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長期的なテレワーク実践に必要なマインド(企業編)

テレワークと在宅勤務の違い?


日本では、テレワーク、在宅勤務、リモートワークは同じ意味で使われていることが多いと思いますが、イギリスの新しい働き方を提言するHoxby のブログに、リモートワークあるいはテレワークと在宅勤務は同じではないという記事がありました。

海外の企業では、そもそも子育て中の社員や、介護をしている社員、その他事情がある社員を考慮して(また、いつでも、誰でもそうなることもある前提で)在宅勤務に関する規定があり、比較的柔軟に運用してる企業が多く存在します。

ただ、在宅勤務の規定はあくまでも事情により、一時的あるいは週何日かオフィスに来るのが困難な場合、在宅勤務を認め、業務を柔軟に進行する為のものです。多くの人が活用をしているとはいえ基本はオフィス勤務となっております。

その為、長期的に業務遂行を複数拠点から実施することを想定しているというより、短期的あるいは一部メンバーの為のものという意識で運用されているケースも多いようです。

今回のコロナ禍によって、中期、長期的なテレワーク、リモートワーク体制に突入しましたが、短期的な在宅勤務マインドや視点ですと、長期的なテレワーク体制への移行は難しいとのことでした。

つまり企業および個人、双方で意識の改革が必要です。

個人では自己管理や自発的なコミュニケーションが重要、企業の方もそれぞれのメンバーが同時に働いている訳ではない状況に理解を示し、コミュニケーションルールの設定やロールモデルとしてのリーダーシップが重要とのことです。

上記に伴い以前、投稿した

でお伝えした外部人材とのスムーズなコミュニケーション構築のヒントも参考いただけるかと思いますが、今回は企業の視点を少し深掘りしてみたいと思います。


テレワーク・在宅勤務導入に必要なマインド、ステップ


弊社でも、3月後半から全社的に在宅勤務が開始されました。

弊社のメインメンバーであるキャリアコンサルタントなどは、比較的個人で動く事が多い職種なので、会社全体が在宅勤務に移行しても業務だけでみると大きな問題はないように思えます。

一方、一部のマネジメントに関わるマーケティングメンバーは、週に3-4日勤務いただいているアルバイトさんも在宅勤務になったことで、作業指示や業務管理が今まで以上に手間がかかるようになったとのことでした。

これまでアルバイトさんには、その場その場で依頼したいことを口頭で伝え、何かわからないことも都度聞いてもらうことで、稼働時間の中で業務内容を処理してもらっていました。

そんななか全社一斉での在宅勤務のため、当初同じようにアルバイトさんにもチャットツールで仕事開始の連絡をもらい、その日の指示確認をし、必要に応じてわからないことはチャットで聞くように指示をしていました。

しかし、対面かつ口頭ではすぐに終わる確認事項も、チャットとなるとお互い質問を書く、返信を書く、また質問を書く、それに対応・・・というループが発生してしまったようです。

顔を突き合わせていれば図解や、言語外のニュアンスを伝えることも簡単です。直接コミュニケーションのとき、いかに暗黙知に頼っている場面が多いのかを気づかされたのでした

しかし、最初こそそういった非効率なやり取りは続いていたようでしたが、最近は指示の仕方を工夫することで効率化を図っているようです。

具体的には、まずは今後1-2週間の全体業務を整理し、何をアルバイトさんに依頼したいかを事前検討、整理したうえで

1. 必要としているアウトプットイメージを先に説明する時間を設ける

2. 効率的な手順や躓きやすいだろうポイントをあらかじめ簡易マニュアルとして共有する


3. コミュニケーションコストに応じて通話、画面共有、動画などを使う

4. 毎朝ビデオ通話で進捗確認・質問タイムを設け、疑問等がすべて解消できている状態で業務を開始する


このような業務体制になって日も浅い為、まだまだ手探りが続きますが、それでもこういった工夫や慣れもあり、最近では質問のキャッチボールも減ってきているようです。

今後、テレワーク前提で事業を推進する場合、アルバイトやインターン社員であっても、今までのようにその日に必要な作業をその場で指示し、時間で管理するのは難しくなるでしょう。

作業系業務は完全にアウトソースに移行し、アルバイト、インターン、業務委託、正社員の切り分けは曖昧になっていくのかもしれません。

例えば正社員は採用せず、全ての人件費を変動費として、事業フェーズに合わせて、デザインしていくケースも一定数増えていくと思います。

いずれにしても、事業を推進する企業としては、これまでにも増して以下の点が重要になるのではないでしょうか。

・ゴール設計(言語化必須!)の重要性:
会社として事業部としてあるいはチームとして、何を成し遂げようとしているのか、成し遂げた結果どのような状態になっているべきかを明確にし、関わるメンバー全員で共有する。数値を用いて成功状態を定義することも重要です。

・柔軟かつ合理的な評価制度:
インプットした時間での評価は意味を持たなくなります。アウトプットおよびアウトプットがどのようにゴールに貢献したかで評価することになります。これまでの管理する発想のマネジメントでなく、予めゴールの共有、ゴールまでの道筋を立てるのがマネージャーの重要な役割となるでしょう。

・意識的なスキル向上機会の提供、創出:
各メンバーが自主的に業務に関わるには、企業として、必要なスキルを得る機会をこれまで以上に意識的に提供する必要があります。
そのため、今までのような先輩社員の側で見て(仕事を)覚えるタイプのOJTは今後減っていくと思われます。

その代わり、全ての人が役割を持って自主的に新しいプロジェクトに参加することで、仕事の幅を広げ、スキルを向上させる必要があります。企業としては、スキル構築の機会となるプロジェクト設計や、オンラインの学習機会の提供、上下関係以外のメンター制度など、複数の異なる教育機会を用意する必要があるでしょう。

・PDCA:
実施してみてうまくいかないことは、その原因を分析して常にスピード感をもって改善し進めていくことはこれからも重要です。

・ルールと脱ルール:
コミュニケーションに関する基本的なルールなどはテレワークの重要な要素です。また、最新のファイルをオンラインで共有する際に、複数マスターを作らないと言ったちょっとしたことも予めルール化してしまう方が良いでしょう。

また、各自がオフラインになる時はオンラインツールのステータスを変更しておくことで、対応できない時間であることを他のメンバーに伝えることもメンバー全員が実行することで、業務の遂行がスムーズになるでしょう。
但し、ここで重要なのは、全てをルール化しようとしないこと。

ルールは、最小かつ負担なく実施できるもの限定する。ルールが削ぐわなくなったら、ルールだからと拘らず、ルールを壊し、再構築する。但し、きちんと、その過程をマネージャーやリーダーがメンバーに示すことが重要です。


労働力の流動性、人材戦略、そして助っ人人材活用


全社レベルではないとしても、企業のテレワーク、リモートワーク導入、推進派は避けられない潮流です。物理的なオフィスで顔を合わせることで、お互いの進捗や状況を把握して、必要な業務を進めることができない以上(もちろん、それに変わるコミュニケーション手段の活用は必須ですが)、関連するメンバーがゴールを明確にし、何をしているかよりも何に向かい、また何故それを実施するかを強く意識して業務に取り組むことが大切になります。

そして、このマインドや視点を構築するには、自社のメンバーだけで実施しようとせず、外部の人材をあえて投入することで、より明確な目標設定や言語によるコミュニケーションの実践が可能になるのではないかと思っています。

是非、下記の記事も参照してみてください。

それではGW明けですが、体調管理にはくれぐれも気をつけてくださいね!

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