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【男性育休】子どもにとっての「変わってる」我が家

わたしたち夫婦は、それぞれ1年間育休を取っている。
いわゆる「ダブル育休」というやつだ。

なので、家事と子育ては役割分担をしている。
たとえば、子どもを子育て支援センターに遊びに連れて行くのは私の担当だ。

先日、私が体調不良で寝込んでいたので、妻が子どもと支援センターに行った。

その日は、区役所から保健士さんがやってくる「子育て相談」の日だった。妻が保健士さんと話している中で、我が家の子どもの遊び場の話になったらしい。

我が家には、リビングに子どもが自由に遊べるように畳6畳ぶんくらいの小上がりスペースがある。15センチくらいの段差があるので、落ちないようにフェンスもつけてある。

通称「○○ちゃん(娘の名前)パラダイス」。
ホームセンターや100円ショップで材料を買ってきて、自分たちでつくった。

というか、ほとんど妻がひとりでつくった。

妻はエンジニアなので、図面を書いたりそういうのが得意なのだ。

保健士さんは、そのパラダイスの存在が気になり、

「ダンナさん、そんなのつくれるってすごいですねー」

と言った。

妻は、「わたしがつくりました」と答えたようだが、たいそう驚かれたそうだ。

以前、私が支援センターに行ったときのこと。それまでは妻も一緒だったが、その週から私ひとりで子どもを連れていくことに。

そのとき、こんなやりとりがあった。

センターのボランティアの方:「あれ、ママは?」

私:「家で仕事復帰の準備してます!」

センターのボランティアの方:「そういうのって、普通逆じゃない?」

私:「…(うるせぇよ)」


ステレオタイプやアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)って根深いなあと思った。

女性の社会進出、男性の育児参加・・・
「ジェンダーレス社会」とか言われているが、
行政や子育ての現場にいる人でさえもやっぱりどこかでとらわれているんだなぁ、と感じるできごとだった。

我が家は、1年間ダブル育休も取っているしよその家庭とはちょっと違うのかもしれない。
ざっくり言うとたとえば、こんな感じだ。

【ねこねこ】
★仕事ニガテ。あまり好きではない。去年は週4日の勤務
★体力がある
★料理が得意

【ねこねこ妻】
★趣味の延長が仕事。仕事好き。副業を企む
★体が弱く体力がない
★料理がニガテ

そんなわけで、妻のほうが収入が多かったりする。
あえて表現するなら「一家の大黒柱」だ。

これから妻は、副業を始めようとしている。
そうなると、妻の仕事へのウエイトは高くなる。

なので、私は料理をしたり、子どもを外の遊び場に連れ出したり、家事と子育てに充てる時間を増やして、妻をサポートしようと思っている。

ベースにあるのは、「それぞれが得意分野を担当して、足りない部分を補う」という考え方だ。

こんな家庭は、まだ少数派かもしれない。少なくとも私たちが暮らすこの地方の町では。「変わってる」と奇異な目でみられたり、「間違ってる」と指摘されることもあるだろう。

でも、子どもにとっては「いい見本」になるかもしれないとも思っている。

世の中にはいろんな人がいる
いろんな価値観がある
いろんな考え方がある
いろんな生き方がある
正しいも間違ってるもない

子どもと一緒によく図書館へ本を借りに行く。
先日、子どもの絵本コーナーで、金子みすゞさんの詩集が目に留まり、借りて読んでみた。

金子さんといえば、「みんなちがって、みんないい」というフレーズ。
有名な一節のようだが、今まで知らなかった。
その詩集にも、もちろん載っていた。

他人との比較が人を不幸にすると思う。

人と比べなければ、もっとラクに生きられる気がしている。

でも、言うは易く行うは難し。

言うのは簡単だが、実際にやるのは難しい。

そんなときは、金子みすゞさんの詩を読んでみる。
子どもと一緒に読んで、思い出したい。

私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面(じべた)を速くは走れない。


私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように、
たくさんな唄は知らないよ。


鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。

金子みすゞ『私と小鳥と鈴と』

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