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#1248 助言が相手に届くとき、届かないとき~観察者と支援者~

おはようございます。
小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで私たちの仕事の景色を変えるためのの日々に役立つヒントをお届けします。

今日は水曜日です。
今日は、チャンネルの質問ボックスにいただいたご質問を取り上げたいと思います。
質問ボックスは、チャンネルのトップページのプロフィール欄にリンクが貼ってある、質問や放送へのコメントや要望を送っていただけるフォームです。
チャンネル運営において、情報とかテーマとかネタほど大事なものはなくて、皆さんの日常の中でのふとした気づきや疑問や一緒に考えたいことなんかを送っていただけると、私は大変ありがたいです。

同じ職場で仕事をする仲間のために何かアドバイスをしてあげたい

では、いってみましょう。
今日の質問者はまりこさんです。まりこさん、ありがとうございます。読みますね。
【小田木さん、いつも放送をありがとうございます。そして4周年おめでとうございます。4年間、ずっと聴かせていただいてます。
聴き始めたときは育休中だった私も、ワーママ歴3年になり、すっかり板に着いた感じになっています。】

ちょっとここでいったん止めますね。
まりこさん、ありがとうございます。
なんとチャンネル開設当初から聴いていただいているとのことで、めちゃくちゃうれしいです。心から本当にありがとうございます。
仕事サプリになりまして、早速ご質問をお送りいただきうれしいです。
続きを読みますね。

【そんな私から質問させていただきたいのが、同じ職場にいる今年復職したAさんのことです。
Aさんはおそらく仕事サプリを聴いていないと思いますが、絵に描いたような気合い・根性・長時間労働をやっているのが、仕事サプリのヘビーリスナーの私としてはとても気になっています。
彼女の上司からも、「子どもも小さいし、在宅も組み合わせながら無理なく働いてね」と言ってもらっているようなのですが、本人は仕事が大好きで、毎日出社して、周りの人以上にタスクをこなし、夜遅くまで頑張りたいようです。
そして私とAさんの関係性ですが、同じ職場ではあるものの、Aさんは正社員、私は業務委託という立場で、私もAさんの会社に常駐しているわけではなく、Aさんに対して働き方をあれこれ言えるほど距離が近いわけではありません
年が近いので、仕事に関する話はフラットにできます。
ただ、おせっかいおばちゃん(笑)として、どう見ても持続可能な働き方ではないよなと思ってしまい、勝手にソワソワしてしまいます。
Aさんの上司からも、「僕には子どもがいなくて分からないから、まりこさんからAさんに無理のない働き方を伝えてあげてほしい」と言われています。
今のところAさんは、残業時間が多いだけで心身ともに元気そうではありますが、今年後半にかけて忙しくなる兆しもあるため、何かできたらなと思って質問させていただきました。
よろしくお願いします。】

というご質問です。ありがとうございます。
いいですね。同じ職場で仕事をする仲間のために考えてみたよという、そんな気持ちがまずすてきだなと思いました。
改めて今日の質問の概要です。
同じ職場に、今年育休から復帰し、絵に描いたような気合い・根性・長時間労働をやっているAさんがいる。今のところ残業時間が多いだけで心身ともに元気そうだが、気になり心配してしまう。何か自分にできることはないかなと考えておりアドバイスがほしい。
そんなご質問です。
これは、シチュエーションは違えど、同じような状況ってすごくたくさんありそうですよね。
今は本人は困ってないし、求めてなさそうなんだけれども、何かアドバイスをしてあげたいな、何か助けになることをしてあげられないかな、そんなふうに思うというシーンですよね。
ここからは小田木所感ですが、考えたことを共有してみたいなと思います。

アドバイスや助言は、渇きがないと浸透しない

まず端的に言うと、テーマはアドバイスや助言だと思うんですけれども、私はいろいろ経験して本当に痛切に感じているんですけれども、アドバイスや助言というのは、相手にとっての渇きがないと浸透しないんですよね。
一対一のアドバイスや助言もそうだし、ともすれば学びや研修や学習みたいなものも、受け取る側が渇いてないと浸透しないな。これは本当に思います。
ここで言う「渇き」って何かというと、必要だと考えているとか、その人の課題にフィットしているとか、その人自身が欲している。これが「渇き」ですよね。
のどが渇いたら水が飲みたくなって、その時に飲んだ水がおいしいというのと、すごく似ていると思います。
一方でおなかがタプタプで、今は別に水は飲みたくないなと思っている中で水を飲むということは、どっちかというと、飲まされるに近い印象になっちゃいますよね。
なので渇きというのが、アドバイスを渡すかどうかというよりも、それが浸透するかどうかにおいては、すごく重要なキーになると思うんですよね。
これって逆の立場で考えてもそうじゃないですか。
自分が渇いてない時や必要だと思っていない時に、一方的に何かを与えられたとしても、つい反発しちゃうとか、自分の考えが否定されているように思っちゃうとか、一方的に押し付けられていると思っちゃうことって、逆の立場だったら本当にあるじゃないですか。
なので、この構造を踏まえてどうするかというのが、今回のケースの私的にはポイントかなと思っています。

観察者で支援者になろう

じゃあ、どうするかですけれども、今回のケースはAさんにどうアドバイスをするかではなくて、まりこさんがAさんにとっての観察者で支援者になろう、ここが今後のポイントになるんじゃないかなと思いました。
アドバイスをいかにするかではなくて、どうやって観察者かつ支援者になるか。
ここかなと思います。
観察者とは何かというと、読んで字のごとくなんですけれども、今、相手はどういう状況だろう?と、関心を寄せて観察する
これがまんまですけれども観察者ですよね。
よくリーダーやマネージャーが、メンバーに対してまずちゃんと観察する、目を向けて関心を寄せる、これが大事だよって言われるのはもちろんじゃないですか。
でも、観察者であるというのは、私は別にリーダーやマネージャーであるかどうかに関わらず、チームでいろんな人とかかわりあって仕事をする、その一員である私たち一人一人のみんなに大事かなと思います。
相手や周りがどんな状況かな?とか、仕事がどう流れているのかな?とか、誰がどんな役割なのかな?誰が困っているのかな?この先、今の状態が続いたら、何が起こりそうかな?こういった関心を持って、周りをよく観察するとか、相手をよく見る。これがいわゆる観察者ですよね。

なんで観察者が大事かというと、例えば、渇いた時にアドバイスをしてあげようと思って、「困ったら言ってね」みたいな声ってよくかけちゃうじゃないですか。
それをかけること自体はすごくいいことだと思うけど、ここでの注意は、「困ったら言ってね」みたいな感じで言われても、すぐに言えないことのほうが圧倒的に多いんですよね
「困ったら言ってね」と声をかけられて、うれしいなと思っても、本当に言う時は、決定的に困って、にっちもさっちもいかなくなるまですぐに言えないとか、兆しの段階では本人も気づかないということのほうが圧倒的に多いじゃないですか。
だから観察者が大事だなって思います。
普段を見ているから、「なんか疲れてそうだな」とか「無理してそうだな」とか「しんどそうだな」「不安そうだな」もしくは「これからしんどくなりそうだな」って思っている時を見逃さない。
そういう時って、いきなりアドバイスはしないじゃないですか。
「なんかこう見えるけど、どうした?」とか「なんかいつもと違わない?」とか「よかったら共有して」こんなふうにコミュニケーションを取っていくんじゃないかなと思いまして、このコミュニケーションがすなわち相手にとって「今、こういうことで困っている」とか「なんかこういうことを心配している」という渇きを引き出す一つのコミュニケーションのフックになるかなと思います。
必要な時に適切に動ける。だから観察者。という感じですよね。

支援者の話や助言は、渇いている以上に染みわたるものになる

なので、いきなりアドバイスを届けるというよりも、観察者になってみる。その上で支援者になる。
支援者というと、あなたにいつでも力を貸したいと思っている人であり、味方ですよね。
支援者って別に上司が部下に対して支援者であるだけじゃなくて、私はチームの仲間同士もお互いに支援者であれば、仕事はすごくうまく進むと思いますし、そう思ってくれている人の存在は本当に力強いし、力になりますよね。
すなわちチームとしてのパフォーマンスがあがるというところにも、大きなキーになると思います。
自分のことをよく見てくれていて(観察者としてよく見てくれていて)、そして必要になったときに力を貸したいと申し出てくれる人、自分の味方、そうした支援者の話や助言は、渇いている以上に染みわたるものになるんじゃないかなと思いますので、そんな関係性や日々のコミュニケーションが生まれるといいんじゃないかなと思っています。

いかがでしょうか。
まりこさんは業務委託として今のチームに関わっているということですけれども、おそらく上司の方にしても、想像ですけれどもAさんも、普段のまりこさんのお仕事に対する仲間としての信頼は結構大きなものがあるんじゃないかなと思いますので、Aさんにとってだけでなくチームにとってまりこさんが欠かせない仲間であるという中で、観察者であり支援者であるというところはすごく大きな力になるんじゃないかなと思いました。

まりこさん、4年間の視聴を本当にありがとうございます。
そして引き続きよろしくお願いします。

皆さんもお聴きいただきありがとうございます。

今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子(おだぎともこ)プロフィール

人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
“気合・根性・長時間労働の働き方を変えるヒント”をnoteとVoicyで毎日配信中。
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