『社内の「知的確信犯」を探し出せ』⑥嘘の天才
良心の呵責を感じないサイコパス。ところが、サイコパスは悪人に見えず、誠実で良い人と見られたりする。
嘘つきであるがゆえに信用される?
実際は、嘘ばかりのサイコパスが、なぜ信用されるのか、その理由は逆説的だが、サイコパスは嘘をつき通すことができるからだ。
『社内の「知的確信犯」を探し出せ』(ロバート・D・ヘア/ポール・バビアク著)によれば、
サイコパスは、なんの躊躇なく嘘をつき、騙し続けているが故に、嘘がバレないし、信頼されるというのだ。不思議な感じもするが、自分の経験からして、なんとなく分かる。
それでも嘘をつき続ければ、いずれ辻褄が合わなくなるし、嘘がバレるはず。普通はそう思うのだが、そうとも限らないようだ。
それだけではない。サイコパスは真実を知っている人にも嘘をつき、その嘘があまりにも自信に満ちているので、真実を知っていた人が、いつのまにか自分が勘違いしていて、実はサイコパスの言っていることが正しい、と思い込んでしまうというのだ。
しかし、こうした悪質な行動が続けば、物事がうまくいくはずはない。
サイコパスが関わるプロジェクトのほとんどが、失敗するのは、当然の結果である。
かといって、失敗の責任がサイコパスに負わされることまずない。
企業を危機に追い込み出世
一般的に企業の幹部は、従業員が悪意なく、会社の利益のために行動した結果としての失敗であれば、大目に見るものだ。サイコパスはこの心理をうまく悪用する。
それどころか、失敗が蹴落としたい上司や同僚のせいになるよう、サイコパスは策略を仕込んでおいたりすることがある。
失敗は、サイコパスにとって、目障りな上司や同僚を貶める絶好の機会であり、自らが出世する好機となるのである。そしてサイコパスにとって心踊る、またとない快感の時となる。だから、混乱や危機の裏に、実はサイコパスがいる、ということが、結構あるようだ。
恐ろしい。
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