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【小説】「人間そっくり(安部 公房)」
「こんにちは火星人」というラジオ番組の脚本家のところに、火星人と自称する男がやってくる。
果たして男は狂人なのか、それとも火星人そっくりの人間なのか、あるいは人間そっくりの火星人なのか?
火星の土地を斡旋したり、男をモデルにした小説を書けとすすめたり、変転する男の弁舌にふりまわされ、脚本家はしだいに自分が何かわからなくなってゆく…というお話し。
たった数時間、ほぼ男2人の会話で進む物語。
自分が地球の人間であるという、当たり前が前提の事を証明する難しさが面白おかしく描かれている。
言うなれば「安部公房的悪魔の証明 どっちが悪魔でSHOW」みたいな?
アイツは火星人なのか?
はたまた火星人ぶっている人間なのか?
寧ろ自分が火星人であいつも火星人で?
アイツが俺で俺がアイツで?
アイデンティティクライシス的な要素も手伝って倒錯感が生じつつも、独特のやわらかい雰囲気の中に、鋭い一説や理論が感じられて良き。
ところでトポロジーって美味しいんすか?
オヤツに入ります?
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