「ポテサラ論争」はなぜ勃発してしまったのか
「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ!」
とあるスーパーの惣菜コーナーで、幼児を連れた女性がポテトサラダを手にした際、近くにいた高齢男性から言われたセリフです。
これが今、Twitter上で波紋を呼んでいます。
このセリフに対する感じ方や捉え方は、人それぞれかと思います。しかし、この高齢男性の一言に対して、多くの非難の声が挙がっているのも事実です。
人それぞれ、自分のなかの「常識の範囲」は違います。これは組織においても同じで、各組織によって、「常識の範囲」は違って当たり前です。
その範囲に対して、分かり合えないと投げやりになったり、不平不満ばかりこぼしていては、事業成長からはどんどん遠ざかるばかりです。要するに、この「常識の範囲」を理解しようとするマインドセットは、組織づくりにおいて非常に重要な部分となります。
では、この男性の場合、具体的にどういった点が今回の論争の引き金となってしまったのか。
今回のポテサラ論争に関して、OGSが考える問題点を3点挙げてみました。
価値観の押しつけは、今すぐやめるべし!
まず1点目は、高齢男性の「自分の意見・価値観は正しい」という固定概念は今すぐ捨ててほしいということです。
「母親なら」という言葉自体、固定概念以外のなにものでもありません。特に現代社会では、共働き世帯も多いですし、男女どちらが料理を作ったっていいんです。
「母親なら」という文脈から、「女性は料理をして当たり前」という価値観が伺えます。
ポテサラ「くらい」という言葉に注意すべし!
2点目は、ポテサラ「くらい」という言葉が軽率であることです。
ポテトサラダを作ったことのある人ならすぐに想像できるかと思いますが、そもそもポテトサラダを一から作るのは、手間がかかってしまいます。ですので、ポテサラ「くらい」の労力で、料理できるものではないのです。
この高齢男性が、ポテサラを作ったことがあるのかないのかは分かりませんし、もしかしたら料理人なのかもしれません。手間がかかっても、簡単じゃん!って思っているかもしれません。
ただ、女性が幼児を連れている時点で、限られた時間をどうやって活用すべきか、一生懸命考えているということに対して想像力を膨らませ、相手の立場に立って物を言ってほしいと、心の底から思います。
自分では分かり得ない領域への決めつけをやめるべし!
3点目は、高齢男性と女性とでは、置かれている立場や状況が違うのに、決めつけをするべきではないという点です。
出産や育児を経験している女性の大変さを、男性は全て理解することはできません。逆も然りです。置かれた立場や環境が違う相手のことを、あたかも把握しているかのような態度や発言は控えるべきです。
人間は、自己正当化をしたい生き物ですし、自分の価値観が否定されると、ちっぽけなプライドや自己防衛反応が働いたりしますが、それでは残念ながら「成長」はできません。
成長が見出せなければ、市場における価値は目減りしていくばかりです。
視野・視座・思慮の幅を広くもつこと
3つの問題点を踏まえ、このような論争が起きないようにするためには、どのようにするべきか。OGSとしては、「視野・視座・思慮」がポイントになると考えています。
視野を広く、視座を高く、そして思慮は深くもつこと。それぞれの幅が広がることで、相手の「常識の幅」を理解しようとすることができますし、物事を広く、俯瞰し、そして深く考えることができます。
高齢男性が、これらの幅を広く持つことができていれば、咄嗟に相手を傷つけるような言動を発することはなかったと思いますし、相手軸に立って物事を考えられたのかもしれません。
これは、組織においても必要不可欠な要素です。
経営者であれば、目先の利益や業績に左右されることなく、冷静に俯瞰し、市場や顧客から何を求められているのか、また、現場メンバーはどのようなアイディアや意見を持っているのか、という観点から経営判断をすることができるでしょう。
メンバーであれば、目の前の業務だけに縛られず、内向きではなく外向き(相手軸)で「仕事」と向き合えるようになるのではないでしょうか。
そして、組織を円滑に回し、事業成長へと導くためには、変化に抵抗したり、自己正当化してしまうメンバーに対して、その考えは「自己保存から逆光している」という事実をきちんと伝え、方向性を正していくことも必要です。
組織のメンバーひとりひとりが相手軸に立ち、「視野・視座・思慮」の幅を広げることによって、より働きやすい組織づくりを目指していきましょう。
まずは組織を俯瞰してみましょう
ご自身の所属する組織において、「視野・視座・思慮」の幅を広げるためにも、「従業員のホンネと経営者のギャップ」を視覚化してみることは非常に重要です。
OGSではそのギャップが丸わかりになる「意識ギャップ調査シート」をご自由にダウンロードしていただけますので、ぜひご活用ください!
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