日本の宝 お米の特質|消化酵素からお米を網羅する真面目なはなし。
続、お米の話です。
栄養士が学校ではじめの方に習うのが
主食であるお米の アミロースとアミロペクチン についてです(^^)
人は糖質を主なエネルギーにしていますが、1番最初の消化酵素が出る場所は、
🔸唾液の中のアミラーゼ。
糖質を消化する消費酵素です。
🔸タンパク質は胃から出るペプシン。
🔸脂質は十二指腸で分解が始まるリパーゼ。
(リパーゼを出すのは膵臓→十二指腸へ送り込まれる)
糖質の消化酵素が1番最初に出る。ということは、糖質を体がエネルギー源として1番必要としているからではないか。と私は考えています🍙
1、日本の米は大きく2種に分けられる。
(1)うるち米
普段私たちが食べるご飯。
でんぷんの比率/アミロース 8:2 アミロペクチン
(2)もち米
でんぶんの比率/アミロペクチン100%
でんぷんのアミロペクチンが多いとモチモチした食感を生みます。
冷めてもモチモチした食感の品種は、アミロペクチンが多い。最近の消費者の好みに合わせてモチモチ系に品種改良されている傾向。
2、世界で分けられている品種は3つ
(1)ジャポニカ種
日本で食べられているお米
うるち米
アミロース 2:8 アミロペクチン
もち米
アミロペクチン 100%
(2)インディカ種
中国、ベトナム、インド、中東で食べられる品種。
細長く粘りがなくてパサパサしている。
アミロース 3:7 アミロペクチン
タイ米・バスティマライス・ジャスミンライス
(3)ジャバニカ種
イタリアやスペイン、インドネシアで食され、
やや大粒で、ジャポニカ種とインディカ種の中間の食感。
アミロース 2.5-3 : アミロペクチン 7.5-7
リゾットのカルナローリ米🇮🇹
パエリアのバレンシア米🇪🇸
モチモチが特徴の日本の米はアミロペクチンが最多。
3、日本人は水分やモチモチが好き
日本の米は、世界の米に比べてアミロペクチンが多くてモチモチの傾向。
農耕民族の日本人が、ずっと慣れ親しんで主食としてきたものの特徴が、日本人の味や食感の好みである「嗜好」しこう につながっているなと感じます。
一般的に日本人は、唾液が少なく水分の多いものやモチモチしたものを好みます。
パンにもこの好みが反映されていて、外国のパンは硬いハード系や、保存食的なパンも多いのに対して、日本のパンはフワフワでもちもちしたり水分のパンが多い傾向です(^ ^)
4、高アミロース米は太りにくい
お米のでんぷんのアミロースとアミロペクチンの比率によって、太りにくくなります。
アミロースは単純な繋がりに対して、
アミロペクチンは複雑です。この複雑な繋がりがモチモチの食感を生んでいます。
この複雑な繋がりは、消化をしていく過程で沢山の消化酵素が必要になります。
消化酵素をたくさん使い、体内に留まる時間も長くなり、吸収する時間も長くなる。
長い時間体内に糖質が取り込まれている状態で、血糖値が高値キープのまま。ということになってしまいます。
血糖値高値をキープしていると、インスリンが出て血液内の血糖値を下げようと頑張ります。回収されたものは肝臓に蓄積され、余剰分が脂肪になります。
モチモチのお米やもち米の方が太りやすい、ということになります🍚
逆のアミロペクチンが少なく、アミロースが多いお米を「高アミロース米」と言います。
日本の品種で言えば、ササニシキです。
今あんまり聞かなくなったな。。
バスティマライスを使ったビリヤニや、スパイスカレー、中華料理やガパオライスで出てくるジャスミンライス、イタリアのリゾット。は、太りにくいお米です(^^)
お餅はついつい沢山食べてしまうのもあって、体重が増えた経験もあります。お赤飯も止まらなくなるな笑
5、レジスタントスターチ
ダイエットで食事制限をされた事がある方ならご存知の、レジスタントスターチ。
お米やお餅のでんぷんが冷えると、食物繊維に似た形状になり、太りにくくなるという性質。
冷やご飯は太りにくく、冷やし焼芋も太りにくいです。でんぷんが冷えるとレジスタントスターチになります。
飽食の時代で、太りにくい食生活や痩せるものが注目を浴びますが、ヒトが生き延びる為に、体は基本的に飢餓に対応した作りになっています。
栄養素を取り込むためのホルモンや働きは沢山ありますが、食欲抑制や痩せる為、エネルギーを使うために出るホルモンはわずかなのです。
(レプチン・アディポネクチン・GLT-1)
🍚
日本の米余り、2050年食糧自給問題。
お米を主役にした商品や消費がもっと増えれば良いと思います。米粉もまだ小麦粉よりは値段が高い傾向。
お米以外も課題はありますが、消費する時に考えて選択をし、国内産を選んだり、ここにお金を使うとどこにお金が落ちることになるか。等考えて消費すると色んなことに気づくキッカケになし、選んで買ったというのは心の充足感にも繋がるのではと思っています。