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【育児日記】応援することは、信じること
新年早々、事件が起きた。
間もなく1歳になる娘が、便秘で苦しんでいる。
お腹がパンパンで苦しいのか、離乳食もミルクもあまり食べないし飲まない。
ここ1週間くらい、つかまり立ちをして泣いている。
泣きながら気張っている。
でも、出ないようだ。
あまりにもツラそうなので、声かけをするようにした。
ある日、妻は隣の部屋でその様子を聞いていた。
用事が終わり部屋に入ってくると、自分にはできない励まし方だと感心された。
娘に何を言ったのかあまり覚えていないが、だいたいこんな感じだったと思う。
「うんちでなくて、お腹くるしいねえ」
「頑張ってるね」
「いいよ、いいよ」
「うんち、だせるよ!」
「頑張ろう!」ではなくて、「頑張っていること」「頑張ってきたこと」に目を向けるようにして声かけをしている。
子育ての心がまえについて、以前こんな記事を書いた。
概要を4行でざっくりまとめると、こんな感じだ。
【シンパシー】
誰かの問題を理解し、気にかけているのを示すこと
【エンパシー】
誰かの感情や経験などを理解する能力
シンパシーを経て、特にエンパシーに心を砕いている。
娘とはまだ会話ができないので、娘は何に困っているのか、何がイヤなのか想像の域を出ない。
でも、きっとこういうことを解決したいのかなと自分なりに理解する。
そして、もう一歩踏み込んだ声かけをする。
「前はうんちだせたから、今回もその調子でやればできるよ!」
それを妻は、「運動部っぽい声かけ」とも形容していた。
そんな声かけのことを考えていると、駒澤大学の大八木総監督のことが頭にうかんだ。大八木監督といえば、駒大駅伝部を「平成の常勝軍団」へと導いた名指導者だ。
浅黒く日焼けした顔とオールバックの髪型は、「鬼コーチ」といった風貌で一見近寄りがたい。
選手を鼓舞する激しい声かけが特徴で、最も有名なのは、
「男だろ!」
ただ、時代が令和へと変わり「男だろ!」がいろんな意味で通用しなくなった。
そして、チームもだんだん勝てなくなってきたこともあって、指導スタイルを変えた。
著書『必ずできる、もっとできる。』にも書かれていたが、「オレについてこい」的な指導ではなく、選手の目線に下りていって対話を増やした。彼らの気持ちや自主性を重視するように心掛けられていたようだ。
そんな大八木監督の変化が伝わってくる声かけがある。
「お前だったら、できる」
「信じてるから!」
1分8秒〜1分11秒がその場面。
この声かけを受けた田澤選手は、新型コロナ罹患明けとは思えない力走を見せ、チームの箱根駅伝優勝に大きく貢献した。
そして、箱根を優勝したことで、駒大は出雲駅伝、全日本大学駅伝とあわせてそのシーズンの大学駅伝「三冠」を達成した。
この動画を観て、相手のことを深く理解するには、「信じる気持ち」も大切だということに気づかされた。
娘のことをもっと信じて、エンパシーを高めていきたいと思う。