35服目:2024/11/3(日)炉開き/炉薄茶平点前

二度目の炉開き

楽しみにしていた炉開き。茶人のお正月って良い表現。気持ちがシャンとする日なんて、なんぼあってもいいですからね。

ご同輩による初炭点前を拝見する。釜の下に敷かれたグレージュの灰の一粒一粒が、私の目にはキラキラと輝いて見えた。

今夏のあの猛暑酷暑の中、先生が庭で仕込んでくださっていた灰たち! 

去年の炉の季節は、灰をつくるのに手間暇がかかっていることさえ知らなかった。けれど、この1年の間に、表千家の方々が灰を仕込む様子を収めたNHKの特番と、先生のお庭の様子をちらっと拝見し、大変な手間暇がかかることを知り、見る目が変わった。

灰に限らず、先生はいつも、どんなに手間がかかることもさも軽々となさっているように見せてくださる。そのご配慮に甘えないようにしないと!と心掛けているつもりだけど、思いっきり甘えてたなと後から気づくことも少なくない。気づけたことをよしとして、日々精進だ……!

やっぱり炉は良いな〜

軽やかな風炉の炭点前も好きだが、やっぱり炉の炭手前のほうが、お茶の季節の本番到来!という感じがする。赤く燃える炭を皆で取り囲んでいるうちに、梅の香の香りがじんわりと茶室の中に立ちこめる。炭の位置が変わると、香りの広がり方もまた変わるように感じた。本当に気持ちのよい空間。

先週まではあまりよく見えなかった湯気もたっぷりと見えた。茶室に差し込む光のせい? 炉縁の濃色のせい? 釜との距離が近づいたから? たぶんそのすべてのおかげなのかな。湯気をぼーっと眺めて贅沢な心地に浸る。

炉開きといえば、心待ちにしていたのがお善哉。去年いただいた粟のお善哉が本当においしかったので、今年もいただけるのを楽しみにしていた。よきかな。よきかな。

集合知で記憶を手繰り寄せる

今日の炉開きは生徒4人。うち3人(私含む)は昨年もお稽古をつけていただいているが、半年の間に全員がほぼすべての所作と手順を忘れていた。

「体は正面に向けなかったですよね」
「ウチズミネライ、ソトズミネライってありましたよね」
「柄杓が大きくなりましたよね」

みんなのうっすらメモリーを寄せ集めてもまるでダメ。
今日のお軸「一」の心で、一からまた先生にご指導いただく。

「一」だけど「一」じゃなかった

ただ、先生のご指導いただきながら皆のお点前を拝見していると、「そうだった!」と思い出すことも意外とあった。一からのようで、けっして一からではなかったことに我ながら驚いた。

炉での柄杓の置き方を間違えず、自然と手が動いたことにもふたたび驚いた。私は三番目のお点前だったので、前のお二人を拝見して復習できたというのもあるが、身体が覚えているという感じがした。

そしてみたび驚いたのが、前回の炉の季節では、最後まで全然理解の追いつかなかった亭主の座る位置(=内隅狙い)が、「あ!そういうことか!」とすんなりと理解できたこと。今日のお稽古は運びだったが、お道具の置く位置も先生のおっしゃることがスッと入ってきた。

水差しの置く位置は16目で、たたみの真ん中。
棗と茶筅は、水差しと炉を結ぶ線の中央を割って左右。
蓋置きは3目3目の位置で体の向きと同様に。

こうして書き出してみるととても明快なのに、前回の炉の季節は何度ご指導いただいてもまったく理解できなくて、今日はなぜかスッと理解できた。本当に不思議。

こわくてたのしい着物の道

新しい秘色の色無地で先生のご自宅に往訪。皆さんすぐに気づいてくださり褒めていただきうれしかった(真に受けるタイプ)。

回を重ねるごとに着付けが雑になっているので、今一度丁寧に練習しないと。ただ、前向きに捉えると、「着る」というファーストステップに慣れてきたおかげで、目につくところが増えてきたのかもしれない!

ところで、すなおさんの動画を見ていると、紋の付いている色無地には袋帯を締めるのが一般的とのこと。

え、なにそれ…。わかってなかったんだけど、こわい……(泣)。

調べてみると、名古屋帯の中にも格があり、紋付きに合わせるなら古典柄や織の物なら良いみたい。さらに、八寸(31cm)か九寸(34cm)かでまた格が変わるとのこと。

私が初めに買った一つ紋の色無地+名古屋帯の組み合わせは、帯が鳳凰柄かつ仕立ての形状(名古屋仕立て)から推測するに、九寸なのでかろうじてOKな気がする。

って、むずかしすぎる……!

茶道のために着るのなら、わりきって、制服のように組み合わせを決めてしまうのが正解かもしれない。でも、洋服とはまったく違うルールを少しずつ紐解くのがとても興味深くて楽しくて、もう少し試行錯誤してみたい。

幸い、まだ着物警察にも出会ったことはない。
むしろ、着物を着た日は街なかですれ違う方に褒めていただけることも多いおかげで、どんどん着物を着るのが楽しくなっている。感謝〜!

ご相伴:WTさん、MTさん、SNさん

いいなと思ったら応援しよう!