「りびんぐゲーム」星里もちる
中学生のころ、ビックコミックスピリッツを毎週かかさず読んでいた。
月曜日のお楽しみだったのだ。
月曜日に塾があり、帰りにコンビニで購入、家に帰ってすぐに、復習もせずに読んでいた。
たまにスピリッツと一緒にエロ本を買っていたのはご愛敬。
同年代がサンデー・ジャンプ・マガジンを読んでいる中、おっさんが読む雑誌じゃないのと笑われても気にせず読んでいたのだ。
同級生のうちにませたやつがいて、お兄ちゃんの影響で自分より先にスピリッツを購読しているやつがいた。
そいつに「ツルモク独身寮」は読んだ?と聞かれ読んでいないことが悔しかった思い出がある。
ちょうどその後ぐらいだったんだよね、読み始めたの。
あの頃のスピリッツはすごかった。
スポーツものだと、有名なのが「YAWARA」だ。
浦沢直樹を初めて読んだ。
こんなにも国民的な漫画家になるとは!!
他にも癖のある4コマ漫画たち「感染るんです」「くまのプー太郎」「じみへん」「江戸むらさき特急」「パパはニューギニア」「禁ドン」などなど。
そして、他にも恋愛ものも豊富だった。
その中の1つがこれだ。
完結、全10巻。
星里もちると言えば、ラブコメ作家として有名なのだが、このころはまったく知らず、ただただこのマンガが好きだった。
あらすじ。
ダイレクトメール発送の小さな会社に勤めている青年、不破雷蔵。
彼は狭い会社に勤め、狭いアパートに住む、東京の住宅事情を嘆く毎日なのだ。
そんな中、会社は業績好調を受けてちょっと大きなオフィスへ移転することに、自分もちょっと広い賃貸マンションに引っ越すことに。
ところが移転当日、会社が入るはずの高層ビルは手抜き工事で傾いてしまった(物理的に)。
困った社長たちは会社の設備を不破のマンションに押し込む。
こうして不破は自宅が住居兼オフィスになってしまうのだ。
さらに、入りきらなかったものは社長宅へ、そのせいで預かる予定となっていた新入女子社員までも不破のアパートに住むことになってしまうのだ。
この女子社員、中卒のあどけない女の子。
手を出すと青少年保護条例に違反する、という思いで必死に欲望を抑え、不思議な同居生活をすることになるのだ。
この不思議な同居生活で巻き起こるラブコメと、タイトルのように住むこと、住まいのことがテーマとして描かれるのだ。
主人公の、自分のこれからに対しての思いや、女子社員いずみちゃんの過去、主人公の元カノとのエピソードなどなど。
ドラマしてるのだ。
星里もちるって、他のラブコメ作家と異なる特徴としては、ちゃんとセックスを描くとこだと思う。
お色気満載で行為を描くのではなく、登場人物たちの関係性が深まったり、時に自棄になった時に、セックスをしたという描写が描かれる。
エロ満載で行為を描くのでなく、逆にセックスを一切登場させないのでもなく、生活・恋愛の中にあるセックスをきちんとあるものとして扱うのが、リアルだ。
恋愛というものがよりリアルに描かれるゆえ、あー彼女がほしー、と悶えたものだ笑
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