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【虎に翼 感想】第45話 戦後の始まり


昭和21年10月

寅子は、川辺で日本国憲法の条文を熟読した。そして、吹っ切れたように立ち上がり、帰宅して条文を書き写した。曲調が明るくなる。すぐに家族会議を招集し、第13条と第14条を読み上げる。
「すごいと思うけど……」
内容は理解したが、どこか他人事な直明に、「この国は変わる。私たちは、一人ひとり平等で尊重されないといけない」と、諭す。

寅子は直明が気がかりだった。直言も直道も亡くなり、子どもたちはまだ小さい。自分が男として大黒柱にならなければと、全部背負おうとしていたから。

寅子は語る。「私の幸せは、私の力で稼ぐこと。ずっと学んできた法律の世界で。もう一度法律の世界に飛び込んで、人生をやり切りたい」
だから直明に、“あなたの幸せのために大学に行け” と。早く大人になろうとする直明に待ったをかけた。

直言も直道もおらず、“家長” としての立ち位置がゆえに真ん中に座っていた直明は、左にはるさん、右に花江、前方からは寅子が迫り、まだ子供だなんだと三方から詰められていた。
そして、直明も決めた。“勉強したい” という気持ちを隠さないことを。

はるさんの幸せは、生活が楽になって家族みんながお腹いっぱい食べられること。
花江の幸せは、子どもたちが幸せになってくれること。
それぞれが、それぞれの幸せを追求できる権利がある。

昭和21年11月3日、日本国憲法が公布された。
第1話の冒頭のシーンが少しずつ挟み込まれる。
竹もとのご夫婦も、ふかし芋を売っている。今見ると感慨深い。


昭和22年3月

直明は学生服を着て、すがすがしい笑顔を見せていた。

寅子は、今日は自分のために行李箱を開けていた。
直言が丁寧に貼り付けたスクラップを見返す。そこには、直言自筆の “トラ新聞デビュー”、“でかした” の文字が映っている。
高等試験の合格証書も一緒に携え向かった先は、司法省だった。噴水も懐かしい……人事課長を訪ねると、そこにいたのは……。

桂場、ちゃんと竹もとでふかし芋買ってたんだ……。
(寅子が、外にいたおっちゃんにも人事課の男性にもぞんざいに扱われていたのが、ちょっと気にはなる……)

桂場人事課長「きみか……(また食べるのを邪魔したのは@心の声)」

記憶とはあいまいなものだ。
第1話の冒頭、寅子は就職が決まっていて、初出勤で人事課に行ったのかとばかり思っていた。たった2か月前のことなのに。

寅子が桂場に挨拶をして、主題歌が流れ出す。異例の順序だ。朝ドラで時々ある展開ではあるが、『カーネーション』で、第1話と最終話が繋がったときのような感動を覚えた。
今週は、前向きな終わり方だったのが救いだった。


次週予告

小橋!生きていて嬉しいぞ!試験に受からなくて就職したパターンか!来週教えろ!
民法改正は結構なボリュームで描いてくれそうだ!楽しみ!
沢村一樹は敵か味方か!
どうなる!サディ寅子!

「虎に翼」5/31より

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