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読書感想文【マンガでわかる源氏物語】

日本が世界に誇る古典文学の一つとして源氏物語がある。
私も昔、図書館で解説本と共ににらめっこしながら読破した。
色恋沙汰オンリーかと思ってただけに、その奥深さに衝撃を覚えたものだ。

でも古典文学って難しい。
なんとか文字が読めてもその意味がわからない。
時代背景も違うので、なおのこと分かりづらい。
しかも「入門書」がたくさんあるのも困りもの。

初心者にもわかりやすくて、それでいて入門書単体でも面白い本はないかしら…。

と本棚をうろついてたら目に留まったのがコレ!!

「マンガでわかるシリーズ」は堅苦しい本を読みやすく&わかりやすくしたもの。
マンガ版7つの習慣とかは有名じゃないだろうか。
自分の興味があるもの、しかし内容が難しすぎてチンプンカンプンなものの入門書としてはこれ以上になくピッタリだろう。
というわけでレビュー!

…の前に、まずはこの表紙を見ていただきたい。

マゼンタがひときわ目を引く。

見よ、このシンプルな表紙を。
マゼンタを基調とし、白と黒の文字だけのストロングスタイル。
紫式部あるいは若紫にならってのこの配色だろうか。
ネットで検索すると帯めいたものがついてるが、今回のにはついてない。
「マンガ」にも関わらず、表紙にはマンガはもちろんイラストすら描かれてない。
「あくまで中身で語りたい」という意志を感じる。


本の構成は
マンガ(1〜4ページ)
本文(本編の解説、人物の紹介、豆知識や深読みや補足、人物相関図)
コラム(作者および舞台となった平安時代の文化など)
となってる。


漫画の作画は亀小屋サト・サイドランチ。
眉目秀麗、容姿端麗なマンガやイラストが素晴らしい。
特に描かれた女性たちが超かわいい。
幼い頃の紫、自由な朧月夜、初恋の人の藤壺など、可愛くも美しい女性たちが本書を彩る。


本文は各巻の内容を解説。
この人はなぜこういうことをしたのか、このやりとりにはどんな意味があるのか、など、現代に生きる私たちには馴染みのない出来事も、ここでは当時の情勢を踏まえながら解説してあるのでわかりやすい。
現代風にアレンジした例えも秀逸で、玉鬘のことを「トップレディとの交流で、平民だった女の子は突然セレブに!」はいい例えだと思った。どこぞの異世界転生ものか?

人物クローズアップの項は、各巻に登場した人物の動き。
豆知識や深読み、知っておきたい!の項目も読んでいて楽しい。
自分の言った冗談が、1000年後の今日まで残った男の話には笑ってしまった。

また、各巻ごとに人物相関図があるのもポイント高い。
この当時はいとこ同士での結婚は珍しくなかったのでごちゃごちゃになりがち。


コラムは主に平安時代の文化など。
当時の恋愛・結婚観、どんな衣服を着ていたのか、たびたび出てくる「出家」とはどんな意味なのか…など。
私はというと、お香のコラムを読んで人生初のお香を買ってしまった。
やはりこの頃は手紙ひとつとっても風情があるなあ…と感じる。

本書にあたり、著者は「平安人との間に完成の橋を架ける」ことを目標としたそうな。
まさしくこの本は私はもちろん源氏物語に興味がある人への架け橋になってくれるだろう。
ぜひこの本を片手にまた本編を読んでみたいです。

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