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創造性とは?

まだ世にない「創造力を鍛える仕組み」を作り出し、世に広めていこうとしています(前回記事参照)。

どんなモノ・ゴトを創造するかというと、個人ならば「映画や漫画などのコンテンツの原作となるコンセプト」「作曲やオリジナルのイラスト作成時のきっかけとなるインスピレーション」、ビジネスならば「新規事業案や企画などのベースとなるビジョン」などです。つまりは、創造性の高い「0から1を生み出すようなアイデア」を創造することです。

と、ここまでで、創造力、創造性、創造という言葉が出てきてます。この辺りがゴチャゴチャになりやすいと思っています。創造力と創造性なんて、英訳すると両方とも「クリエイティビティ(creativity)」だし。創造力を鍛える仕組みを作るからには、創造力とは何か、創造性とは何か、をはっきりさせたいと思います。

それが「創造性とは何か?」という疑問をもつ方の理解の一助になれば幸いです。

創造性の辞書的な定義

創造性でググる。「〜とは?」系の疑問の検索トップ常連サイトWeblioによると、

創造的であること。何かの真似ではない、独自の有用な案を生み出すこと。また、その度合い。オリジナリティ。
(Weblio「創造性」より引用)

んー、この定義だと上で書いた創造するものに当てはまりにくいものもありそうです。子供のイラストなどの創作は創造性が発揮されるけど「真似ではない」で「有用」なのだろうか。より掘り下げて創造とは?

新しいものを初めてつくり出すこと。「文化を創造する」「創造的な仕事」「創造力」
(Weblio「創造」より引用)

創造が「新しいものを初めて作り出すこと」だとすると、それに「性」つけたら「作り出したものの新しさ」にならないだろうか?

辞書だけでなく専門家の意見も確認したい。
創造性について研究している「日本創造学会」という学会があります。
この学会のサイトに「創造の定義」というページがあります。
このページ見ると、研究者各人が独善的に言いたい放題。人の分だけ定義があります。その各人の定義を日本創造学会でまとめた結果が以下です。

創造とは、人が異質な情報群を組み合わせ統合して問題を解決し、社会あるいは個人レベルで、新しい価値を生むこと
(日本創造学会 創造の定義より引用)

創造は、なんだかんだで「新しい価値を生むこと」と。
無理に言葉にまとめようとしてキメラ合体のようにごちゃごちゃしたような…。スッと身に入ってきません。

鍛える仕組みための「創造の定義」

鍛えていく仕組みためには、創造を筋肉のように色々なパーツに分解できる必要があります。そのため、もれなくダブりのないきっちりとした分解のしやすさを重視した定義である必要があります。

創造の定義の前に、創造と創造をハッキリしておこうと。
以下のように定義します。

創造 = 創造する能力の強さ
                 強さなので筋力と同様に自分で鍛えることができる
創造 = 創造力のモノサシ
                 独自性や新奇性や有用性などからなる度合い

辞書的には、両方ともCreativityとして創造性=創造力だけれど、鍛え上げていく力を創造力として分けた形だ。筋トレで例えると、創造力という筋力を鍛えて、創造性という筋力計で図る、というようなことだ。

では改めて「創造の定義」は何か?

創造 = 新奇で有用なモノゴトをつくること 
   = 新奇で有用な × (問題設定 + 問題解決)

まず、新奇で有用であることです。新奇であっても有用でなければ、ただシュールなだけですし、逆に有用であっても新奇でなければ、既存便利なものです。そのため新奇で有用であることは創造性の前提条件とします。

「モノゴトをつくること」は、問題設定 + 問題解決に分けました。
モノは物理的なもの、ゴトはサービスや概念など形のないものです。

問題設定と問題解決の分け方について説明していきます。

多くの創造性の定義は問題解決だけです。しかし、0から1を生み出すアイデアの創造を目指しているので、問題がわかっていたら0ではありません。なので問題設定と問題解決を分けました。もちろん、問題解決だけでも創造性のある独自でオリジナリティが高いこともありますので、問題設定と必ずセットであるというわけではありません。

じゃあ「問題」とは何か? 
「解くべき事柄」のような辞書的定義はありますが、ここでも分解性を保ちます。問題の定義はこうです。

問題 = 現実と理想のギャップ

現実と理想と隔てるものがあり、その差が問題です。
これを創造の定義に当て込んでいきましょう。
まず、創造力を鍛えることを目的としているので、「力」だけで考えます。創造の定義から創造力は以下のように考えられます。

創造力 = 新奇で有用な × ( 問題設定力 + 問題解決力 )

問題は現地と理想のギャップなので

問題設定力 = 現実の把握力 + 理想の設定力
問題解決力 = 現実を変える実行力 + 理想まで道順の設計力

理解のために旅で例えます。

まず、旅でどこかに行くとしたら、そもそも今どこにいるか、どこに行きたいか、が必要になります。「今どこにいるか」が「現実の把握力」、「どこに行きたいか」が「理想の設定力」です。実際に旅を進めるとすると、車を運転できるのか、それとも歩くしかないのかなど進む能力と、どこを経由していくかの道順の決定が必要です。「進む能力」が「現実を変える実行力」、「道順の決定」が「理想までの道順の設計力」です。

具体的に、創造物  である「漫画」で考えます。

まず、漫画を描こう!となったら「人に読ませたい漫画」「売れる漫画」「自分が読みたい漫画」「芸術性の高い漫画」「賞を獲得する漫画」など理想の漫画を明確にしていく必要があります。理想の設定です。並行して、「自分のストーリー構成能力や画力」「漫画市場の動向」「自分の趣向の追求の度合い」「芸術の傾向」なども把握していく必要があります。現実の把握というわけです。

実際に書き始めるとすると、ストーリー構成力や画力、数ページを書ききる遂行力などを駆使していくことになります。白紙という現在時点を原稿という形に変えていくのです。これが現実を変える実行力です。また、構成力や画力を鍛えることで質が、描くスピードを上げることで量が上がります。この能力の変化も現実を変えることの一つです。

また、どういったストーリーにするか、どういった視点にするかなど無限の選択肢のなかから決める必要があります。また、漫画の内容だけでなく誰かに手伝ってもらうか、どこの出版社に持ち込むか、などの選択肢もあります。どの選択肢を選ぶかが「理想まで道順の設計力」です。

漫画だけでなく、新規事業の企画など全ての創造するモノゴトも同様に考えられます。

まとめ

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創造力は新奇で有用な問題設定力と問題解決力。
これらの力を鍛えることで創造力が鍛えられ、創造性の高いモノゴトを生み出せる、というわけです。大腿四頭筋が大腿直筋や外側広筋などに分けられるように、分類した力もさらに細かな力に分けられると考えてはいますが、創造力の定義としてはこのレイヤーで見ていければ。

問題設定力と問題解決力の具体的な鍛え方は記事にしていきます。理論だけ、独善的にならないように鍛える過程と結果とともにお伝えしていきます。まず今回は「創造力の定義」でした。

新奇な有用な問題を設定するほど、新奇で有用な方法で問題解決を行うほど、創造性は高いです。創造性をモノサシとして創造力を鍛えていきましょう!

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