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収穫でまなぶ原体験のグラデーション

昨日、仕事先の成田の農園さんのNOLANDへ幼稚園の友人や仕事仲間の白石夫妻とブルーベリー狩りへ行ってきました。

炎天下の猛暑日で、しかも昼間の日中だったので大人も子供も汗だくでしたが、無農薬で育てられたブルーベリーを摘みながらの収穫体験。サービスで畑になっているピーマンやナスやカボチャも収穫させてもらいました。

実際に食べ物ができているところを見て、とって、食べる。

当たり前に思える行為なのですが、現代では食べ物はスーパーやコンビニで買ったりレストランやファミレスやファストフードなど外で食べるものになっていますよね。

こうした収穫体験のような、一見すると原始的な行為が今では逆に贅沢なことになりつつあり、なんだかちょっと変な感じもします。

都内の市民農園なんかは高倍率で抽選に当たらないと使えなかったりするし、畑を耕したり収穫したりという行為がもはやエンタメ化している。

これから高齢化と後継問題などで一次産業の生産者が減っていけば、ますますこうした体験はお金を払わないとできない事になっていくのかもしれません。


こどもの学びに大切なこと

子供が産まれて、実際に色々なことを教えたり一緒に考えたりする中で、幼児教育を調べて少し勉強していた時期があります。

また、子供が産まれる前の話ですが、ご縁があって「まちの保育園」の松本さんと一緒にデザイン学生向けのワークショップをやった事もあります。

その時に、まちの保育園が参考にしている幼児教育方であるレッジョ・エミリア・アプローチについて調べて学んだり、世界の幼児教育方のシュタイナー教育、モンテッソーリ教育などをザックリと体系的に調べました。

そうして現在、うちの娘たちは森のようちえんという所に行かせています。

たまたまうちの近くで先端的な教育方法をやっているところがあった、というタナボタ的な展開でご縁が繋がり通わせているのですが、結果的にはとても良かったと思っています。

それは、色々な幼児教育方法を調べた中で、いくつかの共通項があったからです。森のようちえんでは、その価値観が大切にされていたのです。


豊かに物事を知る、とは何だろうか?

世界で良いとされている幼児教育方法のスタンダードは全てヨーロッパ圏のものなので、あくまでも現時点で豊かな人間性を育むことができるとされている方法です。それを念頭に置いた上で、いくつかの共通項を見つけました。

1つは、子供を自立した一人の人間=小さな大人として尊重して扱うこと。

もう1つが、原体験のグラデーションを持たせること。つまり、物事を知る大切な時期にできるだけ豊かな学びの機会を作ってあげること、です。


豊かな学びの機会、と言われてもわかりませんよね?

例えば、リンゴというものを知ろうと思った時を考えてください。

「リンゴ」という言葉と一緒に、絵や写真を見せる。これがいわゆる絵本や図鑑で教える学習方法ですね。

さらに一歩深めると、リンゴのレプリカ=おもちゃを与える。映像を見せる。

もう一歩進むと、リンゴの実物を持ってきて、実際に触ったり匂いを嗅いだりしてみる。

ここからさらに、リンゴを切り分けて実際に食べてみる。絞ってジュースにしてみる。BBQで焼き林檎にしたり、ほっておいて腐らせたりカビがはえたり、オーブンでドライフルーツにしてみたり、シロップに漬けてみたり。。。

もっと豊かなリンゴの体験をするならどうでしょう?

実際にリンゴのなっている樹木から収穫をする。さらにいえば、種をまいて、芽が出て、育って木になって、実ができるまでを体験する。

これが、学びのグラデーションです。

なるべく段階を広げて、より広いアプローチで世界を紐解いていく。

世界の良いとされている幼児教育を見たときに、この学びのグラデーションを持たせるというのは共通して大切にされていました。



大人にだって豊かな学びが必要かも

学びのグラデーションこそ豊かに世界を知ることである、と思ったときに、じゃあ自分はどうだったのかを思い返すと、ずいぶんと浅い勉強をしてきたと反省します。。。

いわゆるお受験世代でしたし、ゆとり教育になる前の詰込教育世代でした。知識は教科書で学んで暗記するだけ、というパターンも多かったです。

今、自分の娘たちが森のようちえんに通い、さらにこうして収穫体験などを通じて物事を学んでいく姿を見ていて、とてもうらやましく感じました。

今ではGoogleで検索すれば体験せずとも情報は溢れていて、Youtubeで早回しの動画でリンゴが種から樹になるまでも視聴できます。

でも、そうして得た知識と、実際に収穫して味わっている体験を通じた知識と、どちらが豊かな物なのかは考えなきゃいけない気がします。

便利さと、豊かさは別物なのかもしれません。


ブルーベリーを収穫している時、ハチが葉の裏側に巣を作ろうとしているところに出会いました。

そして、ハチが巣を作ろうとした樹のブルーベリーは、他の樹のブルーベリーよりも一段と甘くて美味しかったのです。

こうしたイレギュラーな体験も含めて、自然で得られる情報の複雑さは、教室の中で効率的に知識を学ばせることでは得られないものです。

子育てをしているようで、子供と一緒に親である自分もたくさんのことを学ぶ日々。豊かな学びのグラデーションは、大人にとっても貴重な体験で、何歳になってもまなぶことは人生に彩りを与えてくれるのかもしれません。


※本日は投げ銭オマケ記事はお休みです。
祝日も読む人も減るので、おまけ記事はナシで思いついたネタを即興で書いたり、ゆるい家族ネタや趣味ネタでとりとめもなくだらけるパジャマスタイルいきます。

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こどもたちが作っていたオリジナルドリンク。ペットボトルのフタをピーマンのヘタで代用するという工夫に、クリエイティビティを感じた父なのでした。

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