【目印を見つけるノート】644. 雪のあしたにちょっとアツくなってみる
雪の明けた朝、雪かきが腱鞘炎のためやや不十分😅
なかなか壮観の雪景色でした(きのう)。
きのう、調子に乗って写真を撮っていましたがやはり難しいですね。グレー寄りの白。
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新しい連作のとっぱじめ2話分の更新予約を済ませました。11日にスタートでそこは概ね見直しが終わったということです。ホッとしてはいませんが、始まったなと感じています。
来週の公開に向けてゼンマイを巻いています。
通しての語り手をまた、高名で偉大な先達にお願いしてしまったので武者震いですね。
さて、ここからは自分への確認事項のようなものです。面白くなかったらとばしてくださいませ。
歴史を書くのはとても楽しいのですが、それなりにプレッシャーはあります。第一のプレッシャーは登場する人です。実在の人物ですので、最終的にその方々が「まあ、いいだろう」というほどのお話にしないと立つ瀬がない。
例えば、平将門の話を書くとしましょう。史実を調べるのはもちろんですが、その後の伝えられかたも十分に考慮する必要があります。当然神田明神はじめゆかりの地も巡った方がいいですし、源平のバックグラウンドについても思考を広げた方がいい。小説なので多少の飛躍はあると思いますが、通り一遍のことしか書けなければ……なむさん、です。
なむさんを回避するのが第一😅
これまで、
生き残ってきたのにあっけなく殺められた平家の御曹司、
自分の土地を取られることに抵抗した豪族の一勢が掃討されるありさま、
重すぎる年貢の軽減を願った農民が無惨に殺される顛末、
宴に呼ばれて皆殺しにされた名族、
戦で味方に蜂の巣にされた200人の隊ーーなどの史実を書いていますが、これらを面白半分に書くことはできません。
犠牲になった方々への深い敬意がなければ、
因縁をまるっと飲み込んでも、埋もれさせずに遺す気持ちがなければ、
とても自分には書けるものではありません。
私はもともと、そのようなことが大嫌いなのですが(苦笑)。
屈原みたいですね。
第二のプレッシャーはその登場人物を育んだ土地です。地理的な整合も、話し言葉もそうです。現地の方が読んで「まあ、及第点だろう」というほどにしないと立つ瀬がない。
例えば、鎌倉幕府ではどんな言葉を使っていただろうと考えます。「いずこにかあるらむ」と言っていたでしょうか。そこを突き詰めると古文体にしなければなりません。それでは原史料に戻ってしまいます。鎌倉幕府でいえば、源頼朝や大江広元は京ことばのネイティブだったでしょうし、北条・伊東氏は伊豆、挙兵に参じた関東武士の面々は上州から相模までさまざま。実際に土地の言葉を使うかはともかく、言葉のバックグラウンドからして違うのだという前提を置くことはお話を書くとき無駄にはならないです。
他にも、プレッシャーはいくつかありますが、上の二つは突出していますね。普通は賞に応募したりして一等賞でなかったものはお蔵入りになるのだと思いますけれど、そのような場合も結局焼き直したり構成を変えて公開しています。作品や自分のいたらなさは置いて、書いた方々だけはお蔵入りにしたくないのですね。
お、アツく書いてしまいました。
そのようなテーマがたくさんあって、生きているうちに書ききりたいのです。ですので、「なぜ書くのか」とか「どうやって有名になろうか」ということはあまり考えていないのです。
あ、
お金をそれで稼げるようになれたらいいなとは思うのですが、今はポートフォリオを増やしていくばかりかなと。
公開しているものは、ポートフォリオです。
このデスクでパタパタ書きたいなあ。
値段ではなくて、そうできる環境がほしいということです。
ちょっとアツくなったので、
アツい曲を。
ウルフルズ『笑えれば』
いつも途上だという気持ちがあります。
折れ線グラフのようではなく、地図の道のようなものでしょうか。アップダウンがあって、広い道も狭い道もあって、ときどき思ってもいないような素敵なものに出会える。
そう思っていられる自分でいたいです。
それでは、お読みくださってありがとうございます。
尾方佐羽