外国人採用の2つのハードル 外国人労働者≠安い労働力ではない。
いまだに外国人労働者は「安価な労働力」というイメージが根強くあるような気がします。結論からいうと「日本人を採用するよりコストがかかる」ため、決して安価ではありません。
そのため、外国人採用には2つのハードルが存在しています。一つ目はコストの部分、二つ目は、そのコストに対する考え方の部分です。
一つ目のコストの部分について「特定技能」と呼ばれる資格を持った外国人を採用する場合を仮定して考えてみます。
例「特定技能」の外国人を雇用する場合
A 賃金について
日本人と同等以上と決められていますので、賃金だけでも日本人と同様の予算が必要となります。
B その他費用
そしてこれは企業ごとに定められており、中には企業が負担する必要がないものもあります。しかしながら多くの企業が働きやすい環境を作るために導入しています。その一例です。
入国時の渡航費用、ビザの申請費用、家賃の初期費用、家賃補助、光熱費補助、その他家具家電など
さらに、特定技能では義務的支援を行うための支援費用が必要となります。
こららの支援は委託することも可能ですし、自社で支援体制を整えることも可能です。
どちらにしても費用や労力はかかります。
C 支援費用(登録支援機関の平均25,000円〜)
※建設業の場合は、プラスで受け入れ負担金がかかります(JACへ)
簡単に費用を出しましたが、日本人より費用がかかるということをなんとなく感じていただけたのではないでしょうか。日本人を採用する場合はAだけで済みますが、外国人を採用する際はプラスαの費用が発生します。
様々なコストが発生するため
安価な労働力ではなく、むしろ高価な労働力だと思います。
そして、二つ目のハードル、コストに対する考え方です。
上記の内容を見て想像以上にコストや費用がかかることを知り、採用を見送るという判断をされる方もいます。
この場合、何がハードルになっているのかというと、人手不足を補うという視点に立った考え方そのものです。現状を見て、日本人では補えなくなったから外国人を採用しようといった考え方では費用のかかる労働力を採用することにはつながりません。
コストをかけても労働力を補うことに抵抗が無い、そのような経営判断をさえるのは稀な話です。担当者では費用感に少なからず抵抗を感じます。
外国人の採用の価値は、目先の労働力不足の解消ということでもありますが、これは本質的ではないと感じています。日本人のアルバイトを探した方がマシです。
中長期的な視点に立ち、組織文化を作っていくこと、
異文化との融合でこれまでにはない未来を作っていくこと、
同質化していく組織に「異」を入れて変化を起こすこと、
これらが外国人を採用する本当の価値ではないかと感じています。
目先の労働力不足の解消に加えて、
これらのイノベーションを視野に入れた予算ということであれば
お得な投資となるのではないでしょうか。
外国人採用は安くありませんので。