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あまり元気ではない/ASD長男10歳・境界知能次男8歳/二次元オタク/MMORPG

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育児まとめ

ASD長男10歳と境界知能次男8歳の発達や療育まとめです ASD長男のこと① ASD長男のこと② ASD長男のこと③ 長男がもう一度医療に繋がるまで 境界知能の次男のこと

    • 次男、覚醒

      次男がついにご飯を食べるようになった。 偏食も偏食で、一時期はチキンナゲット・餃子・ミートボールのローテーションをおそらく3年は繰り返したと思う。給食ももちろん食べられず、幼稚園時代は弁当持参、小学校からは食べられるものだけ食べる(最近は残して怒られることはない)スタイルでやっていたある日。 病院でもらってきた『コレステロールを減らす食事』『食べ物の糖質』などというパンフレットを熟読し始め、「ご飯と野菜とお肉をバランスよく食べないと大きくなれないんだ…」とブツブツ言い始めた

      • 五月病

        頭上を真っ黒な氷の塊で押さえつけられるような冬季鬱は終わった。 雪解け水が流れ、太陽光がきらめく春がやってきたのだ。 もう馬鹿みたいに厚着をしなくていいし、体のあちこちにカイロを貼り付けなくていい。陰鬱な顔で布団にくるまってガタガタ震えなくてもいい。 春だ!やったー! そして冬季鬱が終わり、次何がやってきたかと言うと、五月病である。 バイトを始めたこと、子供たちが進学して環境が変わったことなどが一気に押し寄せ、私の頭はパンク寸前だった。いや、もうパンクしているのかもしれない

        • 労働2

          前回のあらすじ https://note.com/nuts_milk/n/n03374c0bb94a というわけで2〜3年ぶりに外での労働を始めた。 仕事内容はとある店舗の清掃。 ごく短時間、週3日だけだけどそれでも立派な労働だ。 意地悪な人がいたらどうしよう…と不安だったのだが、それは杞憂だったようで、先輩スタッフや店長はみんな親切で優しい人ばかりだった。親切すぎて私が1質問すると10返事があり、それに加えて「わかりにくいだろうから」と説明をびっしりと書いた紙を作って

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        育児まとめ

          労働

          久しぶりに外で働くことになった。 コロナ禍のあいだ引きこもっていたので、私はどうやら丸3年外で働いていなかったらしい。(在宅の仕事は少ししていた) 業務はとある店舗のごく簡単な清掃で、簡単すぎてマニュアルすら存在しない。特殊な道具も使わないし、掃いて拭いて掃除機をかけるだけ。制服もないし服装規程もない。ネイルも自由。 お金の計算などもしなくていいし、1人で黙々と作業をして日報を書いて帰るだけ。研修で簡単に説明を受けたが、先輩2人とも優しく、とにかく「楽な仕事である」ことを強

          育児をやろうとしていた

          クローゼットの整理をしていたらここ数年全く取り出していないゴミだか何だかわからないものがいくつも出てきた。 ハロウィンの仮装衣装、クリスマスの飾り、たこ焼き器の箱、… どうやら数年前は色々やる気があったらしい。 ハロウィンやクリスマスなどの季節行事も積極的に取り入れ、家族で楽しもうという気持ちがあったようだ。 今はほぼ、ゼロである。 クリスマスツリーだけは出すが、それ以外は全くこれといってやる気がない。 これをすれば子供は喜ぶもの、これをやれば家族みんなで盛り上がる、そう

          育児をやろうとしていた

          久しぶりの発達外来

          先日、ASD長男の発達外来に行ってきた。「そういうところ」に行くのはおよそ4年ぶりである。 結論から書くと、特に何があったわけでもなかった。 結局のところ初回は問診だけで、WISCは5ヶ月後だという。その場でWISCをやるのだとばかり思っていたので拍子抜けした。私は持参した教室の画像を見せて懸命に説明した。長男の机だけが山盛りの工作物で溢れている。授業も受けずずっと工作をして、テストは0点を取ってくるのだ。移動教室にも運動会にも参加せず平然としているのだ──と。小児科医の先

          久しぶりの発達外来

          薄暗い朝に

          ここのところ、調子が悪い。 秋から正月あたりにかけて精力的に活動できたのが嘘のように、ぷつりとエネルギーが途絶えた。 疲れが溜まっているからだろう、寒いからだろう、低気圧だからだろう、冬だからだろう。そのすべてが当てはまるし、当てはまっていないかもしれない。冬季うつかもしれないし、単なるうつかもしれないし、そうではないかもしれない。すべてが漠然として、どろりと灰色に曇った冬の空のように心が澱んでいる。 しかし、こうなることは予想していなかったわけではない。長年自分の体と付き

          薄暗い朝に

          冬眠する長男

          長男は冬になると朝起きられなくなる。 布団を頭から被り、起こしてもむにゃむにゃと苦しそうに反応するだけでまるで目覚める様子がない。無理矢理布団を引き剥がしても、だらりと力なくその場に倒れ込んでいるだけだ。 毎朝、30分ほどかけてゆっくりと「長男くん、朝だよ。起きて」とゲーム『ブレスオブザワイルド』の冒頭のように語りかけ続け、少しずつ意識が覚醒に向かっているのを確認してから満を持して布団を引き剥がす。 すると、長男はぶつぶつと文句を言いながらも毛布を一枚引き摺って寝室から抜け

          冬眠する長男

          『家族をやる』というマルチタスク

          が、難しい。 何しろマルチもマルチである。 営業と経理と事務と人事と秘書と現場スタッフとお茶出しの新入社員と管理職と平社員と社員の子供を預かる保育士と社員食堂のスタッフを兼任しているようなものだ。 何ならたまに子供らからお姫様のような扱い(お母さんは女の子だからそんな汚いことをしちゃだめ!などと叱責される)を受けるので「姫」もやってるかも知れない。 ともかく、上下ユニクロの服を着た姫は、朝誰より早起きして子供たちに栄養豊富なご飯を用意している。今日の天気をアレクサに聞いて子

          『家族をやる』というマルチタスク

          母が壊れたり壊れなかったりする話

          母、75歳。 思えばエキセントリックな人だった。 子供の頃からかなりの秀才で、ドストエフスキーなんて中学で読んだわよ、と笑う読書家だった。大学では哲学やドイツ語を学んだらしい。 長じてからは編集者となった。あの作家にも、あの漫画家にもインタビューしたわよ、と私でも知っている有名な作家の名前がぽんぽん上がった。 そのうちに彼女は小説を書き始め、デビューを果たした。処女作で小さいながらも文学賞を受賞し、執筆に専念するため出版社を退社。インテリ女性としてはなかなかの人生だったと思

          母が壊れたり壊れなかったりする話

          家庭を省みない父が"理解のある夫くん"になった話

          父、75歳。 若い頃から自分で事業を起こしては失敗→負債を抱える を繰り返し、母と家族に迷惑をかけ続けた男。無口で無愛想、不器用、貧乏。 子供の頃にあまり遊んでもらった記憶はなく、10代の頃はほとんど口も聞かなかった。 「母はなんでこんな陰気臭い男と結婚したんだろう」とずっと思っていた。 その父が、である。 今なんと「理解のある夫くん」になっていたのだから驚きだ。 父は会社をいくつか潰したあと、老齢になってからはアルバイトをしていた。よく働くジジイではあったが、母がフルタ

          家庭を省みない父が"理解のある夫くん"になった話

          長男の感覚過敏について

          ASD長男にはいくつか感覚過敏がある。 一番わかりやすいのが味覚過敏、次が触覚過敏。 そして嗅覚過敏が最近になって判明した。 味覚過敏 これはわかりやすかった。何しろメシを食わないので。 ・白ご飯しか食べられない(混ぜご飯、色付きご飯が無理) ・辛いものがダメ(カレー甘口、胡椒・唐辛子無理、ラー油死んでも無理) ・野菜ほぼ無理 ・うどんに2mmぐらいのネギの欠片が入っていただけで食べられなくなる ・ピザをオーダーするときあらゆるトッピングを抜くのでただのチーズピザになっ

          長男の感覚過敏について

          子乗せ自転車が役目を終える時

          数日前、電動自転車のタイヤがパンクした。 塞ぐことのできる小さな穴ではなく、完全に擦り切れて大きな穴が開いてしまった。 私はパンクしてただの巨大な厄介物と成り下がった自転車を手で押し、ゼエゼエ言いながらバイク屋まで運んだ。 私が使っているのは前後に子供を乗せることができる、いわゆる子乗せ自転車である。町でよく見かける、車体が低くて初めからチャイルドシートが取り付けられたオーソドックスなタイプだ。 もう数年乗っているのでだいぶガタが来ており、タイヤ交換をしてもらうついでにあち

          子乗せ自転車が役目を終える時

          長男がもう一度医療に繋がるまで

          就学と同時に療育センターを卒業すると、ASD長男の医療との繋がりは途切れた。 近所の放課後デイに通い始めたものの、そこも一年生の後半には「長男君にはもう必要ないかもしれない」とやんわり卒業を促され、春前にやめることになる。放課後デイに通わなくなると受給者証も不要となり、更新を止めた。 これで長男は完全に支援の輪から外れることになったのである。 しかしその当時は別に不安ではなかった。 長男は家でも学校でも落ち着いていたし、世の中は伝染病のことで揺れていた。 その翌年から次々に

          長男がもう一度医療に繋がるまで

          境界知能の次男のこと

          次男は手のかからない赤ちゃんだった。 長男に比べれば。 この『長男に比べれば』とか『長男と比べて』という枕詞を頻繁に使うのはあまりよくないと思うのだが、私にはそこしか比較対象がないので見逃してほしい。 ともかく、ASDで多動傾向もあり、癇の強い長男に比べれば次男は育てやすかった。 おっとりおとなしく、よく寝てよく食べる。少々体が弱くて0歳時に二度入院したが経過は良好、入院時に母乳からミルクに切り替えたため卒乳も滞りなく進み、夜泣きも少なかった。 いつもニコニコ機嫌がよく、

          境界知能の次男のこと