「決してマネしないでください。」蛇蔵
良い子は決してマネしないでください。って言葉、テレビのテロップでよく見かけるが、いやいやマネできねぇよ、って時に出ることない?
ウケる。
でも本作の色々な実験はマネできちゃいそうなので、決してマネしないでください笑。
ていうかマネできちゃうのが、この作品の魅力なのだ。
どういうことかというと、生活の色々なことが科学と関係している、科学に置き換えることが出来るということなのだ。
本作は漫画です。
全3巻と短いが、非常に濃密なので何回読んでも楽しめる。
舞台は理工系の大学。
ある教授の研究室に集まる学生たち、その学生の中の1人が主人公、彼は食堂のお姉さんに恋している。
なんとかアタックしたいというだけの話。
だけど枝葉が充実していてすごい面白いのだ。
魅力は3つある。
まず1つはあらすじでも書いた通り、学生の恋愛だ。
好きな人に勉強だけしてきた理系脳の学生が、とんちんかんなアプローチをするところが、ほほえましくて楽しい。
そして、理系学生たちの日常が面白い。
何でも科学に結び付ける理系脳、日常に科学を持ち込んで問題を解決したり、悪ふざけしたり、そんな様子が興味深い。
料理に科学を使ってアレンジするとか、迷子を捜すのに最新技術を応用するとか、一番面白かったのはワインをミキサーにかけると空気を含んで美味しくなるってエピソード。
ソムリエが卒倒するようなやり方だが、科学的には正しいというね。
面白い。
そして最後の1つが、折に触れて語られる偉人達のエピソード。
科学の偉人たちの突拍子もない話や、ひょんなことから発見される事象、今は常識と思っている科学の知識が意外な発見のされ方をしている、などそんなエピソードがためになるし、純粋に面白い。
自分は経済学部という、やることがわからない人がとりあえず選ぶ、みたいな文系学部だったので、理系学生の話がとても新鮮だった。
やはり物語は知らない世界を教えてくれるのがいいね。
全3巻で綺麗な結末。
これはこれでいいんだけど。。。もっと読みたい。
最近「変な生き物」「残念ないきもの」とかって本がはやっていると思うが、発明や発明をした偉人の変な部分をもっとフォーカスした大人向けの本が出たらいいのになぁ。
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