NZ日記🇳🇿｜日本人捕虜がニュージーランドで射殺された、フェザーストン事件のこと

2024年9月25日 07:13

こんにちは。
ニュージーランドで夫婦ワーホリ中のゆうかです🇳🇿

第二次世界大戦中、日本人捕虜がニュージーランドに収容されており、そこで48名が死亡する射殺事件が起こったということを、知っている日本人はどのくらいいるでしょうか？

私たちも、ニュージーランドで1年間を過ごすと決めた日本人でありながら、この事実を知ったのはつい最近です。

収容所があったのは、フェザーストン(Featherston)という、首都ウェリントンから内陸に1時間ほど北上した街。

両国であまり語られてこなかったこの歴史に触れるため、収容所の跡地を見てきました。

フェザーストン事件の概要

フェザーストン事件について、詳細が記述された日本語の本があります。

私たちはニュージーランドにお住まいの日本人の方からフェザーストン事件についてお聞きし、こちらの本もお借りしました。

こちらの本で読んだこと、ネットで調べたこと、資料館を見てきた方に聞いたお話をもとに、フェザーストン事件の概要をまとめてみます。

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フェザーストンの捕虜収容所に収容されたのは、ガダルカナルの戦いなどで、アメリカ軍に捉えられた日本兵。

アメリカの同盟国であったニュージーランドは、アメリカ軍の指示で捕虜を受け入れることになりました。

対戦中、累計800人近くの日本兵が収容されたとのことです。

初めの方は、日本人捕虜と見張りのニュージーランド兵の関係も悪くなかったそうです。捉えられた日本兵の多くが農民出身の兵士たちで、ニュージーランドの農業労働に従事することが多く、収容所の環境に適応していたとのこと。

ただ、日本の職業軍人も収容されるようになったことで、状況が変わります。彼らは「日本人としての誇り」をとても大事にしており、捕虜としてニュージーランド兵の言いなりになる生活に抵抗を始めます。

敵兵のもとで労働をすることは、日本軍人としての誇りを失う行為だと、労働の拒否や抗議活動が増えていきます。

こうして日本兵とニュージーランド兵との間に緊張が走るようになってきた頃、事件が起きました。

ニュージーランド兵が警告のために銃を向け、それに対する日本兵の行動を反抗とみなしたため、発泡。48名の日本兵と、1名のニュージーランド兵が死亡する事件となってしまいました。

この歴史が語られなかった理由

日本でもニュージーランドでも、この歴史はあまり語られてきませんでした。それには双方の理由があります。

当時の日本の考え方では、捕虜になるのは「恥ずかしい」こと。敵兵に捕まるくらいなら自害するべし、という日本軍人の考え方が根付いていたため、捕虜のことはタブー視されて語られてこなかったようです。

捕虜になった日本兵たちも、その際の行動規範が存在しないため、どう行動すれば良いのかわからなかったといいます。

ニュージーランドとしても、自国内で、自国兵が発砲し、多くの捕虜が死亡したというのは負の歴史。戦後ニュージーランド国内ではこの事件について公に議論することが避けられたとのことです。

フェザーストンに行ってきた

日本人としてニュージーランドにやってきたからには、この歴史に触れておきたい。と、南島に行く前の南下ルートにフェザーストンを組み込みました。

ところが…
一番行きたかった資料館は、土日のみの営業😱

リサーチ不足でした。。笑

ここには捕虜として捉えられていた日本兵の手記などが展示されているそうです。

フェザーストンを訪れるチャンスがある方は、ぜひ土日に資料館を訪れてみてください！！

資料館の隣に地域の図書館があり、そこの職員さんに伺ったところ、関連する本をいくつか見せてもらうことができました。

そしてもう一箇所、収容所の跡地に記念公園があります。そこを訪れてみました。

日本語で書かれている追悼碑がありました。松尾芭蕉の句も。

「鎮魂」と刻まれた銅板碑は、フェザーストン事件で命を落とした48名に捧げるため、元日本人捕虜の皆さんが募金活動を行い、集めた資金をもとに作成したものだそうです。

また、唯一亡くなったニュージーランド兵1名を追悼する碑もありました。

隣には、桜ガーデン🌸
フェザーストン事件について知った住建NZの社長中本氏が、記念公園に隣接する土地を購入し、2002年に平和への祈りを込めてオープンしたとのことです。

ちょうど春の時期に訪れたので、桜が綺麗に咲いているのを見ることができました。

記念公園ではフェザーストン事件が起きた2月25日に追悼式典を行なったり、桜ガーデンでは2年に1度東京の男声合唱団がコンサートを行ったりしているそうです。

おわりに

こうしてあまり語られなかった歴史を知って、跡地に足を運ぶことができて、本当に良かったと思っています。

国と国との戦いとして歴史は語られるけれど、そこには一人一人の人間がいて、みんなその時代背景や国の状況の中で、必死に生きていたんだなということを感じました。（資料館で手記を読めたらもっと感じられていただろうけど…！！）

やっぱり人と人とが命を奪い合う戦争はもう二度と起こって欲しくないし、今も命の危機に晒されながら暮らしている人たちがいる事実には心が痛みます。

戦争の時代を生きていた人たちに想いを馳せると、自分が平和な時代、平和な国で生きていることに改めて感謝の気持ちを抱くことができる。そういう意味で、戦争の歴史を知ることは大事なんだなと思いました。

私はフェザーストンの話を聞いた時に、そんなことがあったんだ！と驚きましたし、あまり知られていない歴史だからこそ、知ることができて良かったと感じました。

なので、誰かがこのことを知るきっかけになればいいなと思って、この記事を綴ってみました。

フェザーストンに訪れる機会があれば、"土日に"資料館へ、そして、記念公園・桜ガーデンへ、行ってみてください！🌸

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