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そろそろ心の準備をしよう
本帰国が決まっている。
「本帰国」というのは、海外駐在など海外に長期滞在している人が、家を引き払って日本に帰国するというときによく使われる言葉だ。むしろそれ以外であまり見かけたことがない気がする。
「一時帰国」の反対語みたいな感じ、なのかな?
実は帰国まであと1ヶ月ちょっとというところまで来ている。
帰国準備は色々と進めているけれど、心の準備があまり進んでいない。
正直、寂しいな、帰りたくないな、という気持ちが強い。
日本に比べたらドイツ生活は不便なことが多いけれど、いいことも多い。
閉店法などの影響で土日(特に日曜日)はのんびりするしかない状態になっていて、日本より祝日が少ないのに、日本より圧倒的に休むことが許されている空気感がいい。
自分の都合を優先することを許されるのも好きだ。
ただ、ドイツや周辺国の情勢などを見ていると、潮時かもしれないとも思う。
実際この2年弱の間に、住んでいる街の雰囲気がかなり変わってきている。住み慣れるまで気づかなかっただけかなとも思っていたのだけれど、アパートの大家さんも似たことを口にする。長くこの町に住んでいる人たちも、少なからず町の変化を感じているのかもしれない。
近くの国では戦争が続き、移民・難民問題や国家の政策への反発も大きく、最近は大人数を巻き込む事件もよく起きている。
GDPは日本を抜いたとはいえ、ドイツも日本に負けず不景気だ。そこに国際問題もおり混ざっていて、グローバリズムの波と反グローバリズムの波が衝突して、白い飛沫を上げている感じもある。
これから日本でも起きてもおかしくないことを肌で感じることができたのは、とても貴重な経験だったと思う。
帰国後に楽しみにしていることもないわけじゃない。
友人たちとの再会も楽しみだし、この2年で仕事でもnoteを含むプライベートでも関わる人が変わったから、そういう方々に会ってみるとか、そういうこともしてみたい。
日本語で書かれた紙の本が買えるのも嬉しいし、読める本だらけの図書館へ行くのも楽しみだ。
豆腐や納豆、油揚げが日常的に食べられる日々もとても魅力的だ。
醤油が高くて久しく作ってなかった味玉も作って食べたい。美味しい味噌と再会したい。梅干しを自分の手で漬けたい。
魚介豚骨のつけ麺かラーメンと、サーモン以外のお寿司を食べたい、というか回転寿司行きたい。あ、焼き鳥と焼肉も食べたい。
あ、あと乳製品の入っていないお菓子が食べたい。和菓子全般楽しみだけれど、豆大福とかみたらし団子を食べるのが特に楽しみだ。
とはいえ、日本も色々と大変な時だと思う。
ニュース記事などで見ている限りだけれど、色々と過渡期だし変容している最中なんだろうなと感じる。これから先、ドイツ生活でやってこれたことでできなくなることもあるだろうし、それより前にあった日本での暮らしでできていたことの中にも、もうできないことがあるかもしれない。
30年以上生きてきた国に帰るとはいえ、「戻る」というより、1から始めるくらいの気持ちのほうが気が楽かもしれない。
期待値と目標を上げすぎない。
まず最低限生きられるように生活を整える。メリハリを意識する。
エンタメで憂さ晴らしばかりしてないで、ちゃんと寝る、休む、体を動かす。
これで心と体が整うというのは、ドイツ暮らしで学んだことだ。
さて、帰ってからどう生きようか。
この国や旅先で知ったことを踏まえて、納得いく暮らしをするためになにをしよう?
食べたいものばかりが浮かぶ頭を駆使しながら、今改めて、考えている。
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