「面白い」 と 「もう1回やりたい」 は別物? 【若手プランナーのインディーゲーム制作 in 12月】
皆様どうも!都内のゲーム会社でプランナーとして働いている オタケサン と申します。
このnoteでは、制作中のゲーム「魔界堕ちのラズリエル」について発信していきます。
どんなゲームをつくっているのか、何を意図してつくったのかを発信することで、制作を通じて得ることができたゲームデザインの知見を共有できればと思います。
ついでに私のゲームに少しでも興味をもってもらえたらなと思います。
■ 遊ばせてもらったゲームが面白い!だけど…
先日、職場で同僚とのやりとりがありまして。
どうやら新しくゲームのモックをつくったらしく、プレイして感想を聞かせてほしいとのこと。
内容は詳しく書きませんが、遊んでみるとケッコー面白い。ゲームの目標や世界観がちゃんとあって、ルールもわかりやすくサクサク進む。
「面白いよ」と伝えたところ、「やった!これなら何回も遊んでもらえますね!」と喜んでいました。
…ただここで少し、頭の中に引っ掛かることがありました。
というのも、プレイ中は確かに面白いんだけど、プレイ後に「もう一回やろう!」とはならなかったかな…と。
これをきっかけに「面白い」と「もう1回やりたい」は別物なのかもしれないと思い始めました。
この問題、制作中のゲーム「魔界堕ちのラズリエル」にも当てはまりそうだなと、しばらくの間悩んでいました。
いったん自分の考えをまとめたく、noteに書いていこうと思います。
■ 繰り返し遊びたくなるゲームの要素を考えてみた
我々は人間である以上、ずうっとゲームだけを続けることは難しいです。食事、仕事、風呂、睡眠、さまざまなやることがありますからね。
単純にゲームの区切りが良いから中断することもあります。
そうやって中断した際、どのようにしてゲームを再開するのでしょうか?
自身の経験やゲームデザインの書籍などを漁り、いったん自分の中でざっくりと以下の2パターンに噛み砕きました。
▼ 「まだ楽しめそう」だからもう1回!
単純に未消化のコンテンツが多く、消化のために再度プレイに戻りたくなるパターン。
クリアしてないステージが並んでいたり…、習得できそうなスキルがたくさんあったり…等々。
例えば『Slay the Spire』はカードやキャラクターの種類を用意することでプレイの幅を拡げているのに加え、難易度の選択という奥行きも用意しており、ちょっとやそっとでは消化しきれないゲームになっています。
ゲームのシステム面以外でも、「ストーリーの続きが気になる」という要素なんかは「まだ楽しめそう」に当てはまりそうです。
▼ 「面白かった」からもう1回!
ゲームの体験が心に強く残った場合、もう一度その感動を味わいたくてプレイしてしまうパターン。
これはそもそも体験自体が新鮮だったり、ゲーム中に驚きがあれば起こりやすいと思います。
近年だと強烈だったのは『Vampire Survivors』。
なんの攻略も見ずプレイし、初めて武器が進化したときの驚きは脳に焼きつきましたね。
その時の気持ちよさを味わうために何度もプレイしてしまいました。
■ 「心に残る」ことが大事そう
繰り返し遊びたくなるゲームには「コンテンツ量」と「驚き」という要素がありそうです。
…が、ただ何も考えずにその要素を用意すれば良いかというと微妙なところ。
というのも、「まだ楽しめそう」「面白かった」という状態になってもらうためには、その要素のことを "ゲームをプレイしていない時" に思い出してもらう必要があるからです。
そうなってもらうための工夫は必要そう。
自分が今までプレイしたゲームを振り返ったところ、心に残ったゲームはどれも「自分ごとにする」ということに長けていたように思います。
例えば、『7 Days to End with You』では謎の言語を用いて自分に語りかけてくる女性がいるのですが、それを解明するために言葉の意味を推測し、自分の言葉で紐解いていく体験が心に残りました。
『ELDEN RING』に代表されるソウルライクなゲームでは、シビアな攻撃を見切る過程が自分の成長を感じさせ、強く心に残っている方も多いと思います。
ゲーム内の障害を「自分ごと」だと捉えさせる工夫がある。
ゲームにやらされているのではなく、プレイヤーが考え乗り越えることで、感動が生まれ記憶に残る体験となるのではないかと思います。
■ 魔界堕ちのラズリエルにおいてはどうか?
ここからは自分のゲームに対して検討中の内容です。
このゲームの障害はもちろん悪魔の敵たちなのですが、それとは別に、常にプレイヤーを悩ませる存在があります。
それは「悪魔カード」という存在。強力な攻撃手段ですがカルマが溜まるリスクがあるため、おいそれと使用できるものではありません。
この「我慢」が必要な、嫌〜な感じを乗り越える体験を用意したい…!
具体的には、悪魔カードに特定の天使カードを合成することで使用時のリスクを打ち消す"浄化システム"を検討しています。
試しに実装してみたのですが、今まで我慢を強いられていたものを使えるようになる体験はなかなか気持ち良かったです…!
対象の悪魔カードが強力であるほど、必要となる天使カードも強いものが求められます。
合成レシピの開放、浄化に必要な天使カード、どの悪魔カードを浄化するのか…。
プレイヤーが考えて乗り越えるような体験となれば、心に残り「もう1回やりたい」となるゲームに近づけるのではないかと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
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↑ 気になった方はストアも覗いてみてくださいね!
今後ともオタケサンをよろしくお願いいたします。
それでは。