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良いものを良く撮るに越したことはないが、悪いものを悪いと認めるのも大事
商品やサービスを売るための写真や動画について、「良いモノを良く撮るに越したことはねぇな」という話をする。
良さにも程度のグラデーションがあるし、「そもそも良さとは何か?」という哲学問題もある。ひとまず話を前に進めるために、この記事では単純化して(被写体の良し悪し)×(撮影の良し悪し)の4パターンについて考える。
良いモノを × 良く撮る
悪いモノを × 良く撮る
良いモノを × 悪く撮る
悪いモノを × 悪く撮る
商品やサービスの売上に貢献するか?で言えば「1.」が一番良いのは言うまでもない。
「2.」は撮影者の腕でカバーしたパターンで、「3.」は撮影者がモノの魅力を引き出せてないパターンとなる。
撮影者としてメシが食えるのは「2.」ができる人で、それで実績を積めば「1.」の仕事に呼ばれるかもしれない。
製品やサービス、写真や映像のいずれも、完成度を高めるほどに、さらに完成度を高めるはコストが高くなる。以前の記事で「上に凸」と書いた話だ。
概して、後工程はシワ寄せを受ける役回りとなる。ハードウェア開発→ソフトウェア開発とか、パッケージデザイン→宣材写真やプロモーション制作とか。済んだものは仕方ないので、時が進むと後工程で頑張る選択肢しかなくなる。
だけど、全体に責任を持つ人がいるとしたら、どちらにどのくらい予算を配分して、どのくらいのクオリティを出そうとしているのかは、最初に考えるのが賢い。
モノの悪さを撮影に悪さのせいにされる不幸
制作の現場で起こる不幸話として、「2.」であるのに「3.」だと認識されてしまうことがある。
具体例として、動画テロップに対して「ここの表現に違和感があるので修正してくれ」と言われた事例があった。この発言者も、指摘するのが仕事だと思っているタイプの人間である。
だが、動画の表現だけで好き勝手に言葉をいじって良い訳ではなく、取扱説明書や画面の文言と整合していなければならない。
極力、私は作文をせずに、すでに夜に出た表現を借りてくることを徹底している。不毛な指摘修正を避ける狙いもあるけれど、使う人にとっては「表現の一貫性」が重要だからである。
あなたたちが「違和感ある」と指摘をあげた表現の元ネタが、画面表示や取扱説明書で謳われてる文言だとしたら、あなたの指摘の矛先はモノを作ったあなたに返ってくるブーメランとなる。
・・・
取扱説明書や画面表示などモノがイケてない「2.」のパターンだとは想像だにせず、動画の表現がイケてない「3.」の問題として指摘をあげられることが、身の周りに多過ぎる。
修正処置として、やむを得ないので頭を下げられたらやるけども。是正措置としては(今回は無理でも)画面表示や取扱説明書などモノの表現を改めることは求めたい。
こちとら、真剣に制作している。遡って是正するくらいの覚悟がなければ、思い付きで指摘しないで欲しい。
ややこしい奴と思われても モノが悪いと先に言う
お客さんに目玉機能の魅力が伝わっていないので、動画でアピールしたい案件はある。そもそも、機能名が「名が体を表す」ようなネーミングができていないのが原因で、伝わっていないんだぞと思う。
それなのに、制作後になって「動画の表現が悪い」と言われるのは不本意が過ぎる。予防の意味で、案件の依頼が来た瞬間に「モノのネーミングがイケてないのが悪いですよね?」と確認する。
身を守るためではあるのたけど、「めんどくさいやつだ」と思われてはいるだろう。
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