見出し画像

ザリガニの鳴くところ

こんばんは。

今日は、『ザリガニの鳴くところ』を観たので紹介します!

あらすじ

1969年、ノースカロライナ州の湿地帯で、裕福な家庭で育ち将来を期待されていた青年の変死体が発見された。
容疑をかけられたのは、‟ザリガニが鳴く”と言われる湿地帯でたったひとり育った、無垢な少女カイア。
彼女は6歳の時に両親に見捨てられ、学校にも通わず、花、草木、魚、鳥など、湿地の自然から生きる術を学び、ひとりで生き抜いてきた。
そんな彼女の世界に迷い込んだ、心優しきひとりの青年。
彼との出会いをきっかけに、すべての歯車が狂い始める…。

Amazonより

印象的なシーン

いくつか非常に印象的なシーンがある。以下に主要なシーンをいくつか挙げる、

1.カイアの家族の離散
カイアの幼少期に、母親が家族を置いて去るシーンは非常に印象的。このシーンは、カイアの孤独と見捨てられた感覚を強く表現している。次々と家族が離れていく中で、彼女がどのように孤独を抱えることになるのかが示されている。

2.テイトとの出会いと関係
カイアとテイトが出会い、次第に親しくなっていくシーンは心温まるもの。テイトがカイアに読み書きを教える過程や、彼女が次第に信頼を築いていく様子は、カイアの内面的な成長と希望の象徴として描かれている。

3.チェイスとの対立
カイアとチェイスの関係が次第に崩れていくシーンは、緊張感に満ちている。特に、チェイスがカイアを襲おうとする場面や、彼女が自己防衛のために立ち向かうシーンは、彼女の強さと決意を象徴している。

4.法廷でのカイアの弁明
カイアがチェイスの死について容疑をかけられ、法廷で弁明するシーンは映画のクライマックスの一つ。彼女が自分の無実を主張し、地元の人々に対して自らの正当性を訴える姿は、彼女の成長と強さを強調している。

5.最後の逆転劇
映画の最後に明かされる真実、つまりカイアが実際にはチェイスを殺していたことが示されるシーンは、観客に衝撃を与える。このシーンは、彼女の複雑なキャラクターと生き残るための決意を再確認させる。

6.カイアの孤独と自然との調和
カイアが湿地帯で一人過ごすシーンや、自然と調和して生きる姿は、映画全体を通して繰り返されるテーマ。これらのシーンは、彼女の孤独と自然との深いつながりを象徴している。

これらのシーンは、カイアの成長と強さ、そして彼女の内面的な葛藤を鮮やかに描き出しており、観客に深い印象を残す。

名言

印象的な台詞がいくつかある。以下に、特に印象に残る名言を挙げる。

・カイアの名言
1. 「私はずっとひとりだった。でもひとりでも生きていけるって証明したかった。」
    カイアの孤独と強さを象徴する言葉。彼女が自立し、困難に立ち向かう姿勢を示している。

2. 「自然は何も教えてくれない。ただ、生き残るための方法を教えてくれるだけ。」
     自然との深い結びつきを強調し、カイアが自然から学んだ生きるための知恵と強さを表現している。

・テイトの名言
3. 「君が何者であれ、君のことを大切に思っている。」
    テイトがカイアに対して示す無条件の愛とサポートを象徴する言葉。

・マーズの名言
4. 「人は皆、自分の物語を持っている。だから、その物語を聞くことが大事だ。」
    カイアの物語を理解しようとする姿勢を表す言葉であり、他者への共感と理解の重要性を強調している。

・その他の名言
5. 「誰もが愛されたい。でも、誰かに依存するのではなく、自分を愛することが大事だ。」
    自立と自己愛の重要性を示す言葉であり、カイアの成長と内面的な強さを反映している。

これらの名言は、キャラクターの感情やテーマを深く表現しており、映画全体のメッセージを強く伝えるもの。

考察

いくつかの重要なテーマとキャラクターの発展が含まれる。以下に主要なポイントを挙げる。

1.自然と孤独
カイアの物語は、自然との深い結びつきを強調している。彼女は幼少期から家族に見捨てられ、湿地帯の自然環境の中で自らを育て上げる。自然は彼女にとって避難所であり、唯一の友人であり、教師でもある。この映画は、自然が人間の精神的な支えになることを示している。

2.社会の偏見と排除
カイアは地元のコミュニティから「沼地の女」として疎外され、偏見と差別の対象となる。彼女の孤立は、社会が異質なものを恐れ、理解しようとしない態度を象徴している。この点で、映画は社会的な排除の問題を提起し、共感と理解の重要性を訴えている。

3.自己発見と成長
カイアの旅は自己発見と成長の物語でもある。彼女は自分の強さと才能を発見し、最終的には自らの道を切り開いていく。彼女の成長過程は、多くの困難や試練を乗り越える過程を描いており、その過程で彼女がどのように内面的に強くなっていくかを示している。

4.愛と裏切り
カイアの人生には、愛と裏切りの要素が大きく影響している。彼女はテイトとの純粋な愛を経験し、一方でチェイスの裏切りに直面する。これらの経験は彼女の感情的な成長に寄与し、最終的には彼女が他人との関係をどのように築くかに影響を与える。

5.ミステリー要素
物語の中で、カイアがチェイスの死に関与しているかどうかというミステリー要素が展開される。これは観客に対する心理的な駆け引きであり、カイアのキャラクターの複雑さを浮き彫りにする。この要素は映画の緊張感を高め、観客を引きつける。

総じて、「ザリガニの鳴くところ」は、自然との共生、社会的な排除、自己発見、愛と裏切りという複数のテーマを織り交ぜながら、カイアというキャラクターの成長と人間性を深く掘り下げた作品。これらのテーマが巧みに絡み合い、観客に深い感動と考察を促す物語となっている。

評価

批評家と観客の間で分かれている。以下に、映画の主な評価ポイントをまとめる。

・ポジティブな評価

1. 映像美と自然描写
   映画の視覚的な美しさ、特に湿地帯の風景や自然の描写が高く評価されている。これにより、物語の舞台である自然環境が生き生きと表現されている。

2. 主演のデイジー・エドガー=ジョーンズの演技
   カイア役を演じたデイジー・エドガー=ジョーンズの演技が多くの観客から絶賛されている。彼女の繊細で感情豊かな演技が、カイアの孤独や強さを見事に表現している。

3. 原作への忠実さ
   原作ファンの中には、映画がディーリア・オーエンズの小説に忠実であると評価する声もある。主要なプロットやキャラクターの描写が原作に沿っているため、原作の雰囲気をよく再現している。

・ネガティブな評価

1. ペースの遅さ
   一部の批評家と観客は、映画のペースが遅く感じられると指摘している。物語の進行がゆっくりしているため、テンポが合わないと感じる人もいる。

2. キャラクターの深掘り不足
   原作に比べてキャラクターの内面的な描写が不足しているという意見もある。映画では時間の制約があるため、原作の細やかな心理描写が一部省略されていることが理由。

3. 結末の賛否
   映画の結末についても意見が分かれます。原作を読んでいない観客にとっては意外性がある一方で、原作ファンの中には結末が期待通りでなかったと感じる人もいる。

・総評
総じて、「ザリガニの鳴くところ」は、視覚的に美しく、感情に訴える作品として多くの観客に支持されている。しかし、ペースやキャラクターの深掘りに関しては賛否が分かれる部分もあり、特に原作を読んでいるかどうかで評価が異なることが多い。視覚的な魅力や主演の演技を重視する観客には特におすすめの作品。

感想

2022年に公開された映画で、ディーリア・オーエンズの同名小説を原作としている。この映画は、北カロライナ州の湿地帯で育ったカイア・クラークという孤独な少女の物語を描いている。

感想としては、多くの観客が映画の映像美と自然の描写に感嘆している。湿地帯の風景が美しく、カイアの孤独と自然とのつながりを効果的に表現している。また、主演のデイジー・エドガー=ジョーンズの演技も高く評価されている。彼女はカイアの複雑なキャラクターを見事に演じている。

一方で、映画のペースが遅く感じられる部分もあり、原作小説の細やかなディテールや心理描写が一部省略されているため、原作ファンの中には物足りなさを感じる人もいるよう。また、物語の展開や結末についても意見が分かれるところ。

総じて、「ザリガニの鳴くところ」は視覚的に美しく、感情に訴える作品ですが、原作を読んでいる人にとっては物足りなさを感じる部分もあるかもしれない。それでも、多くの観客にとって心に残る映画であることは間違いない。

こんな人におすすめ

「ザリガニの鳴くところ」は、以下のような人々に特におすすめ。

1.自然と映像美を愛する人
映画の美しい風景描写や自然のシーンは、この作品の大きな魅力の一つ。自然とのつながりや環境描写に惹かれる人にとって、視覚的に楽しめる作品。

2.人間ドラマを好む人
カイアの孤独な成長過程や人間関係の葛藤を描くストーリーは、人間ドラマが好きな観客に強く響くだろう。特に、複雑な感情や心理描写に共感できる人におすすめ。

3.原作小説のファン
ディーリア・オーエンズの原作小説「ザリガニの鳴くところ」を読んで楽しんだ人にとって、映画はその世界観を映像で再び体験する良い機会。小説の雰囲気やキャラクターに親しんでいる人には特に魅力的。

4.女性の成長物語に興味がある人
カイアの成長と自立の物語は、多くの女性にとってインスピレーションとなるだろう。困難な状況でも強く生き抜く女性主人公の姿は、多くの人に勇気を与える。

5.ミステリーやサスペンスが好きな人
映画にはミステリー要素やサスペンスが含まれており、物語の展開に引き込まれる要素がある。特に、誰がチェイスを殺したのかという謎が物語の中心にあるため、推理好きの観客にとっても楽しめる作品。

6.感情的な映画を好む人
映画全体を通じて感情に訴えるシーンが多く、心温まる場面や感動的な瞬間がたくさんある。感情豊かな映画体験を求める人にとって、この作品は深く心に響くだろう。

7.社会問題に関心がある人
映画は社会的な排除や偏見の問題も取り上げている。異質なものに対する社会の態度や、個人がいかにしてそれに立ち向かうかというテーマは、社会問題に関心がある人にとって興味深いもの。

以上のように、「ザリガニの鳴くところ」は多様な観点から楽しめる映画であり、幅広い観客層におすすめ。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集