40代男性が3年間伸ばした50cmのロン毛をヘアドネーション用にカットした話
3年ほど伸ばした髪をついにヘアドネーション用にカットできました!
そもそもヘアドネーションをご存知ない方も含め、少しでも周知に協力したく、
40代男性がどうしてロン毛になったかなども交えながら、以下に記します。
因みに「ヘアドネーション」と検索すると、
「意味ない」というようなネガティブワードがあとに続いて出てきますが、
やっぱりそんなことはなく、実際に待っている方はたくさんいるようです。
#髪を伸ばす
髪を初めて縛ったのが2018年4月14日でした。
その頃はとても忙しく、髪を切りに行く時間が作れなかったのも然ることながら、
当時の髪型が、伸びてきてもそれなりに何となくまとまってくれていたもので、
あまり切羽詰まることもなく、既に耳の下あたりまで伸ばしてしまっていました。
4月14日は、ある取材(する側)を行う日だったので明確に覚えているのですが、
少しカッチリ目のジャケットを着て出掛けようと準備を始めたにもかかわらず、
そんな日に限って髪の機嫌がどうにも悪かったのです。
仕方がないので応急処置的に初めて縛り、アホ毛はワックスで撫でつけました。
取材先に着き、ロビーのソファーで待っていると、
少し後から顔馴染みのカメラマンさんも到着し、いきなりこう言ったのです。
「今日の髪、なんかいい感じですね」
「いい天気ですね」くらいの挨拶代わりのお世辞に気分を良くしてしまった僕は、
以降、女性のシニヨンのように、うなじにお団子を作るようになったのでした。
#31cm以上の長さが必要
顎の下くらいの長さになった年末、久しぶりに帰った実家で妹に会いました。
そこで妹が言ったのが、「ヘアドネーションでもしてみたら?」でした。
僕は初めて聞き、妹は経験済みというその“ヘアドネーション”とやらは、
つまりは「ヘア(髪)」の「ドネーション(寄付)」で、
何かしらの理由や治療の副作用などで毛量が少なくなっている人に、
僕の髪をウィッグにして使ってもらえるという素敵な話でした。
世の中には男のロン毛を良く思わない人も少なからず居るので、
年末までの間で既に「髪切ったら?」みたいな人は時々現れており、
“ニッポン男児らしからぬ容姿的後ろめたさ”も持ち合わせていた僕は、
このヘアドネーションという目的の出現に救われ、惹かれたのでした。
調べてみると、ヘアドネーションの受付には幾つかの団体があるものの、
どの団体でも寄付に必要な長さが規定されているようでした。
すぐに15cmや31cmという表記を目にしますが、
NPO法人「Japan Hair Donation & Charity」によると、
どうやら頭を覆うことができる「フルウィッグ」を作るためには、
最低でも31cmの長さが必要だということがわかりました。
31cmでも実際に使えるのは半分の15cmほどらしく、
15cmと言えばいわゆるショートカットくらいでしょうか。
そして1人分の髪ではフルウィッグは作れず、
なんと1つにだいたい30〜50人分の寄付が必要とのことで、
できたウィッグは Japan Hair Donation & Charity の場合、
「頭髪に悩みを持つ18歳以下の子どもに無料で提供される」とありました。
これはやるしかない!
セミロングのウィッグを作るための50cm以上の寄付や、
ロングのウィッグが作れる75cm以上の寄付もあるようでしたが、
ひとまず31cm以上を目指して伸ばしていく“ロン毛生活”を始めたのでした。
#ヘアドネーション対応サロンでカット
あの初めて髪を縛った日から3年弱。
時々定規を充ててはまだ31cmに足りていないことを嘆いたり、
一方で、実は周囲から労われるほど大変でもないロン毛生活を楽しんだり、
かと思えばシャンプー中に絡まった毛先を泣く泣く5cmほど切ったり。
僕の場合は仕事柄、必ずしもそこまでお堅い服装や髪型は求められず、
コロナ禍でのステイホームや理美容離れ、リモート促進なども手伝って、
順調に(?)今日まで髪を伸ばし続けてまいりました。
そしてそして。
何となく先週末、何となくそろそろ実行する時だと思い立ち、
ついにヘアドネーション対応サロンにてカットを決行したのです!
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これは美容室へ行く時にマンションのエレベーターで撮った写真です。
髪の長さを見やすくするためコントラストを強くしているのと、
顔や階数ボタンなどはガッツリとボカしています。ご了承ください。
ほどいた状態で優に胸の下くらいまでの長さがありました。
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美容室で髪を少量ずつ輪ゴムで束にしてもらった状態の写真です。
このあとこれらの束の全てを頭から切り離していくことになります。
よく見かけるヘアドネーション風景はもっと下に8束くらいを作っていますが、
僕は思いっきり短く切るつもりだったので根本から束にしてもらうことができ、
そうなると上の方からも束が作れるので、合計30束以上が作れました。
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切り離した毛束たちです。
文庫本がスケールになると思いますが、
頭の前側半分あたりからは31cm以上クラスの束が取れ、
後ろ側半分あたりからはなんと50cm以上クラスの束を取ることができました!
因みに、年齢的にも白髪がそれなりに混ざってきている髪なので、
「そんな髪を18歳以下に寄付していいものか」と美容師さんに聞いたところ、
きちんと処理をしてからウィッグにするそうで、問題ないとのことでした。
カラーリングをしている髪などでも大丈夫なんだそうです。
また、短い髪が混ざっていたり、31cm以上と50cm以上が混在することなども、
同じくウィッグにする前に選別したり整えたりするため、問題ないんだそうです。
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そうして寄付用の毛束を作ったあとは、自分の髪型を整えてもらいました。
写真は顔をスマホで巧妙に隠し、且つ下半分を思いっきりボカしています。
顔バレするのイヤなもんで。これまたご了承ください。笑
ヘアドネーション云々以前にここまで短くしたこと自体が10年以上ぶりくらいで、
ロングからベリーショートへの反動による快感もあまりに強烈だったため、
カット直後からシャンプーが終わるまで、暫くヘラヘラと笑っていました。
ヘアドネーションは自宅でできないこともないそうですが、
一定量ずつほどけないように縛った毛束を作り、それをカットしていくことや、
毛束で切り離すとどうしても一時、ギザギザの“ザンギリ頭”風になるので、
それをきれいに修正できるという意味では、やっぱり美容室がおすすめです。
尚、ヘアドネーションはどこの美容室でも受付けてもらえるわけではなく、
対応できるサロンは対応できる旨をホームページなどで謳っています。
因みに僕が行った美容室はこういう活動に積極的に賛同されており、
毛束を作る手間賃などは一切なく、通常のカット代のみで対応されていました。
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最後に、タイトルからずっと「ヘアドネーションをした」ではなく、
「ヘアドネーション用のカットをした」と書いてきた理由を記しておきます。
今は、緊急事態宣言下の影響で、髪の受付や仕分けを集まって行うことができず、
JHD&Cのページに、少しの間だけ送付を控えてほしいとのお願いが出ています。
なので僕も、緊急事態宣言が明けてまた寄付の受付が開始されたら、
この切った髪たちを送り出し、ヘアドネーションを完了させようと思っています。
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【 後日追記 】
JHD&Cが、2021年3月1日にヘアドネーションの受付を再開しました。
#もっとヘアドネーションを知る
ヘアドネーションに興味を持たれた方は、
NPO法人「Japan Hair Donation & Charity」のページをぜひ見てみてください。
またもし、髪を伸ばしていた僕にだからこそ聞いてみたいようなご質問があれば、
こちらのコメント欄に書いてください。喜んでお答えします。