「派遣社員あすみの家計簿」青木祐子
テレビを見ていると日本という国は、本当にきちんとした国だと思う。
というか他の国が適当すぎる。
自分は外国と言えばタイに一回行っただけだが、タイはいろいろなことが適当だった。
そしてテレビのドキュメンタリーを見ていると、他の国も負けずおとらず適当だ。
そんなきちんとした日本でも、なんでこの人たちはこんなに適当なんだろうと思うことがある。
会社で、なぜそんな適当な建付けで業務をスタートしようとしているんだ、とか、なんでそんな無責任なことをお客様に約束しちゃえるんだろう、と思うことが多々ある。
不思議なのはそんな適当なやつらが動いていても、いろいろと紆余曲折あったとしても、結局最後には仕事が回っていることだ。
何事もきっちり進めている自分が馬鹿らしくなる瞬間である。
でもよくよく考えると不思議でもないのかもしれない。
世の中、仕事だけではなく生きていく上で様々なややこしいことがあるが、大抵の人は問題なく乗り越えられている。
世の中の人がみなきっちりしているわけではなく、適当でもある程度”まわる”のだ。
ただそれは余裕がある時だけだろう。
ちょっと想像してみて欲しい、3千円持っているとして2千円の買い物をするのと、2千円しか持っておらず2千円の買い物をするのだとだいぶ求められるクオリティが違う。
前者は大雑把な人でもクリア可能だが、後者は本当に几帳面な人じゃないとすぐに予算をオーバーしてしまうだろう。
なにが言いたいかというと、適当な人達はせっぱつまった状態になった時、はじめて自分がいい加減だった、ということに気づくのだ。
本作も簡単に言えばそんなお話。
普通に就職して普通に収入を得ていたOLがある事情により、会社を退職、経済的に余裕の無い状態になる。
そして、いい加減な生活のせいで、一気に立ち行かなくなり、お金に関すること、自立するということの本当の意味を考え直して行く、という物語。
あらすじ。
バーの経営者の彼氏と結婚するはずだった商社OLの主人公は、結婚の為、会社を辞め、二人の新居に引っ越す。
そして新生活の為、家電やその他もろもろを買い込む。
しかし結婚する前に彼氏はいなくなってしまう。
定収入が無くなり、迫るカードと家賃の支払い。
そんな中、ただ漫然とお金を使っていた自分、つまりは漫然と生きてきた自分に気づき、なんとか自立する為に意識を変えていく。
この主人公が最初は本当に、、なんというか人生舐めていて、、
最初はっていうか結構終盤まで。
で、すごいイライラするんだけど、身近なお金の話を題材にしているので、ついつい読んじゃう。
本作であるていど話はおさまるのだが、2巻・3巻と続きがあるらしく、いつのまにか、主人公がさらにどう成長するか楽しみになっているのだ。