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高校生「ショーシャンクの空に」を観る
みなさんは「ショーシャンクの空に」をご存知ですか?
この映画は、2015年にアメリカ合衆国議会図書館によって「文化的、歴史的、芸術的に重要な映画」として保存され、それは公開されてから25年経ってからの事でした。
公開当初あまり人気が出なかった今作が注目を浴びるのは、公開から少し経った後だったそうです。
今回はそんな「遅咲き」な名作「ショーシャンクの空に」を鑑賞して僕が抱いた感想と自分なりの考察を述べていきたいと思います。
※「考察」以降はネタバレを含みます。
感想
この映画を最初に観た時、僕は今作を「美しい」と感じた。「秒速5センチメートル」を彷彿とさせる詩的な表現に、ドロドロした刑務所を彩る美しい空。
これらはどれも、腐敗した刑務所や、主人公の背景といったドロドロ要素によって引き立てられる。
地面が汚れているほど、そこに咲く花はより一層美しくなる。今作は、そんな映画なのである。
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考察
神様の言う通り
作中、主人公のアンディは囚人という立場から、所長にこき使われ、その姿はさながら「主人と従人」であった。
しかしその関係は終盤で逆転する。
所長はまんまとアンディに出し抜かれ、アンディを利用し成功するどころか、警察に追い詰められ拳銃で自殺してしまう。
そして当のアンディは実際「従人」ではなかった。
所長を利用し自殺に追い込み、自身は脱獄し自由を手に入れるその姿はまさに「主人」であり、「救いはこの中に」この言葉は所長ではなく、アンディのものであったのだ。
チェス
そしてこの逆転劇はチェスのようである。
序盤でアンディが欲しがった「ロックハンマー」という小さな一手こそ、チェックメイトへの大きな足掛かりであった。
ロックハンマーも所長も壁に貼ったポスターも、彼にとっては駒に過ぎなかったが、その小さな選択の積み重ねによって、この華麗な脱獄を成し遂げたのだ。
つまり作中登場する「チェス」は、この作品のメタファーなのであろう。
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2人の違い
終盤、仮釈放されたエリスは、自殺したブルックスの軌跡をなぞった。
死んだブルックスの部屋に住み、慣れない外ではスーパーのバイト。生きた心地のしないこの生活は、エリスにとっても耐え難いものだったはずである。
しかし自殺した先人とは違い、彼は死ななかった。それどころか頑張って生きようとした。
刑務所暮らしにすっかり慣れ、外での生活が苦しい二人の何が違ったのか、たぶんそれは、生きる「目標」の有無であろう。
おそらく彼は仮釈放が認められるその前から、「頑張って生きる」と決めていた。
何せ彼は刑務所暮らしの30年間で、仮釈放の機会が何度もあったというにも関わらず、彼はアンディとの約束という「外で生きる言い訳」を手に入れるその日まで、彼は出られる訳も無い言い文句で「頑張って死ぬ場所」から出ようともしなかったのだから。
まとめ
❶美と闇の対比
詩的な映像表現によって、美しさが腐敗した刑務所という暗い背景と対照的に描かれている。まるで「汚れた地面に咲く一輪の花」のような印象を受ける。
❷アンディと所長の関係の逆転
初めは「主人と従者」のような関係だったが、物語の終盤でアンディが所長を出し抜き、所長は自殺に追い込まれる。一方、アンディは脱獄し自由を手にすることで、「救いはこの中に」という言葉が、実はアンディ自身に当てはまると示唆される。
❸チェスの一手が織りなす逆転劇
アンディの脱獄は、まるでチェスのような戦略の積み重ねだ。序盤のロックハンマーという小さな一手が、最終的な脱獄(チェックメイト)への布石となり、所長やポスターといった駒たちがその一手に応じて動いた。作中の「チェス」は、この戦略性の象徴である。
❹生きる目標の有無が運命を左右する
仮釈放後、刑務所生活に馴染んでいたブルックスと、外で頑張って生きようとするエリスの対比から、生きる「目標」があるかどうかが、人生の行方や心の状態に大きく影響することが浮かび上がる。
今後の展望
中々に感動する映画でした。特に牢屋の外で二人が再開するシーンは、涙無しでは観れないでしょう。
個人的には「フォレストガンプ」や「インターステラー」に並ぶ、感動作品です。
あと前回コメントでSF短編集についても触れて欲しいあったのですが、実は前から僕も気になっていたので、近々読んでみようかと。
ここまで読んで頂きありがとうございます😊
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