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Laughter 気づいたら 風の中にいた....
いろんなことに追われて、仕事に行き詰まって、もがいていた。
でも、考えていたのはあの子のこと。
そしてたら、あの子にぴったりの曲が流れてきて。
そこから少しづつ、何かが変わっていった。
車の中でくる日もくる日もその曲を聴き、口ずさんだ。その曲は、あの子の曲だと思っていたのに、いつの間にか自分のことみたいって思えてきて、いつの間にかその曲に励まされていた。
その曲の中で、一緒に空を飛んでいた。
そして、会社を辞めた。
先のことなんて考えていなかった。
おかしいな。あの子のこと想っていたはずなのに。でも後悔なんてなかった。なんにもなかった。
ただ、心のままに、あの場所を去っただけだ。
もうひとり、大切な人がいて。その人に逢いにいった。自由な時間があったら、きっと逢いに行くって約束していたから。でもそれは、普通じゃ考えられないことだった。
あのときは、本当にどうかしてたんだ。
ただ、心のままに、ゆきたいところへ行った。
これまでの人生に、そんな時間があったっけ。
おかしなことだけど、いまそれに気づいたよ。
そして家につく頃には、有給休暇も終わる。本当にこれでおしまい。
…のはずだった。
だが帰ってみると、なぜか仕事が待っていた。
そう、待っていたんだ。
その日、朝のテレビの占いは『今日は最高のスタートの日!』だって。
無職になった第1日目にそんなメッセージをもらったのがうれしくて、ラッキーアイテムを見逃したとばかり、何年ぶりかで占いをチェックした。
そこから、また違うストーリーがはじまったのかな。
恐ろしい数のメールが届く。
うかつにも登録をしてしまったのだ。
『あなたには、素晴らしいことが起こります!』
『すごい方が、あなたにサインを送っています』
『でも、その前に、気をつけなければいけないことが … 』
苦笑しながら、登録解除。迷惑メール消去。
…でも待てよ。
きっと、何かあるに違いないと、無料の動画でチェック。どうやら運気は本当に爆上がりらしい。
来る日も来る日も、動画を聴きながら眠る。
不思議と熟睡できて、心身ともに充実していく。どんどんハマっていった。眠っているうちにエネルギーをもらい、リアルも順調に動いてゆく。
恐れなど感じない。毎日が楽しかった。
そしていつしか『風の時代』という嵐がやってきた。そんな動画をみあさっていたある日、ふと違和感を感じた。それは未来ではなく、すでに私が通ってきた道のようだったから。
いっそ、過去にさかのぼって、動画を探してみる。
やっぱり。
初めてあの曲を聴いたときから、もう、風にのって飛んでいたんだね。