勇者はキリストだった!?ロトの紋章一番の名シーンと名ゼリフはここしかない!と気がついて感動した話
ロトの紋章の一番の名シーンはどこか?
久々に読み返してみて、私は7巻のこのシーンだと思う。
『どうか、、どうかぼくを許してくれ』
勇者アレルの出生の地であるアリアハンを訪れた勇者アルス御一行。
獣王グノンが率いるモンスターの大軍にアリアハンが包囲され、アルス1人で戦いに行かなくてはアリアハンの民が皆殺しにされる状況に置かれる。
最初はみんなで戦いましょうと民を鼓舞していたアルスだったが、ついさっきモンスターに父親が殺された少年が現れ、きつ〜い一言を言われる。それに対してアルスが少年に漏らしたこのセリフ。
子供の時にこのシーンにどう感じていたかわからないが、
改めて読むと、このシーンが1番涙腺にくる。
ここ数日はこのシーンが特にフラッシュバックし、辛い、、、あるすぅ、、ずっと辛かったなぁ、、ってなる。
大人になった今、子供の頃にこの漫画を読んでいて本当に良かったと思える一コマだ。
そして気がついたことがある。
ロトの紋章という作品にはキリストの物語が下敷きになっているということに。
この絵を見ると、どー見てもルナフレアは聖母マリア様だ。
ルナフレアという処女から生まれた子供
それがアルス。
という意味合いで描かれているような気がする。
つまり聖書におけるイエスと同じ。
そんなアルスは蜃気楼の塔内にある
真実の森で『荒野の誘惑』をくぐりぬけ
各地で奇跡を起こし
テドンでは死者(ポロン)を蘇らせ(比喩的に)
アリアハンという聖地にて
グノン戦というゴルゴダの丘で
人々の罪を贖いに行く。
そしてジャガンに処刑され
後日復活して救世主になりました。
11巻までの話はこのようにイエス•キリストの物語そのものだ。
冒頭の少年はアルスになんと言ったのか?
『もしお兄ちゃんがホントに世界の希望なら…
ぼくのお父ちゃんを生き返らせて‥』
この子供のセリフはやばい
この漫画の一番の確信部分
重大なテーマではないだろうか?
だから一番の名ゼリフだと思う。
この時、アルスの脳裏には両親や、アッサラームでの出来事や、ボルゴイの顔が思い浮かんだに違いないし、この後もずっとこの言葉を引きずっているのだと思う。
『どうか、、どうかぼくを許してくれ』
ロトの紋章の物語の中で、アルスがこれ以上の本音を語ったことはないと思う。
勇者アルスは許されたくて闘っているのだ。
勇者として自分が愛されたが故に不幸になる人がいた。
アルスはその罪悪感とずっと闘っていたんだなぁと思う。そしてそれほどまでに罪を感じるぐらいアルスは人を愛しているのだ。
このシーンこそアルスが勇者である証であり、
アルスの心の叫びでもある。
アルスにとって、自分が愛されたこと(勇者として)は罪であり、魔王軍と戦うことはその罰なのだ。
そして、アリアハンの人々もまた、自分たちが勇者であろうとすることは罪だと思っている。
だからアルスに石を投げるのだ。
しかし、だからこそアルスは1人、人々の罪を贖うために魔王に挑んでいく。
ってことだと解釈できると思うんだけど、、、
キリスト的な話をしれーっとやっている。
解釈間違ってるかもしれないが、、、だいたいこんな感じだろう。
と言うか、救世主の物語を書こうとするならそりゃキリストは参考にしますよね。
僕が今さら気づいて騒いでるだけかな、、??
でも、なんかこれに気がついてめちゃくちゃ感動しました。
そして、
そしてそれ故に「光の指輪」をアルスが装備していないのが勿体無い。
少年を抱きしめた時にアルスの指に光の指輪があり、そのルナフレアの形見である指輪が光っていればアルスの内面の葛藤をより描けたのでは?と思うからです。