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映画1ST KISSファーストキス感想(ネタバレあり)

映画1ST KISSファーストキスを見てきました。
ちょっと照れくさいタイトルといい、英語表記といいスイーツ感がありますね。10代がデートで見にいきそうな印象。俺様系イケメンがアゴくいをかましてきそうな。

ですが松たか子さん主演の映画です。そんなにスイーツ感はありませんでした。脚本は坂元裕二さん。ドラマ大豆田とわ子と三人の元夫のコンビですね。

https://1stkiss-movie.toho.co.jp/

ちなみに監督は塚原あゆ子さん。最近だと脚本の野木亜紀子さんと組んだラストマイルや、キムタクのグランメゾン・パリなど撮ってますね。いま、旬の人です。


この映画、つきあいたての男女や、これからつきあいそうな男女がデートで見るのにはおすすめできない気がする。
内容的にちょっと重たいところもあるし、夫婦の別れをけっこうリアルに描いていたりする…
脚本の坂元裕二さん、別れのモチーフに取り憑かれているところがあります。「花束みたいな恋をした」では20代カップルの出会いから別れまでをリアルに描いてるし、十年以上前のドラマ「最高の離婚」なんか、もろにそうですよね。
ちなみに最高の離婚の後日談、最高の離婚SP2014の再放送をするみたいですね。


以下ネタバレあり
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会話を中心とした軽妙なやりとりなど、坂元節は健在ですが、今作は軽めのSF要素があります。

 離婚寸前にまで冷めきった関係になった夫が、線路で死にます。線路に転落したベビーカーを救出しようと線路に降りるのですが、赤ん坊は助かるものの夫は死にます。
主人公はその場にいなく、夫の死を電話で知るのですが、それ以降はどこかふわふわした感じで日常を過ごしています。

ある日の夜、走っていた車でトンネルを抜けると、そこは十五年前の夏につながっています。それは30才の主人公が夫と知り合う運命の日、なのですが……

この、過去にもどる条件が非常にゆるく、何回でも過去にもどれます。
いちおう、十五年前の主人公が出てくるとタイムパラドックス的なアレでヤバいくらいです。その日の昼から夜の8時くらいまでを何度でもやり返すことができるのです。

離婚寸前の仲とはいえ、憎悪ではないんでしょうね。主人公はなんとか夫が事故死しないように誘導しようとします。
事故当日に寄った行きつけのコロッケ屋の悪口を言い、そこに寄らないようにしようとしたり、駅のホームにある緊急非常停止ボタンのことをしつこく語ったり、はたまた自分と結婚しないように教授の娘とくっつけようとしたり……。

最終的に主人公は夫にすべてをぶちまけます。夫が選んだ選択は、30才の主人公と出会って結婚したうえで、離婚危機にならないように円満な関係をキープしたうえで、十五年後に死ぬというものでした。

 以降、1週目の結婚生活とはちがい、終始仲のいい感じでいけます。そして夫が事故死した後に見つける手紙。ここで坂元ポエムが炸裂です。
劇場の中では、ちょいちょいすすり泣きが聞こえてきてました。そら、こんなん泣くやん。もう。

視聴し終えて、感動もし、見て良かったとも思ったのですが、やっぱ若いカップルには安易におすすめしづらいかな。離婚危機を乗り越えた熟年夫婦とかにはおすすめできる気がする。それか滅多に喧嘩をしないカップルとか。

花束みたいな恋をした。でも思ったのですが、カップルが険悪になる経緯がやけにリアルなんですよね。
生活のためにやりたいことをあきらめて、向いてない仕事をしているうちに精神がすり減っていき、妻や彼女とろくなコミュニケーションがとれなくなってくるあたりは両作品、共通でした。つきあいたての頃のときめきを忘れて、相手にたいして雑になってくんですよね。

つらい部分もありますが、見てよかったと思える作品でした。

ちなみに坂元裕二さん、4月にまた新作が劇場公開されるのですね。花束みたいな恋をしたの土井監督とのコンビです。これも楽しみです。見に行きます。





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