「ハイペリオン」ダン・シモンズ
SF長編小説。
賞も受賞しており、SFファンの中では話題になった作品。
後に「ハイペリオンの没落」「エンディミオン」「エンディミオンの覚醒」と続いていく壮大なストーリー、と言われている。
だが、このハイペリオンしか読んだことはない。
文庫で上下巻と分厚いのと、SF特有の世界観の説明が難解で、正直とっつきにくかったが、そこを乗り越えると非常に面白くなってきて、かなりのめりこんで読んだ作品。
再読したいのだけど、その序盤のとっつきにくさとまた出会うのが怖くて読めてない、いいきっかけだから読み直そうかな。。
ジャンル名はわからないのだが、好きなパターンの物語がある。
複数人の見知らぬ男女が、ふとしたきっかけである場所に足止めされる、暇なのか不安からなのか、みなが饒舌になって自身の身の上話を話し出す、という体裁の話。
全員が語り合ったあと、集まった人たちに意外な共通点が!!とか、実はこの足止め事態が意図されていたものだったとか、すでにみんな死んでいてあの世へむかう電車の中だった、とか最後にオチがあったりする。
本作は重厚なSF長編と聞いていたので、長い壮大な話が上下巻で語られると勝手に思っていたのだが実はそうではなくて、上記パターンの小説だった。
これはいい意味で意表をつかれた。
辺境惑星「ハイペリオン」にある未解明の建造物「時間の墓標」、そしてあらわれる謎の殺戮者「シュライク」、なんか「時間の墓標」に異変が起きていて、だから「シュライク」が出てくると。
で、宇宙連邦政府が調査メンバーとして7人の男女を送り込む。
この7人が時にアクション、時に哲学的な推察をしながら事態の解明と対処をするという話だと思ったらそうではなくて、7人が「時間の墓標」に向かう宇宙船の中で、自分が巡礼に参加するきっかけや何が過去に起こったかを語るという話だった。
それぞれの話が、一瞬SFという設定を忘れるくらい色々なジャンルの話が繰り広げられており、短編集として楽しめた。
で、話が終わると難解なSF設定の元に引き戻される。
たぶん短編の中に本編の要素を少しずつ入れている?かと、なので難解だと思っていたSFパートも少しずつ理解できるようになって、結末では世界観になじんでおり、SFとしても良作だと感じれるようになっていた。
なんか不思議な作品だった。
なので、次作がまったく予想つかない。
本作と同様だったら読んでみたいし、「時間の墓標」の解明とか難しい話だったら読むの苦労しそうだし。。
上述した形式の小説、もし知っていれば教えて欲しい。
大好物なので。
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