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【小説】すみれ屋敷の罪人 (降田 天)
長らく手付かずだった戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された二つの白骨死体。
紫峰家は、すみれの花で彩られた美しい館に暮らす一族だった。
当主の太一郎と、葵・桜・茜の美しい三人の姉妹たち。
四人は終戦間近、東京大空襲によって亡くなったはずだったが…というお話。
ありとあらゆるしがらみが纏わり付く紫峰家の歴史。
複数の人物の視点から紫峰家について語られ、真実が明らかになっていくミステリー。
語り手によって語られる風景が違うという楽しみ方は芥川龍之介の藪の中の様だった。
何が真実で何が嘘なのかが書かれているところがよき。
個人的には分かりやすくイイ話だなぁ的に終わるミステリーな感じはちょっと苦手だったかな。
イイという事はイイと思うんだけど、そう言った事はあまり語らず匂わせるくらいに止めるくらいが好み。
穏やかでいてどこか暖かく儚い終わりのミステリーが好みな方におすすめかな?
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