「ロードス島戦記灰色の魔女」水野良
中高生のころの自分を魅了したライトノベルレーベル2つ。
富士見ファンタジア文庫と角川スニーカー文庫。
先日、なつかしさから「角川スニーカー文庫」「名作」で検索したところ、ロードス島戦記が出てこなかった。
どれも最近(40のおじさんから見た最近)の作品ばかり。
いや違うだろと、名作といったら本作「ロードス島戦記 灰色の魔女」からはじまるこのシリーズだろと。
本作はオリジナルアニメになっていて、夏休みの午前中に放送されてた。オープニングもエンディングも良くて最高だった。
その年の文化祭、漫画研究会の展示では登場人物の一人、エルフのディードリットの絵がたくさんあった。
彼女はオタクの心を見事にわしづかみにしたのだ。
思い起こせば、俺はオタクじゃないよという体で、そういったクラブに入らず、帰宅部を選んだのが、今の友達少ない状態を引き起こしている原因なのだろう。
同好の士の交わりに積極的に参加すればよかった涙。
おなじ後悔を大学時代もした。
見栄は人を孤独にするね。
本作はロードス島という島が舞台。
島と言っても広くて、複数国家が存在し、人間の他にドワーフやエルフといった亜人種が存在する。
精霊魔法や神の力を借りる魔法があったり、聖剣や魔剣も存在する。
そんな世界。
この世界で、主人公で騎士見習いのパーンがエルフや魔法使いと一緒に冒険するというストーリー。
話が進むと国家間の争いだったり、登場人物の悲劇だったりが描かれて、どんどん重厚な物語になっていく。
物語とともに主人公も大人になって、若干渋みを持ち始める。
でも1作目は本当に「剣と魔法」の世界を楽しめる冒険譚にしあがっており、楽しく読める。
この作品で、ドワーフやエルフなどファンタジーに欠かせない設定を知った、記念すべき作品だ。
ゲームのドラゴンクエストやファイナルファンタジーの世界、あれをきちんと物語に起こすとこんなに胸躍るストーリーになるのかと、これぞファンタジーだ!!って感動して、一気にシリーズ全作読んだ。
主人公パーンは人間、ヒロインのディードリットはエルフ。
絶対パーンの方が寿命が短いから(エルフは何百年も生きる)、絶対悲しい別れが来るのよ。
せつない。
でもそれを知っていても、お互いをパートナーとして決して離れない二人に、「もう!!二人はどうなっちゃうのよぉ」となった思い出がある。
かつて全盛だったライトノベル=剣と魔法、また復活して欲しい。
世界観を作りこんだりとか、書くのは大変だと思うけど、またそういった世界の中に飛び込みたいよ。