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「PAD MAN」という映画にビジネスの本質を見た

体調が相変わらずイマイチなので、
昨日は家でNetflixの映画を観ていました。

「どれにしようかな〜?」とラインナップを見ていると、
オススメの中に「PAD MAN」というインド映画が入っていました。

インド映画はわりと印象が良いのだよね。

だいぶ前に観た「きっと、うまくいく」は結構良かったし、
まだ観れていないけど「ダンガル きっと、つよくなる」も面白そうで。
(チャンスがないまま忘れてた ^ ^;)

で、今回出てきたインド映画「PAD MAN」のあらすじを見てみると、
これが結構センセーショナルな内容っぽく・・。

以下あらすじ

「パッドマン 5億人の女性を救った男」
貧しくて生理用ナプキンが買えない妻のため、世間の目を物ともせずに低価格のナプキン開発に尽力した男の物語。妻への愛はインドの全女性の救済につながっていく。

Netflixより


この映画は2018年に公開された実話らしく、
この話自体は2001年ごろのものらしいです。


単にセンセーショナルなネタを映画にしたものと思いきや、
その中身はとても奥行きがあり、内容の濃いものでした。

これね、舞台がインドって所がまた意味が大きいのだよね。

以下ネタバレも含みます。


主人公のラクシュミは新妻が月に一度、
5日ほど外で過ごすことに疑問を持っていました。

インドの田舎では生理の日は穢れとされ、家の外で過ごすのだそうです。

ベランダで寝起きする妻、それだけでなく手当は不衛生なボロ布。

それを見てラクシュミは生理用品を自ら買ってあげるのですが
(日本でもこんな男性いないよね ^ ^;)、
「こんな高いもの使えない! 返してきて!」と妻に言われてしまいます。

そう、インドでは海外製の生理用品は高価なものなんですね。

ある時、ラクシュミは医者からその不衛生な手当のせいで、
病気になったり命を落とす女性も少なくないと聞かされます。

「大事な妻がそんな事になるのは嫌だ!」
という思いが溢れたラクシュミは、
妻に不衛生なものを使わせたくない、
また、5日間の身動き取れない生活から自由にさせてあげたいという
思いから、自作の生理用品を作るんですね。

しかし案の定そう簡単にきちんとしたものは作れない。

試行錯誤を繰り返すうちに周りからは変な目で見られるようになります。

そしてついには妻にも引かれてしまい、村から追放までされてしまいます。

それでもラクシュミは諦めず、
田舎の女性でも安く買える生理用品の開発に尽力し、
そのうちに新たな出会いから理解者が出てきます。

そんな人たちの協力で彼のやろうとしている事が評価され、
きちんと使える生理用品が完成し、田舎の女性の手にも渡っていきます。

使ってみて気に入った女性がまた別の女性に勧めて
安価で販売していくことで、どんどん売上が増えていく。

この映画の見所は、単なるサクセスストーリーではない事。

インドの田舎の女性はアル中の旦那から暴力を振るわれても、
仕事も無く他に行くあてもないので耐えるばかりの生活をしています。

でも、この生理用品を販売して
収入を得ることができるようになり、女性達は自立していきます。

5日間家から出れない制約もなくなり、
みんな生き生きと生活できるようになっていく。

そんな所に感銘を受けました。

私はインドではないですが、
発展途上国の雑貨を販売するお店をやっています。
この映画みたいな規模ではない、本当に小さなお店ですが。

最初にこのお店をやろうと思ったきっかけは、
その国の田舎の女性の仕事を応援したい気持ちからでした。

なのでなんだかこの映画は人ごとに思えなかったんですよね。
(私はラクシュミほどアグレッシブにはなれませんが)

YouTubeとかこのnoteでも散見しますが、
ビジネスで成功するとか「〇〇円稼ぐ!」みたいな情報が溢れていますが、
儲ける事が目的のビジネスって長く続かないような気がします。
(っていうかそういう情報のほとんどは嘘だと見ていますがね)

ラクシュミのように
「こうしたい、こうしなきゃ!」というまず『熱い思い』があって、
それを自分なら解決できそうな技術や知恵があって、
それで困っている人、それを必要としている人がいて、
それらが結びついた時に、
ビジネスって成功するんだろうなって思いました。

ラクシュミが凄いのは、
田舎の女性たち自身も必要だと自覚していなかった点に着目して、
その大事さも合わせて訴えていった所だと思います。

女性たち自身も次第に覚醒して行く様が
パァーッと霧が晴れるような痛快さがあります。

私自身も昭和の古い人間なのか、生理の話を大っぴらに語るのは、
恥ずかしいとか、はしたないというような思いがありました。

でも、明るく真面目に生理を考える映画、
これはみなさんにもお勧めしたい。

いや、この映画の本当のテーマは「愛」とか「ジェンダー」、
「女性の自立」そんな所かもしれません。

コミカルな部分もあり楽しめる映画です。
良かったら観てみて下さい☆

↓ネトフリバージョン


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