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映画三昧 最強のふたり

今日の映画は最強のふたり2011年だ。

名作で話題にもなったので観た人も多いと思う。

自分はいわゆるハートフルな話とかが苦手だ。
性格が少し歪んでいるせいかも知れない。
なんとなく作為的で嘘っぽさを感じてしまうのだ。
あまのじゃくなんだな。

でもこの映画は実話をベースにしている。
こんな出来事が本当にあったなら
世の中捨てたもんじゃないかも知れないと
思わせてくれた素晴らしい映画だと思う。


あらすじは、パラグライダーの事故で首から下が
麻痺してしまった大富豪のフィリップと、
刑務所を出たばかりでスラム育ちの
青年ドリスが出会うことではじまる。

介護人募集面接に来たドリスは
どうせ受からないから面接した書類だけ欲しいと割り込んでくる。

その様子を見たフィリップは彼に興味を持ち、
後日取りに来るように告げる。

ドリスのあけすけな物言いにフィリップは
1週間だけお試し期間で働くことを提案する。
そして色々なことで衝突したり理解したりして
だんだん友情を深めてゆく。


とにかく観れば良さが分かるので、
あまり付け加えることはないのだが、
ひとつだけ気になることがある。

それは「最強のふたり」というタイトルだ。

これはフランスの映画だ。
フランスでのタイトルは「INTOUCHABLES]となっている。

見た感じ、最強のふたりという言葉ではない。

なので気になって意味を調べてみた。
直訳すると「連絡のとれない」とか「非難できない」とあって、
全く意味不明だ。

なので英語にしてみたところ
「UNTOUCHABLE」アンタッチャブルとあって、
コレなら聞いたことあるな、でも意味はなんだったかな。

もう一度調べてみた。

良い意味で「無敵」「手出しが出来ない」
悪い意味で「不正や汚名によって暗黙に言及してはいけない」

ますます訳が分からない。困った。

そこで直訳ではなく和訳で調べてみると
「手に入らない」「得がたい」「触れてはならない」とあって、
なるほどそうなのかと少しニュアンスが分かってきた。

うーん。この言葉の意味を日本人が理解するのは難しいだろう。

アメリカやフランスでは多種多様な人種が入り乱れ、
貧困や格差社会、人種差別、移民問題を抱えている。

インドでは不可植民(被差別民)カースト制度による最下層を指す。

要するに「社会生活全ての面で差別される存在
というような意味なのではないかと思ったのだ。

お金持ちなのに首から下が全く動かせないフィリップ。

明るく陽気で正直だがスラム育ちで貧しく素行も良くないし
血の繋がらない兄弟姉妹が何人も居るドリス。

お金があっても自由のないフィリップと
貧しくても笑顔で楽しむドリス。

重度の障害者であるフィリップに周りの人は
腫れ物に触るかのように接するが、ドリスは全く気遣ったりしない。

それどころか動けず
チョコレートを口に入れるよう言ったフィリップに
これは健常者専用だ」といって笑い転げるドリス。

フィリップも呆れ顔だが、
まるで普通の人と同じように接するドリスに心を開いていく。

二人とも生き方は違うけれど、
それぞれに望んでも得がたい物があり、
周りから見下されたような立場にあると言うことが
共通点なのではないだろうか。

そう考えるとこの映画のタイトルに
日本語で「最強のふたり」と題した方に心から拍手を送りたい。


今日も読んでいただいた方ありがとうございます。


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田中もなか
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