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WE Run | Write, Eat, Run

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私たちが(そして誰かが)走り続けるためのリレーマガジン
運営しているクリエイター

#この街がすき

はじめましての方へ、おすすめの記事。1-100記事篇

■はじめまして  『WE Run』は、“私たちが(そして誰かが)走り続けるためのリレーマガジン”というコンセプトのもと、走るをテーマに綴っていく共同運営形式のマガジンです。   “Write, Eat, Run”という3つのキーワードから生まれたマガジン名が象徴するように、書くことを通じて走ることについて考え、食事を楽しむように走ることを楽しもうとするメンバーが、書き手として参加しています。   目指すは、“読み終わったら走り出したくなるwebマガジン”。距離やペースにと

遅くにきた青春〜追憶の尾道〜

まだ、学生服を身に纏っていた頃、実家の尾道市向島町から渡船を渡り山中にある尾道市栗原町の高校へ自転車で通っていた。船が通らなければ波の立たないほどゆるやかな尾道水道を越え、山の坂道を駆け上がっていく。友人との出会い頭にどちらが早く登れるか競争しようとけしかける、途中のコンビニで菓子パンの買い食い、これだけ見れば高校生の青春だろう、、。 ただわたしにとっては違った、授業が終わりほぼ毎晩部活に明け暮れる毎日で日常は忙殺されていた。 自転車を降りて仲良く歩く、尾道水道の近くで夕日が

最高の幹事(プラクラ京都オフ会)

参加しているオンラインサロンPLANETSCLUBには名物ランニング部がある。 そのクラブ内で正確な日付は忘れてしまったけれど今年の始め頃「京都を走ろう」ということになった。メンバーのI田さんが個人的に京都を訪れたいというお話に乗ったのが最初だったように思う。折しも我がクラブ本体PLANETS刊行の雑誌『モノノメ』2号が発売となりその中の記事『観光しない京都』はみんなのホットな話題だった。 京都在住のM上さんをリーダーにI田さん。勝手に手を上げて参戦した私と関西在住のS水さん

内川の 旧源流から 河口まで 辿った先で 平和を祈る “ 東京そぞろ走り #3 “

私の家は丘の上にある。 この場所は、多摩川崖線の際地になるらしい。最寄りの地下鉄駅から帰宅する際には、坂を上ってすぐに下り、下りきったところで脇道に入り、そこからさらに階段を47段も上がらねければならない。毎日の通勤だけでも、私の足腰はかなり鍛えられているに違いない。 階段の下、脇道に入る手前の道を挟んだ向こうに、私が子どもの頃は内川という名の川が流れていた。たまに友人たちと川に降りて、水遊びをしたものだ。その川も、いつの間にか塞がれて今では暗渠となっている。 そういえ

馬込から 大田区縦断 多摩川を 折り返しにして 洗足池へ “ 東京そぞろ走り #1 ”

週末に、夕方の街を走るのが好きだ。 私の住み処は、海沿いの街にある。自宅からわき目も振らずに4kmも走れば海にたどり着けるような場所だ。午後の日差しが山側から海側に向かって、低い角度で差し込んでくる。この時間帯特有の、太陽の光を背負って走る感じが好きなのだ。 行き先は海ではなく、川や運河にすることが多い。 対岸の景色を眺めながら、日が暮れる前の一時間くらいだけ味わえる特別な空気感を身体全体で味わうために、多少疲れていようが眠かろうが無理にでも身体を起こして走り出す。 と

『探しもの』 いつもの場所を 凝視して 見つけるものは 何なんでしょう?

現代の人類は、IT技術の発展により常時接続状態を生きている。1年365日24時間絶えることなく、オンライン上ではリアルの人間関係が繰り広げられている。 これは、四半世紀前には考えられなかった現象だ。かつてとは、オンラインとオフラインの立場が逆転してしまったのだ。 日常(オンライン)から束の間の解放を得るためには、オフラインの世界に逃避しなければならない。しかしコロナ禍によって、おいそれと簡単にはオフラインの交流もできなくなってしまった。オフラインでのコミュニケーションが非日

角館で『小京都』を走る " 旅先で『日常』を走る ~episode34~ 秋田編 "

前回のあらすじ~ 山形で『日の入』を走る ~ " 今回はアクシデントでトンボ帰りの憂き目に会ったが、山形とは意外に相性が良いのかもしれないなと、思い直した " 角館で『小京都』を走る年末年始休暇を利用して東北地方の各地を走ろうと企画したが、大雪に阻まれて山形で走ることを断念し、山形滞在時間わずか3分で仙台に引き返した。詳しくは上記リンクからどうぞ。 ということで、今回は秋田県角館に向かうところからスタートする。 奥羽本線で山形から北上する予定だったが、大雪のため計画運休

駿府城で『元旦』を走る ” 旅先で『日常』を走る ~episode29~ 静岡編 ”

前回のあらすじ~ 小山で『遊園地』を走る ~ 東京への通勤圏からギリギリ外れたところに、人口50万人を超える大きな経済圏がある。東京の南側なら静岡くらいの規模と距離感だ。このくらいの立地の場所に住んでみるのも面白いかな、と思った。” 駿府城で『元旦』を走る 2019年12月31日。大晦日の昼下がり。私は沼津駅の改札前で、荷物をむりやり一つのカバンに詰め込もうと奮闘していた。 私は、40年数年の人生で初めて取得した一週間の年末年始休暇を利用し、旅に出ることにした。旅の最初の