本当にたくさんの候補を見てくれて、自然環境や周りの環境がとても良いところを見つけてくれました。本当にありがとうございます!
住み始めたら地域の繋がりもできてきて、近くの空き家を紹介していただくような機会も出てくるのでは。という期待を込めて、これから仲間たちが加わってくれる未来について考えています。
私たちと同じような移住の仕方を考える人が増えて、そんな人たちの家選びの選択肢が広がったら良いなぁと思っているところです。
どんどん移り変わる人生
数年前に新卒で就職した時には、東京に住み続け、その会社に長く勤めようとおもっていました。ところが2年くらいで、急に結婚が決まり、さらにその1年後には、夫婦で会社を辞めてニュージーランドに行くことに。
日本を経つ時には、帰国後どこに住むか決めていませんでした。しかし、帰国まであと3ヶ月の今、住む場所と、一緒に住む仲間が決まっています。
(早く住みたいなぁ。本来なら名残惜しいワーホリ終盤ですが、帰るのもすごく楽しみ🌱💚)
1年前には想像していなかったような、変化の多い日々がここ数年続いています。それは素敵な仲間と、最高のパートナーである夫に出会えたから。
半年後には、新しい会社に就職して、ワクワクしながら仕事に取り組んでいることでしょう。ガーデニングも始めてるかな?
東京の実家にしか住んだことがなく、
「いつか1年くらい海外に住んでみたい」
「将来は田舎暮らしがしたい」
ということを学生の頃からぼんやり考えていたのですが、この数年でそれが一気に叶います。
想像していなかった未来を歩んでいる今。
そんな私たちの未来は、どうなっているのか、楽しみで仕方ありません🕊️
自分の人生を、いろんな要素からデザインする人が増えますように。
そして、"co-family" の暮らし方で、素敵な仲間と共に人生を歩む選択肢が広がりますように!