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【小説】死にたくなったら電話して (李 龍徳)

現在3浪中の浪人生、徳山。
バイト先の仲間に連れられて行ったキャバクラのNo.1キャバ嬢、初美に気に入られる。
後日、初美から「死にたくなったら電話して」というメールを受け取り、徐々に彼女へ惹かれていくのだが...
というお話。

タイトルからして自殺者を救う物語かなと思ったが逆に後押しする本だったという。

実に退廃的だなと思いつつ、これも一種の現代的価値観の一つなのかもしれないと思わずにいられない虚無感というか諦念というか、何なんだろなぁ。

個人的に初美には少しサイコパス的な価値感が無きにしも非ずかなと思えた。
独自的な価値感や強制はしないが身勝手な秩序、相手を蠱惑的な立ち振る舞いで誘惑する様は、実に危うい存在だ。
危うく毒々しくも、魅力的な存在に触れるという禁忌な存在と、それに対する快感。
底なしの沼に入り込んでいくというスリル、とでも言ったところか?

あらゆる欲求を綺麗になくすというのは生きているのか、死んでいるのかが、そんなに変わらないという感覚の現実なんだろうか?
筆舌に尽くしがたいものだな。

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