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本屋は潰れて、記憶は癒えて、
そういえば、お家の徒歩圏内に3店舗あった本屋さんがぜんぶ潰れちゃった。最後の1店舗なんて、「久々にいこ~」と思ってエスカレーターを上ったら、もう、すっからかん。何にもなくなっていた。
コロナ期や受験期、息抜きで本屋さんへ行き、旅行本を読むことが好きで、救われていた。「あまりお客さんがおらず、落ち着いて本を選べるのがいいんだよな〜」なんて思いながら何冊もの本を買い、時には参考書を買い、エスカレーターを下った日が懐かしい。しかし駅の周りは、お店ができては潰れていき、空っぽのガラスにテナント募集の紙が貼られた場所ばかりになってしまった。
彼岸花を見ながら、生まれ育ったこの街に寂しさを感じながら、2024年の秋を過ごしている。
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10月のはじめ、中学生の時にたくさん聴いていたバンドと、高校以降ずっと大好きなバンドの対バンへ行った。自分にとってTHE 青春の2バンド。
「音楽は記憶の匂い」だとも言えるくらい、思い出を蘇らせる。
あのチャイムの音や教室の匂い、下駄箱で友達を待っていたこと、通学路に咲く金木犀。トイレで見た第一志望の合格発表、たくさんの言い合いをしたこと。どうにもならなかったこと、あのときもっとああすればなあ、とか。胸がギュッとなること。
しかし、いつも感情が揺すぶられる曲たちで涙を流さなかったわたしは、きっともう、ネガティブな思い出を引きずるなんてことはしていなくて、記憶を記憶として冷静に受け入れている。前を向いている。
「すべての出来事や感情には意味がある、それがきっといつか分かる日が来る」とは思ってはいるものの、実際哀しい記憶はすぐに癒えやしない。その記憶たちが、数年をかけて自分の一部となり、しかも大好きなライブでそれを感じられたことがとってもうれしかった。
最近は、自分を思いっきり大切にできているような気がして、そうしたら自然と、周りの人ももっと幸せにしたいななんて思うようになって、ひたすらに日々が愛おしい。
やらなきゃいけないこと、考えなきゃいけないこともたくさんあるけれど、おいしいご飯をたくさん食べていてほしいな~という存在が周りにいるだけで、どうにかなっちゃうような気がしてる。
まあ、たぶん、きっといつか、ダメダメな夜も来てしまうだろうけど、海を聴いて、キャンドルの火を揺らして、音楽に触れて、この感情もよいのだと抱き締めることにしよ〜〜。
ゆるゆると、ね、