【目印を見つけるノート】1304. 文学館のハシゴで考えたこと
時系列がごちゃっとなりますけれど、
昨日アオスジアゲハがこちらに来てくれました。ありがと✨
さて、一昨日行った、
横浜・港の見える丘公園の話の続きです。
公園内には『大佛次郎記念館』と『神奈川近代文学館』、文学にまつわる施設がふたつあります。昨日のnoteで写真をお出ししたように庭園だけでも十分素晴らしくて、デートで来たいと思ったのですが、それは別の機会に😅
まずは『大佛次郎記念館』へ。
建物を見ただけで「ああ、猫がお好きだったんだ」と分かる像があります。館内は撮影できないのですが、もちろん中にも猫の写真や絵やグッズなどがたくさんあります。素敵な洋館で、「お邪魔します」と思いつつ入りました。
入場料は通常大人200円(何て有難いこと😭)なのですが、訪問した一昨日はハロウィーンの仮装をした人が無料👀‼️でした。粋なヨコハマ⚓スタンプラリーもしていて、Trick Or Treatのお菓子ももらえるという、お子さんには垂涎のイベントです。
どうりで仮装している方がとても多かったんだと納得。
「オレンジ色のパーカーですから、仮装としましょう」ということで、私も通していただきました。カボチャでも持っていけばよかった。
もとい、
ここは前から来たかったのです。大佛次郎さんの著作をあまり読んでいないのは書いておかねばなりませんが。
「ガーッと読みたいな」と思うけれど最初の一歩が踏み出せない著者さんて、いますよね。私はたくさんいますが、大佛さんもそのような捉え方をしています。
今期の企画展では、大佛さんが戦時中南方(東南アジアになるかな)を約3ヶ月、公的な視察で訪れた記録と写真を紹介しています。戦時中の色が濃いのかなと思うとそうでもない。マラッカでザビエル教会の写真も撮られていたりして(私にはたいそう新鮮でした。実物見たい😭)、視点が「作家」なのですね。もちろん、あの時期のこの国ですからそのような空気は皆無ではないですけれど、ご自身の視点というのをお持ちなのだなというのが分かりました。
常設展示の方はハロウィーン目当てでなくとも垂涎でした。作品の原稿用紙の数々……編集者の方が朱入れしているのもリアルです。このような手書きの原稿は、なかなかそのまま残せないのですよね。作家さんがご自身で修正するのもありますし、昔ならば写植に回すのに指定しなければならない。最近は組版指定を直に手書き原稿に入れることはないでしょう。手書き原稿じたいがないですから。
私はちょっと、反省しました。
雑誌の編集をしている頃、エッセイでいただいた著名人の方の手書きの原稿に遠慮なく朱入れをしてしまったことを。その後他界された方も多くいらっしゃいます。ご遺族にお渡しするとか、有用な方法があったのに……。
大佛さんは今でいう時代小説を書かれていましたが、畢生の作として目指していたのはそこではありませんでした(それは何となく……)。展示されているものを時系列で見ていくと、それがくっきりと見えてきます。私はその道筋にワクワクしました。たいへん図々しいのを承知の上でいえば、梁山泊の先輩に会ったような気分になったのです。
大佛さんが作品の資料を求めてフランスに行かれたとき、あまりの収集ぶりに、「フランスにある資料を全部持っていく気か」と現地で言われたそうです(見た内容のうろ覚え)。そうです。ワクワクするのはそういうところなんです。他人とは思えない😅
と、ワクワク興奮したまま絵葉書を2枚買って(入場料とイーブン)記念館を出たのでした。
資料室で本が読めるそうなので、また朝からゆっくり再訪します✨
そして『神奈川近代文学館』へ。
こちらでは現在『没後30年 井伏鱒二展 アチラコチラデ ブンガクカタル』が開催中です(11月26日まで)。
https://www.kanabun.or.jp/exhibition/18737/
太宰治さんの入院に際して、井伏さんが佐藤春夫さんに宛てた手紙が初公開ということで、ニュースにも出ていました。
それが目玉かな。
展示は時系列かつテーマごとになっていて、どこから見ても自由ということでした。私は昨年、『ふくやま文学館』で井伏さんの世界にどっぷりと浸ってきましたので、もう、「追いがつおだし」ならぬ「追い井伏さん」状態で見て回りました。
noteにもいくつか書いています。
『黒い雨』について。
『ふくやま文学館』に行った話。
お住まいのあった荻窪界隈に行った話。
とまあ、書いていますがやはり見ていないものですね。私は井伏さんのご実家の町をよく把握していなかったのです。それが分かって「暗愚じゃん、私」と反省しました。
反省を込めて、さっそく加茂村の太公望の話を『福山ご城下開端の記』に追加させていただきました🙏
井伏さんのご先祖は地域の地主さんだったそうです。
ひとつ、気づいたことがありました。
原稿用紙を多用されているのです。
小説の原稿だけでなく、手紙もときには原稿用紙に書かれていらっしゃる。それだけ、原稿用紙という紙が身近にあったということでしょう。
私はもう、原稿用紙を持っていないなあ🤔
自分の手でものを書くということをじきに忘れてしまうかもしれませんーーというのは常々思っていますので、日記をnoteとは別につけはじめています。あとは紙のノートを何冊かランダムに。励みになる言葉、自分の計画、小説のテーマ、製作メモ、資料用ノートetcですか。スケジュールはもちろん。全部パソコンやスマホでもできますが、手書き。ミケランジェロのようにきれいな文字ではないですが、それはそれ。
今は違うと思うのですが、小説家および著述業というのは「原稿用紙にじっくり向き合って手で書いていく」人がなれた職業のように思うのです。一言でいえば根気のある人ですね。もちろん滝澤馬琴のように晩年は目の具合で口述筆記になる人もいますけれど。
頭の中にあるものを書くなかで、さらに考える癖のついている人に向いているのではないかと、そのような思いも強くして、建物を後にしました。
ふたつの、ふたりの作家のお仕事を見て得たものはとても大きかったです。それをすべてここには書けませんが、いくつか挙げましょう。
ひとつは大衆小説と純文学というくくりについて。私、これはいまだによく理解していないのですけれど、大衆小説というくくりになっているものは少し扱いが低いようにも思います。そこにはいろいろな内容があって、ものすごく調べて念入りに書き込んでいるものもあります。フランスにある資料を全部見ようというのは、その最たるものですね。それなのに、文学とはなかなか言われることがない。
文学って何だろうとふと思ってしまうのでした。
あとは、歴史小説というくくりについても少し考えます。
歴史を書く作家は古今東西いらっしゃいます。有名なところではスタンダールも書いています。ゲーテのイタリア紀行をパラパラ見ていますが歴史紀行です。でも、彼らは世界的に有名な文豪ですね。
ああ、忘れていました。シェイクスピアは大半が歴史です。世阿弥も歴史を背景にしたものが多いですね。
海外には伝記作家と呼ばれる方もいて、シュテファン・ツヴァイクやジュール・ミシュレなどはその範疇でしょう。
えーと、小説区々でテーマが歴史を題材にしているということで、特に珍しいことではないですし、文学としてみなされていることも多いと思います。
思えば、大佛さんも井伏さんも、その辺りのくくりは柔軟に捉えていらっしゃったように思います。そうですね🤔、逆に当時はきっちりしたくくりは今ほどきつくなかったのかもしれません。
ちょっと分からないですね。
現在もたくさんの小説が溢れています。
今のものが最高で、昔のものはアーカイブ行きというか🤔……文庫になっている定番のものにしか触れられないのかもしれません。でも、昔のものの上に今があるということは強く感じましたし、もっともっともっと知りたいなって思いました。
いいものが山のようにあります。
ですので、12月の鼎談イベントに即申し込んじゃいました😆決めたら行動は早いです。
いずれにしても、自分の書いていく指針にもなる、いい人生を拝見させていただきました。
さて、今日の曲です。きのうから?女性アーティストをピックアップしています。
Julia Jacklin『Love,Try Not To Let Go』
Juliaはオーストラリアの女性シンガーです。ブリトニー・スピアーズに影響を受けたということですが、演奏も声も何か、とても心地いいのです。聴いていて落ち着くというのか。オルタナティヴ・カントリーと呼ばれているそうですが、まあ、ジャンルはいいのかな😅心地いいというだけで。
今夜は彼女を聴きながら眠りたいと思います。
それでは、お読み下さってありがとうございます。よいハロウィーンを🎃
尾方佐羽
追伸 行く方はもう決めているのです。
ここからはこれまでとはかなり変わっていくと思う。
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