上毛かるたと鬼ころしと――
土曜日は前橋アートスープにおける「詩人と手紙展」の朗読会だった。
共演者や関係各位、観に来て下さった皆様ありがとうございました。
セトリは、
1、ポストに刻まれた記憶
2、13度以上14度未満(鬼ころし短編小説)
3、蝶を夢む(萩原朔太郎のカバー)
4、上毛かるた
(高砂部屋もといアートスープでの独り相撲ver.)
変に弛れずに持ち時間きっちり、変幻自在且つ起承転結が終始キマっていたのもあって、良かったという旨の感想も幾つか頂けて嬉しかった。
因みに最初に演った「ポストに刻まれた記憶」は展示させて頂いた作品。偶々見かけた廃屋のポストからインスピレーションを受けて書いた詩で、終末感と儚さに充ちている。
「ポストに刻まれた記録」
誰もいない空白の箱舟
世界の終わりを受け入れた人々
彼らの残影が佇む荒野
「そう、此処にはなにもない」
投函された瓶詰の地獄
奇数の救いすら
偶数の未来の前では無効の日
あまりにも眩い希望の陽は
届かない手紙を待つ私に
人形が抱く虚無をもたらす
――数字無き住所
名もなき宛先の漂流
無垢なる火薬が催す、青すぎる死
……何処へ行けば良いのだろう?
どこへも行けない言葉と想い
逆行する純粋と淫らなる罪
身を投げたスカートの名前すら
誰もが忘れ去ってしまう
眩しすぎる太陽の下
ポストに刻まれた「記録」を
私は網膜に刻み込む
いつか、思い出す刹那を
――いつか思いだす甘美を
そして、失ってしまう「全て」を
透き通ったまま、描けるように――
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