【小説】倒錯のロンド 完成版 (折原 一)
推理小説新人賞に応募しようとした自信作が盗まれた。
そして同タイトルの作品が受賞作に。
時代の寵児となったのは白鳥翔。
山本安雄がいくら盗作だと主張しても誰も信じてくれない。
原作者は執念で盗作者を追いつめるが...というお話し。
「盗作」と「倒錯」この読みは同じな2つの文字をキーワードに展開されていく物語。
作家を目指す青年が書き上げた渾身の小説を巡って“原作者”vs“盗作者”の熾烈な戦いが繰り広げられる。
最初から最後までとにかく作者の思惑どおりに誘導され、掌の上で転がされた感覚。
見事に倒錯させられた。
まさにタイトル通り、どこからどこまで伏線なんかわからんくなるくらい、ぐるぐるとトリックがはりめぐらされている。
脳みそをかき回された感じがした。
倒錯ぶりは半端ねぇので、こちらの頭まで倒錯してくる。
そして、2人とも狂っていく様がまた気持ち悪いのなんのって。
ただ、個人的にはこの種のトリックは、物語が不自然になりがちに思える。
その点を気にせず堂々と勝負しているのには好感持てるけど...自分にはどーもどんでん返し系統のオチは向かないらしい。
若干都合の良いような設定や自画自賛的な台詞については、まぁご愛嬌って感じかな。
#読書 #読書記録 #読了 #小説 #読書感想文 #読書好きな人と繋がりたい #講談社文庫 #折原一