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「脈絡なく興味のおもむくまま本棚」 〜7月に読んだ本から〜

毎日暑くて頭がぼんやり…。
美容院でツーブロックが涼しいよと勧められ、やってみました! この髪型を発明した人は天才だと思いました。チャリ部分と襟足部分に髪がないだけで、こんなに涼しいとは😲❗️
美容師さん曰く、ツーブロックは日本人の頭の形にピッタリなんだそう。鉢が張っていて、後頭部が絶壁なのをうまくカバーしてくれる。なるほどね〜。

さて、7月に読んだ本は20冊。
今回は小説部門で★5つが4冊、★4つが2冊で豊作でした。


小説

・『おネコさま御一行 れんげ荘物語』  群 ようこ
・『流浪の月』  凪良 ゆう
・『燃えよ、あんず』  藤谷 治
・『ぎっちょんちょん』  群 ようこ
・『みちづれはいても、ひとり』  寺地 はるな
・『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』  歌田 年
・『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』  原田 ひ香
・『掃除婦のための手引き書』   ルシア・ベルリン
・『猫のお告げは樹の下で 』   青山 美智子
・『正しい愛と理想の息子』   寺地 はるな
・『展望塔のラプンツェル』  宇佐美 まこと

まず★5つから。

『流浪の月』は映画化され、本屋大賞にもノミネートされた作品だったものの、正直期待はしてませんでした。(ひねくれ者なので、話題になりすぎると引いてしまうという…) しかし文章と構成のうまさに、あっという間にに引き込まれ一気読みでした。
更紗のたくましさと、文(フミ)の透明で中性的な存在の対比が美しい。なんとか二人に幸せな結末をと思いながら読みました。問題だらけでもどうにか光明が見えて、読後感は◎。

青山美智子さんの本の魅力の半分は、この表紙にあると思っております❗️
あの「ひよっこ」のオープニング映像でお馴染みのミニチュア写真家 田中達也さんがいつも担当されてます。

青山さんのお話は、いつもほんわか温かい。
今回は神社にいる猫”ミクジ”が迷える人々にタラヨウの葉っぱに書かれた ”お告げ” を授けるというもの。

これだけ読むと現実感がなく、なんだそれ?と思われるかもしれませんが、連作短編7編それぞれに素敵なストーリーがあって、心がどんどん浄化されていきます。人生行き詰まった時、気分が落ち込んだ時に、物事の見方を変えるだけで救われることがある。その手がかりとして、”お告げ” があります。
心のエネルギーチャージにどうぞ。

寺地はるなさんも最近一押しの作家さんです。
その中でもこの作品は寺地はるなさん史上最高傑作❗️(ただし、私が読んだ中で限定暫定1位ですが)

なんとも間抜けな詐欺師(?)のハセと沖。ワルになりきれないふたりが、ほんとうに愛おしい。30歳を過ぎて、ようやく思春期を脱した感じです。
この歳になっても母親から認めてもらいたいものなんだなぁとしみじみ思いました。

読み終わった後、もう一度この表紙(と裏)を眺めうるっとしました。
不思議なキャラクター灰嶋のオチもびっくりです。いつかまたもう一度読みたい本ですね〜。


この本は童話っぽいタイトルとは裏腹に、かなりガツンと衝撃的な内容ですので心に余裕のある時に読みましょう。

貧困、暴力、虐待など負の連鎖に読むことが辛くなるような内容が続きます。読書メーターのレビューを見ると、つらすぎて途中で読むのを諦めた方もいるようでした。私の場合、宇佐美さんの作品は『羊は安らかに草を食み』(4月に読了)に次いで2作目だったので、ある程度覚悟をして読みました。

それでも読むのをやめられない。圧倒的な筆力を感じます。
そして作品終盤になって、えっ?と騙されていたことに気付くのです。

ずっと同一人物だと思っていた二人が別人で、別人だと思っていた二人が同一人物で、読み終わってもなお頭が混乱していました。言われてみれば、生きている時代も違っていた。児童虐待という重いテーマに気を取られ、完全にミスリードされていました。

宇佐美さんはホラー作家、ミステリー作家なんですよね。しかも女性だった❗️
きっと「してやったり」と思っているに違いない😞

『羊は安らかに草を食み』同様、中盤で気分が沈むこと間違いなしですが、最終的にはハッピーエンド? もろ手を上げてハッピーとは言えませんが…。

以上、★5つ4作品すべて、読んでよかったなぁ〜としみじみできる内容でした😊


次点★4つは『燃えよ、あんず』『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』
の2作品でした。

藤谷治さんの作品、地味ですがとてもユニークな作品でおもしろい。

不思議な構成になっていて、時々登場する由良という人物が不思議で怪しくて、最後までよくわからんかった。
途中まで???なこともありつつ、中盤から急にジェットコースターのような怒涛の展開に❗️第4部「ぽんこつたち」の章が、とにかくスピード感があって笑えます。

父親の獅子虎(すごい名前)もね〜、強烈なキャラクターなんです。
おすすめです。


最後に、『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』 について一言。

第18回『このミステリーがすごい! 』大賞・大賞受賞作品ということで、かなり期待して読みました。

実際に使用している本の用紙の名称が書いてあったり、おもしろい仕掛けはあるものの、肝心の紙鑑定士である必然性はあんまり感じられなかったかなぁ。
どっちかというとプラモデルの方がメインになっちゃってるし…。

蘊蓄本としてはありだけど、ミステリーとしてはどうなんでしょう。シリーズ2作目も読むつもりだったけど、やめました。



絵本・レシピ本 他

・『ピヤキのママ』  ペク・ヒナ

・『力尽きレシピ』  犬飼 つな
・『極上ずぼら飯』  だれウマ
・『クックパッドの裏ワザ料理ベスト100』
・『悶絶ずぼら飯』  だれウマ

・『100円ショップで楽しむ多肉植物』  榛原 昭矢

だれウマさんの『ずぼら飯』シリーズ、写真がとにかくおいしそうで4〜5つは作りました。
「超半熟煮卵」と「なすの蒲焼丼」、「長芋とオクラの梅あえ」はおいしかった。

でも、基本甘くて、くどい傾向が。ポテトサラダに味噌とかキュリのQちゃんに砂糖たっぷりとか、バターもお好きのようです。
若い男性向けかなぁ〜。
ただ既成概念にとらわれないレシピは勉強になります。


ノンフィクション

・『探検家、40歳の事情』  角幡 唯介
・『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した』  ジェームズ・ブラッドワース
・『僕が考える投資について』  松浦 弥太郎

角幡唯介さんは、『空白の5マイル』を読んで以来かも。クールなイメージが、これを読んでイメージが瓦解しました。

小学生の頃、かなりの確率でランドセルを忘れて登校していたって!その他数々の忘れ物列伝が。本人は集中力がどうのとか言い訳を述べているけれど、今なら病名がつくレベルではと思いました。

「探検とは簡単にいうと、日常を飛び出し非日常の世界で未知をさぐる行為である」

『探検家、40歳の事情』あとがきより

少しでも原始人に近づきたいらしい(⁉️)けど、ずっと原始人でいたいわけでもないんだなぁ〜。
極地の食事情とかなかなか興味深いです。


英国で”最底辺”の労働にジャーナリストが自ら就き、体験を赤裸々に報告したもの。2019年発行。

読みにくい文章(話があちこちに飛びまくる)の上に、暗くて重い内容でなかなか読めなかった。
働いたのは、Amazonの倉庫、訪問介護、コールセンター、ウーバーのタクシー。
Amazonとウーバーの章だけ読めばよかったかな。

閉山された炭鉱跡に、Amazonの倉庫ができて雇用が生まれるかと思いきや、働くのはルーマニア人などの移民ばかり。最低賃金の上に、欠勤遅刻などでどんどんポイントが削られ、6ポイント貯まるとクビ。1日平均16キロ歩き、窓のない倉庫で10時間労働、休憩は30分1回、10分2回。セキュリティーゲートを抜けて休憩エリアまで7分かかる。ということで英国人はAmazonでは働かない。

世界中のAmazonがこうなのかは知りませんが、私たちがネットでポチッとした先に、こういう労働があることは認識していたいと思いました。


7月に読んだ本を、なんとか8月上旬に投稿できてよかった…。
別に夏休みの宿題でもあるまいし、どうでもいいんですが。

ではまた👋


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