シュニチ

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マガジン

  • WE Run | Write, Eat, Run

    • 275本

    私たちが(そして誰かが)走り続けるためのリレーマガジン

  • たびとくらし

    たびするようにくらす 家を借りて住んでいる場所や訪れた先での出来事について書いていきます。

  • 食べるふたり-食にまつわる往復書簡

    • 10本

    食べることに対して貪欲なアヤモと食べることの楽しみを見つめ直したいシュニチ。 食べたものの感想や自宅での調理で感じたことなど、往復書簡を通して暮らしの中の食の楽しみを見つける機会になればいいなと思います。

  • 文章

    食の体験などの文章を記録したもの

最近の記事

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建仁寺にて

    • #4『かき氷つみき』のかき氷、雪のようなたっぷりのかき氷(食べるふたり第8回)

      アヤモさん 今年も暖かい春の季節がやってきて、陽気な暖かさの中外に出ることが楽しい時期になりました。 以前、紹介してもらった立ち食いそばも魅力的でしたが、『南天』のそばはいつでも気軽に自分なりに味を調整できることでしょうか。肉そばの肉ダブルで麺半分、揚げ玉を盛り盛りにのせることができる贅沢さ、そしてピクニックのように気分によって場所を変えて食事ができるのはとても魅力的ですね。 いつもの肉でも汗をかいたり暖を取ったりと、季節ごとに感じる楽しさがあるというのはそばという暖かいも

      • オランダへ#1-Never Demolish?!-

        ○はじめに 誠に私的なことだが、先週の3/14-16にオランダを訪れた。 なぜ、オランダを訪れたのかということに先に話しておきたい。 私がオランダという国、詳しくはオランダの市民運動やあらゆる制度に興味を持ったのは、2000年代に制度化された自殺幇助制度について知ったことがきっかけだ。写真家として活動を続けている幡野 広志氏がオランダでの自殺の合法化について言及していたことをきっかけに、なぜ自殺幇助という制度が成立したのか、どのような成り立ちかに興味を持ち調べ始めた。 『

        • Portfolio ポートフォリオ

          ⚪︎Writing 文章 日々の出来事や、食の体験について綴った文章を書いています。 最近は、『食べるふたり』というタイトルで、往復書簡形式のマガジンを作成しました。こちらは、ひょんなことから出会ったふたりが食にまつわることを互いに交換し合うことで、新しい発見やより楽しく食と関わることができればいいなという思いで始めました。 文章サービスはnoteを利用しています。 I write about daily events and food experiences. Recen

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        記事

          #3『洋食の辰五郎』のハンバーグとカニクリームコロッケ、いつでも食べたい味(食べるふたり第6回)

          アヤモさん 2024年に変わり一月が経ち、寒さが増してくる季節になりました。 寒い日が続き外にでるのが億劫になってしまいますが、それでもおいしいものを楽しみたいです。 日本にいながら、朝食を通して世界の文化に触れることができるコンセプトは大変興味深いです。チラシによる国についての紹介や提供される食事についての説明は食の体験を倍増させるものだと感じました。 また、食事の味付けから「朝早くから仕事を始めるというハンガリーの人たちの気合いのようなものを感じます。」というように、食

          #3『洋食の辰五郎』のハンバーグとカニクリームコロッケ、いつでも食べたい味(食べるふたり第6回)

          #2 『香来 中央市場店』 のしじみラーメン、1日の始まりの一杯(食べるふたり第4回)

          アヤモさん 外に出ると肌に当たる空気が冷たく冬の訪れを感じる時期になりました。こういった季節には暖かいものを食べたいです。 アヤモさんは夜勤をすることがあるということで、思い出すのは私の両親も夜勤をしていた時期があったことです。その時には、アヤモさんと同じように夜勤終わりの食事を朝にとっていたのではないか、と感じました。店内で同じ時間帯でも1日の始まりと終わりが交差しているという話は素敵で、夜勤を終えて嬉しそうに定食とビールを食べるアヤモさんを思い浮かべるとこちらも嬉しくな

          #2 『香来 中央市場店』 のしじみラーメン、1日の始まりの一杯(食べるふたり第4回)

          #1『味のタテハラ』のコロッケ、揚げたてをあなたに(食べるふたり第2回)

          アヤモさん 最初のお手紙くださりありがとうございます。 好きなお店がなくなってしまうことはとても悲しいことですね。だからこそ、その時々の食事をしっかり楽しみたいなと改めて思いました。 店主の牡蠣や穴子、食材へのこだわりを感じれたのはとても良いことだと思います。牡蠣や海苔をのせたそばや穴子をのせたそばを食べたことがないのでとてもそそられてしまいました。何より、再びお店を訪れてそばを堪能することに食へのつきないアヤモさんの貪欲さを感じます。 立ち食いそば屋という狭くてカウンター

          #1『味のタテハラ』のコロッケ、揚げたてをあなたに(食べるふたり第2回)

          #0-はじめに-

          私はひとりで食事をすることを好ましいと思う。お店に入り、人の目を気にせず食べたいと思うものを注文して、味や匂い見た目などをじっくり楽しむことができるからだ。 ひとりでの食事と同じくらい気の知れた人と食事に行くのも好きだ。表情や会話から食べたものに対してどう感じたのか想像することが楽しい。提供された食べ物は写真として記録することができるけれど、食の体験は食べものを口に運んでいる途中、直後その瞬間でしか感じることができない。そういった、固有の体験を愛おしいと思っている。自分が感じ

          #0-はじめに-

          遅くにきた青春〜追憶の尾道〜

          まだ、学生服を身に纏っていた頃、実家の尾道市向島町から渡船を渡り山中にある尾道市栗原町の高校へ自転車で通っていた。船が通らなければ波の立たないほどゆるやかな尾道水道を越え、山の坂道を駆け上がっていく。友人との出会い頭にどちらが早く登れるか競争しようとけしかける、途中のコンビニで菓子パンの買い食い、これだけ見れば高校生の青春だろう、、。 ただわたしにとっては違った、授業が終わりほぼ毎晩部活に明け暮れる毎日で日常は忙殺されていた。 自転車を降りて仲良く歩く、尾道水道の近くで夕日が

          遅くにきた青春〜追憶の尾道〜

          リバーサイドラン運河と小川を抜けて-京都-

          京都のまちにはいくつか大きな川が流れている。東は鴨川、山科川、西は桂川、南は宇治川、、、それぞれの川は大阪に向かう途中で淀川へ合流する。また、かつて川から市内の中心部へは運河が利用されていた。1つは、鴨川の近くを流れる高瀬川、もう1つは堀川だ。まちなかでは、中世から現代までの建造物や風景が混じり合った表情を見せる。今回紹介するランニングコースはそのような京都の水景やまちなかを巡ることで歴史と地理、まちのもつ雰囲気に触れるコースとなっている。 ○二条城 二条城は江戸時代に造

          リバーサイドラン運河と小川を抜けて-京都-

          京都五條楽園のグランドレベル

          京都市内には、五條楽園という名前のエリアがある。2010年代前半まで、花街として栄えお茶屋や旅館が林立していた場所だ。ちらほらとだが、webサイトのブログでは花街の文脈でこの土地について語られている。確かに、このエリア一帯の住宅は、大正から昭和にかけて建てれたため、住宅の外観のタイルや丸窓、洋風の装飾が目に留まる。かつての煌びやかな雰囲気はそのような記号になった物から見えてくる。 寂しい時や座っていることに疲れた時や気持ちを切り替えたい時、外に出てこのエリアを歩く。そうする

          京都五條楽園のグランドレベル

          『不滅のあなたへ』ー痛みの先にあるもの

          『不滅のあなたへ』(原作:大今良時,2016〜)は、主人公のフシが世界のあらゆる事物を記録するために生成されたところから物語は始まる。フシは人や動物、植物を器として変身することができる。例えば、フシ自身の思考を保ったまま、死んでしまった登場人物の外観と思考方法を獲得することができる。ヤドカリが、新しい貝に入るように身体を自在に変える。フシは物語を通じて、様々な人物に触れ自身のアイデンティティに不安を覚えるほどの人間性を獲得する。物語の中盤以降、身体を損傷しながらも再生し、その

          『不滅のあなたへ』ー痛みの先にあるもの

          早朝ランのつづき

          「見せたい場所がある。」なんと素敵な言葉だろうか。率直に言葉を発せられることは素敵だ。画面の向こう側には、澄んだ風景を背景に、朝日が輝いていた。もしぼくが素直で積極的だったら、ダイレクトメッセージで「今度その風景を一緒に観に行きませんか?」と送っていただろう。恋のエンジンがかかる予感がある。 手に収まる画面の向こうには、淡い光が差し込まれた住宅街やビルの谷間、大きな川の河川敷や海岸線が広がっていた。いま、自分の目の前から出ようとしている日の光と画面の向こうの風景がシンクロす

          早朝ランのつづき

          朽ちゆく住まいに花束を

          母親の親戚の家は、車で約1時間ほど先の田舎にあった。そこには年に一回松茸を収穫することを目的としていて、ついでに家の中を手入れする。手入れをすることでその家は、かろうじて生きながらえていた。住宅は使っていなければ、当然のことだが埃が溜まる。それだけでなく、水洗の底から鼻を刺激する匂いが漂ってくる。湿った匂いと、ツンとした匂いは混じり、そこには誰もいないことを理解した。 故郷の実家では、木材を燃やし続ける祖母を覚えている。裏庭で、パチパチという音が鳴り続け、時折大きな音をたてて

          朽ちゆく住まいに花束を

          塔から紡ぐ祈りへ

          漫画『ドラゴンボール』に登場する妖怪ウーロンは、ドランゴンボールを7つ集めると出てくる願いを何でも叶えてくれる神龍に、「ギャルのパンティおくれーーーっ!!!」と言葉を放った。ウーロンはどうなるかわからない世界征服よりも、自分の生活を豊かにするパンティを選択したのだ。そのため、主人公の孫悟空と別れるまでの間、終始パンティを頭に被り続けていた。彼にとってパンティは幸福の象徴だったのだ。 神社やお寺は、即物的な願望を叶えてもらうための装置だと思っていた。例えば、入学試験の合格、資格

          塔から紡ぐ祈りへ

          「状態としてのひとり」のメイキング

          『ひとり空間の都市論』では、都市において人々の生活が飲食店や宿泊施設といった場所に外部化され、匿名性を帯びたひとりの状態を生む空間を「ひとり空間」として捉えている。そして、戦後から現代において生成され続けた「ひとり空間」の変遷とこれからを分析している本だ。著者の南後由和さんは、社会学と建築学の知見から、都市について分析を行なっている研究者だ。そして、空間の存在と成り立ちという両方向の視点から分析をおこなうことで、現代における日本都市の性質の一端を炙り出そうとしている。 本書

          「状態としてのひとり」のメイキング