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『お金に対して、興味を持とう!!⑥』



第一章: 【世の中の日本国民は、騙されている!!】

 昨年の衆議院議員選挙の時期、池袋に遊びに行った時の話だ。ある左翼系の党の議員が演説をしており、「アベノミクスにより大企業の内部留保が130兆円も増えました。さらに大企業は法人税が減税されているにも関わらず、利益を従業員に還元する事なく貯め込み、巨額の内部留保を積み上げる結果となりました。」

  この内容に違和感を覚えたのは僕だけだろうか?まあ左翼系の人達が言う事だから本当は分かっていながら真実を捻じ曲げて言っているだけなのか、それともよく分からないまま言っているのか、よく分からない。簿記を勉強した事がある人なら、この左翼系の議員の演説が間違っている事にすぐに気が付くはずだ。

  僕は今現在、この国が直面している様々な危機の中で、特に日本の財政危機に直面している問題に国民が踊らされている事に危機感を感じている。ここで多くの国民が、日本は国債の残高が1000兆円あって、国民一人当たり800万円の借金を抱えているのではと思うはずだ。しかし、国債の事をよく勉強してみると、これは間違っていると分かる。このことに関しては、いずれ書きたいと思っているが、これを理解するに当たり前提となってくるのが簿記の知識である。簿記が分かっていると、昨今の投資ブームがより面白くなり、実際にやってみようという気持ちにもなる。そして、左翼の人達が言っている間違いに気づき、正しい目で日々のニュースに接する助けにもなる。

 僕はこのnoteにお金をテーマにした記事をいくつか書いて来たが、書いていている時にワクワク興奮する気持ちになり、記事を読んでくれた人が反応を示してくれると、簿記を勉強していて本当によかったなと感じる。そこで、このnoteの中で簿記に関する記事を一つのカテゴリーとしてまとめ、そこに共感・興味を持ってくれる人を集めたいと考えている。つまり、「一億総簿記学習社会」を作りたいと考えている(笑)。かなり大胆な事を言っていると思えるが、僕はこの国の行く末を心の底から案じている。だからこそ、僕が出来る事を少しでも取り組んで行きたい。そんな気持ちでこの記事を書いている。

第二章: 【簿記が分かれば、真実が見える!!】

 では、最初に戻ろう。なぜ左翼系の議員の言っている事がおかしいのか。簿記の観点から説明して行きたいと思う。この簿記の仕組みが分かれば、左翼系の議員がいかに我々国民に間違った事を言っているのかが分かってくるはずだ。

  企業の財務状況を知るには、財務諸表を見ればすぐに分かる。財務諸表は主に「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3つで構成されている。その中で、「貸借対照表」が企業の財政の状態を示す表になる。以前僕が書いた記事で「お金に対して興味を持とう⑤」で内部留保について書いたが、意味がよく分からないという方もいらしたので、もう一度説明したいと思う。

  下記の貸借対照表の図をよく見て欲しい。貸借対照表は、左の欄を「借方」と呼び、右の欄を「貸方」と呼び、必ず合計金額が同じで左右対称になっている。


 まず、左側の赤い欄の借方は「資産」の部分を指す。つまり、資産は会社が所有する財産(現金・株式・債権・土地・建物・車両・製造する為の機械等々)だ。右側の青と緑の欄の貸方の部分は、「負債」「純資産」の部分を指す。負債は会社が借りている借金(商品を仕入れた際にまだ支払っていない未払いのお金である買掛金や未払金と言った債務・銀行からの借入金・社債等々)、つまり他人からお金を借りる借金の部分だ。これら負債を別名「他人資本」と呼ぶ。借金なので貸してくれた人に最終的には返さなくてはいけないからだ。借りた金は必ず返す、当たり前の事だ。最後に「純資産」だ。ここが非常に分かりにくい。資産や負債は中身を見ればすぐに分かるはずだ。しかし、純資産の項目を見ると(資本金・利益剰余金)とよく分かりにくい項目が並んでいる。資本金は、会社を設立するに当り自らが用意した資金、あるいは株主や投資家といった出資者が用意した資金の事である。つまり、ビジネスをする上での元手金の事を言う。では、利益剰余金とは一体何なのか?利益剰余金とは、今までのビジネスで稼いできた利益の累積だ。つまり、企業が毎年利益を出し続ければ、その稼いだ利益は利益剰余金という項目に蓄積されていくのだ(もちろん稼いだ金額全額が蓄積される場合もあれば、そこから株主への配当等が支払われたりして全額が蓄積されない場合もあり、それぞれの企業毎の決算書の株主資本等変動計算書を見てみて欲しい)。資本金は基本的に動かない項目、利益剰余金は利益を出せばそこに蓄積されていく項目だ。これら純資産をまとめて別名「自己資本」と呼ぶ。

 ではもう一度、上の貸借対照表を見て欲しい。左側の「資産」と、右側の「負債・純資産」は9500億円と金額が一致している。これが貸借対照表の面白いところで、左右の金額は必ず一致する。では、なぜそうなるのか?仕組みを解説して行こう。

 貸借対照表の見方として、右側から左側へ流れるという原則をまず覚えて欲しい。右側は負債・純資産だ。ビジネスを始めるにあたり、まず初めにお金を用意しなければならない。では、どこから用意するのか?そのお金は、自分が用意した資金や株主が投資してくれた資金といった自己資本と、銀行からの借入金や社債の発行による資金調達といった他人資本により成り立つ。そして、調達したお金で左側の資産の項目にあるビジネスに必要な現金・商品・建物・土地・製造する為の機械や備品を揃える。下記の図を見て欲しい。

※調達してきた負債・純資産の各項目は、購入したりして右から左に向かって資産項目に変わる。

 このことから、企業は調達した資金や稼いだ利益をビジネスに必要な様々な物に換え、我々消費者に価値を提供してくれているのだ。利益剰余金だけを見れば、企業は稼いだ利益をただ貯金しているだけに見えてしまう。しかし、貸借対照表の読み方を正しく理解していれば、稼いだ利益が貯金されているのではなく、我々消費者にどの様に還元されているのかが分かるはずだ。

第三章: 【一億総簿記学習社会が日本を救!!】

 世の中にある様々な企業は、日々様々な商品やサービスを生み出し、我々消費者の生活を豊かにしてくれている。我々が日々新しい物に接し、生活が豊かになっていると感じられるのは、企業で働く人々が日々、血と汗と涙を流しながら働いているからであり、決して稼ぎ出した利益をただ貯め込んでいる訳ではないのである。ここを勘違いしてはならない。

  このことから、左翼系の議員が言っている事は間違いであると分かり、我々国民を誤った方向に導くプロパガンダに過ぎないのだ。先日、僕が休日にマクドナルドで朝マックを食べていた時の話だ。僕の隣に座っていた4人の大学生が日本の財政問題について話し合っていた。この様な話をする若者を僕は本当に好きであり、尊敬したくなる。しかし、その学生達は、日本は1000兆円以上の借金を抱えており、我々国民は生まれながらにして一人当たり800万円の借金を抱えているから日本は危ないと言っていた。この内容は学校の社会の教科書に書かれている内容で、僕も学校で同じ内容で習った為、数年前まで疑うことすらなかった。だが、よく考えて欲しい。国債は『政府』が抱えている借金であり、なぜ我々が生まれながらにしてその借金を抱えているのかと。

  僕は、たまたま書店で見つけた元財務官僚であり数学者の高橋洋一氏の著書「新・国債の真実」との出会いで世界が180度ひっくり返る様な衝撃を受けた。我々国民は、学校教育やマスメディアで日々流される誤った報道により、日本の財政が本当は危なくないのに危ないという認識を刷り込まれている。しかし、ここに書かれている内容を理解するにはやはり簿記の知識が必要になる。僕はこの本を読んだ時に、本当に簿記を勉強していてよかったと思った。

  先日マックにいた学生達が、学校教育やマスメディアで流されるままの間違った情報でこれからの日本の行く末を議論することは本当に危ないと思っている。世の中の人達皆が簿記の知識を身に付けることにより、何が真実なのかを見極め、騙されずに生きて行けるようになるのではないかと僕は思っている。

                               Takuya


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