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【目印を見つけるノート】1659. 江戸の上水をうかがい知る

きのうは暦にえびす講と書いてあったので何気にキャプションしましたが、もうちょっと書いておけばよかったなと後から反省しました。

きのう行った新宿歴史博物館の常設展で『商家の年中行事』という展示と案内がありました。案内にえびす講のときの食事がズラリと書いてありましたが、恵比須さまへのお食事が素晴らしく豪華でした。満漢全席とはいいませんが、フルコースといった感じです。それを見て、恵比須さまがどれだけ大事にされていたのかというのを初めて知りました。

常設展の撮影可の部分、恵比須さま

恵比須さまに10月20日(旧暦)、お食事を振る舞うのは、神無月で神様不在のときに出雲でないところの留守を守ってくれるからです。出雲では神有月ですものね。その恵比須さまに、お礼をするのが昨日(旧暦なのでちょっと違いますが)だったのです。

そうでしたか……。

話の順番がいろいろ前後しますが、
きのうはお初の新宿歴史博物館に行って講座を拝聴してきました。今博物館でやっている企画展『江戸の水道 玉川上水』の関連イベントとして、連続3回の歴史講座が開かれています。きのうはその1回目で、「江戸上水と『上水記』」(東京水道歴史館・金子智氏)の講座でした。

おもしろかったです。

はじめに江戸の上水から玉川上水の成り立ちまでの解説がありましたが、これがなかなか曲者です。「玉川兄弟が頑張って築いた」だけではない、いろいろな要素がありました。
そもそも前の段階で江戸に上水(水道)ができたのはいつだったかというのも確定的ではないのです。元々は神田明神と山王神社の池の水を引くものだったとか、神田上水は慶長末か元和頃にはできていただろうとか、溜池上水が大きな役割を果たしていたとか、玉川上水の建設時の進捗とか、説があっても事実として検証されていない話が多いのです。神田上水が明治34年まで使われていたなど、後のことは分かるのですけれど。

それは資料が少ないのが理由です。あってもだいぶ後に書かれているのでやや不確実だなと。
それに気づいたのが、幕府の普請奉行(上水方・道方)に就任した石野広通でした。佐渡奉行も担った有能な幕吏です。
さて、
着任したところ幕府内にも上水について通しての記録がなかったようで、
「ダメじゃん👀‼️」となりました。
それが天明8年のこと。そこから3年かけて、『上水記』を書き上げたのです。今でいうならアーカイブズ兼完全実務マニュアルでしょうか。江戸上水の概要、玉川上水と神田上水、流路の地図、歴代の担当者や料金などよくまとめたものだと聞いていて感心します。
さらに感心したのが「これはあくまでも実務担当者のためのもの」としたことです。1部は将軍、もう1部は老中、3部めは上水方、それで下書きを著者が持つという、行き先のパッキリ明確なこと。金子氏によれば、将軍献上分は欠本があるものの残っていて、老中分は行方知れず、上水方の分は明治に変わっても水道局が大事に大事に保管して今日まで(箱も)残っているそうです。すごい😆⤴️

と、知らないことばかりでとても面白い講座でした。

聞いてから企画展示を見て回りましたが、木樋(もくひ、木製の水道管)も、水をきれいに使おう的な高札も、水路の地図もたいへんリアルに観覧することができました。
例えば、
四ッ谷には大木戸という、上水に蓋をするポイントがあって、そこに水番人が住み込みで水の管理をしていたそうです。芥留(あくたどめ)という柵に引っ掛かったゴミを取る仕事は想像できたのですが、ひとつだけギョッとしました。
流れて来た水死体の処理もするのだそうです。
ぎょえー😱😱😱😱いやあああ😭

と、道中不思議なエアポケットに入りもしましたが、こちらではたいへん楽しい時間を過ごせました。恵比須さまにも、ありがとうございます。

四ッ谷駅脇のエアポケット?ここもハケ(崖)だなあ

この前は現在の下水道の水処理についてお話を伺ってきたのですが(記事は改めて)、今度は江戸の上水です。水道の専門家を目指そうかぐらいの勢いですかねえ。
これは自分にとって、武蔵野の「川」について習う一環です。それに、江戸の地理や風景を知る一環でもあります。水道も「川」のひとつの形態だという考えになってきていますが、それに沿って地道に学んでいきたいです。

そして、「川」もまた武蔵野のほんの一部ですので、ここからまた広げていきたいです。

The Doors『Yes, The River Knows』

The Doorsには美しい曲もあって、この曲はそのひとつです。高校時代の後輩は「ファイヤァアア~」とよくジム・モリソンのシャウトを真似していましたが、それだけではないのだよ、Eくん😏。そういう面もあれば美しくて涙が出るようなものもあるのさ。
それに気づいたら、ドアーズ好きになるかもしれません。

それでは、お読み下さってありがとうございます。

尾方佐羽

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