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SDGsを大衆のアヘンという『人新世の「資本論」』

環境保護や貧困対策などをめざすSDGsで満足してしまうのは「ごまかしだ」。資本主義社会の限界を説き、もっと大胆なシステムの変革が必要だ、という斉藤幸平先生の著書が30万部の人気を見せています。

きっかけはこのnoteから

SDGsについて調べていたときでした。

SDGsが「大衆のアヘン」って言い方をされるのは、地球が気候変動のせいでもう引き返せないほどの危機に直面している中、企業側が消費を促進させるよう、「SDGs商品だから大丈夫」と、大衆を安心させる精神安定剤のような役割をしているからです。

すごく説得力のある内容です。

この内容が #斎藤幸平 先生の #人新世の資本論 という本に書かれているとのことで、すぐに #kindle で読み始めました。

書き出しからこのように書かれています。

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#斉藤幸平 先生は ファストファッションやファストフードに代表される企業において、SDGsへの取り組みがうちは環境に配慮してますという免罪符となりPRにつかわれることより消費が加速してしまうのではないかということを危惧していると言っています。

脱炭素と経済成長の両立は幻想

第2章は、気候変動問題の現在の中核である #二酸化炭素削減 についても他方から苦言を呈しています。

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はて #気候ケインズ主義

斉藤幸平 先生は難しい言葉を多用します。

#グローバルサウス

#脱成長コミュニズム

#気候ファシズム

はじめてきく言葉や用語が多いです。

どれも斉藤幸平先生の造語です。

調べながら読むと内容がわかってくるという楽しみもあったりします。

第2章では、#資本主義 の限界を示しています。

 #脱炭素化 と #経済成長 の両立は「 #幻想 」だと言い切り、危機を解決する最善の道として新しい「 #脱成長 」論を提示しています。

資本主義システムから脱成長という選択肢

人類の経済活動が地球に与えた影響があまりに大きいため、ノーベル化学賞受賞者のパウル・クルッツェンは、地質学的に見て、地球は新たな年代に突入したと言い、それを「人新世(ひとしんせい)」(Anthropocene)と名付けた。人間たちの活動の痕跡が、地球の表面を覆い尽くした年代という意味である。

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#人新世 という用語は #地質学 の言葉であり、資本論は #経済学 における名著であり、解決すべき気候変動問題については #環境学 と、あらゆる知識がないと理解できない内容でいっぱいです。

わからない用語が出てくると、その用語を調べたくなります。用語を調べるとともに内容がわかってくると自分の理解をまとめたくなります。

「かつてカール・マルクスが、資本主義の辛い現実が引き起こす苦悩を和らげる「宗教」を『大衆のアヘン』だと批判したことになぞらえて、「SDGsはまさに現代版『大衆のアヘン』である」

冒頭の文章だけでも #SDGs が何かわかっていないと読みにくそうなので、SDGsについて自分が調べたことをまとめました。


また #カール・マルクス#資本論 の書かれた背景や資本主義が取り入れられてきた流れも前提として知っていないと読みにくいと思い、#資本主義 をめぐる #経済思想 についてもまとめました。

#脱炭素社会 がはじまるきっかけとなった #気候変動 問題の流れなどもまとめました。

利益を先取りした者のディストピアでいいのか

この本について刺激的なサムネイルで紹介している動画もあります。


学問でつかう難しい用語を多用しているので一回読んだだけではそれを人に説明しにくい内容であることはたしかです。

動画で見ても難しくかんじます。

#中田敦彦 さんの解説はわかりやすい方です。


中田敦彦さんは動画において、#人新世 とは地質学の用語で、人類が地球の生態系や気候に大きな影響を及ぼすようになった現在の時代のことを示し、 #資本論 はマルクスの資本主義批判の本のタイトルであると説明しています。

つまり #人新世の資本論 とは環境破壊の時代における資本主義批判という意味だとしています。

環境破壊をとめるには資本主義をやめるしかないというのがこの本の本質だといっています。 #脱成長 です。

解決策として 斉藤幸平先生は #脱成長コミュニズム という表現を用いてますが、中田敦彦 さんは、#コモンの民主管理 として紹介しています。

この発想は、水・電力・教育・医療といった公共財は市民が利潤追求せずに善意に基づいて運営しましょうとしています。

動画の最後において、市民のうちの3.5%による非暴力的方法で社会を動かすことができた例があるといっています。

このままの #SDGs#クリーンニューディール でいくと、 #クリーンビジネス をやろうとした企業やそれを先取りした国家だけが利益を先取りして、最終的に気候変動はとまらず、安全な施設や安全なエリアにそういう人たちだけが逃げ切って終わるだけの #ディストピア が待っていますよと続けています。

だから、我々は無力であるということを自覚したうえで、もう一度、勉強して声をあげてみませんか、と呼びかけてくれている本だと紹介して締めくくっています。

脱成長コミュニズムについて深掘り

斉藤幸平先生がマルクスの発想であるとした #脱成長コミュニズム については、こちらの動画を参考にするとわかりやすいです。

具体例として #バルセロナ をあげ、都市・市民レベルで環境や生命をまもるためのルールづくりをした新たな組織づくりをすることを提案しています。

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このままだと1%の富裕層が莫大な資産を使って生存できる安全なエリアに退避する #気候ファシズム時代 という未来が待っているといっています。

大島図解によると「コモン=社会共通資本」

#大嶋賢洋 さんの図解の解説もわかりやすいです。

本がどのような構成でどういうことを主張しているかを5分10秒まで図解で解説してくれています。解説のあとに #大嶋賢洋 さんの60年代、70年代に #カウンターカルチャー があったという経験則からの私見もあります。

#脱成長コミュニズム に出てくる #コモン という考え方を深掘りし #宇沢弘文 さんの提唱した「 #社会共通資本 」と同じことだと紹介してくれています。

オルタナ編集長のレビュー

#オルタナ 編集長・ #森摂 さんもこの著書を知ったのは「SDGsは大衆のアヘンである」という記述があったからだとはじまる同書の感想が興味深いです。

編集長は以下のとおりにまとめています。
1)いま各国政府や企業が取り組んでいる気候変動対策では地球温暖化を止めることはできない
2)温暖化を止めるためには、資本主義そのものを見直す必要がある
3)カール・マルクスの「資本論」の再解釈を通じて、「脱成長のコミュニズムを目指すべき」
――という流れです。

同書では、経済成長を達成しながら温室効果ガスの排出量を減らすという「 #デカップリング 」を否定します。

英国など欧州のデカップリングは認めているものの、「世界規模で見れば新興国における著しい経済成長のために、二酸化炭素の排出量は増え続けている」と主張します。

これについて、編集長の持論は「まだ答えは出ていない」とし、日米欧のノウハウを途上国に供与して、経済成長と温室効果ガスの削減を両立させることは可能だと考えているとのことです。

同書の特徴は、資本主義に代わるべき社会システムを「脱成長コミュニズム」と名付け「 #共産主義 」という訳語は使っていないことを指摘しています。

編集著は、いま若い人たちの間で、「新しい社会主義」への興味が高まっているのではと感じています。

1995年生まれ以降の「 #Z世代 」は、上の世代に比べてリベラル志向が強いというデータがあり、いま資本主義の在り方が大きく問われているとしています。

このまま格差など社会課題を放置していて良いのか。気候変動は緩和できるのか。『人新世の「資本論」』が20万部も売れるベストセラーになったのは、資本主義が孕(はら)む矛盾や課題に敏感になった人が増えたからではないか。

もし今の政治家や経営者が資本主義を守りたいのであれば、これらの問題を解決することが急務だとしています。

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2021/5/22追記

用語に #グローバルサウス 、#脱成長コミュニズム、#気候ファシズム を追加

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2021/5/24追記

大島図解によると「コモン=社会共通資本」 を追加

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2021/5/30追記

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2021/5/31追記 パウルクルッツェンの画像追加





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