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【小説】不夜城 (馳 星周)
台湾人と日本人のミックス(半々)である劉健一は、歌舞伎町で故買屋を営んでいる。
ある日、かつての相棒・呉富春が歌舞伎町に舞い戻り、上海マフィアの幹部を殺して逃亡した。
噂を聞きつけた上海マフィアのボスは、健一に富春を探し出すように命じる。
そんな健一の前に、富春を売りたいという謎の女が現れる...というお話し。
誰しもが何かに追われ生き急ぐ。
生き延びるために次々切られる新しいカード、それでも予想外のところから追い詰められて、やり返したと思ったらまた追われて、最初から最後までぐいぐい物語に引き込まれる。
だけど、登場人物の誰一人にも感情移入が出来ない。
何故か?
みんな嘘つきだからなのかもしれない。
なんなら語り手、主人公自身までもが嘘をついてるからなんだろう。
自分以外誰も信じはしない。
彼らが生き延びるためには当前の感情なのかもしれない。
騙すか、騙されるか。
殺るか、殺られるか。
読んでいる間ずっと重苦しい緊迫したドライブ感。
誰も信用できず、裏切りに怯え、それでも貫こうとした1人の女性への愛。
それ故かラストはどこか眩しく輝やかしさすらあると思えてしまう。
実に興味深い。
続編もあるらしいが、また気の向いた時にでも。
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