読書⑪
ばにらさま 作者 山本文緒さん
山本文緒さんの遺作短編集です。
私は、特に「ばにらさま」と「わたしは大丈夫」が好きです。
「ばにらさま」
主人公にはアイスクリームのように白い恋人がいます。
主人公目線の物語と彼女の日記で構成されています。
読み進めるにつれ、主人公が可哀そうになってしまいましたが……
しかし、ラストで明らかになります。本当に可哀そうなのは……
「わたしは大丈夫」
夫と娘とともに爪に火をともすような倹約生活を送る主人公。
彼女はなぜ、倹約をしなければならないのか……
読書をする時、主人公等に感情移入をします。そして、知らず知らずに、
思い込みをしてしまいます。だまされました。お見事でした!
バラエティに富んだ短編集(6作品)だと思います。
一気に読んでしまいました。